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エンタープライズコラボレーションの今と今後を鋭く分析

"コミュニケーション"を測る

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 ナレッジマネジメントという分野に長く携わっていると、“コミュニケーション”をなんとかしたい/良くしたい/改善したいという話に頻繁に出くわす。ところがこの“コミュニケーション”という言葉が曲者だ。あまり明確な定義が無いうえに、業種/業態/職種/業務によって必要な“コミュニケーション”は全く異なるからだ。

 そういうときは、いったん目的とかゴールの設定に立ち戻って「コミュニケーションが良くなると何が良くなるのですか?」「コミュニケーションが活性化した組織になれた場合をイメージして日々のシーンを具体的に説明してください」といった質問を投げかけるのもナレッジコンサルとしての常とう手段だ。
 さて、目的やゴールはこうした質問で明確化できるとしてもう一つの問題は、“コミュニケーション”の量や質の測定方法だ。施策の結果“コミュニケーション”が改善されたことを証明するためには、当然それを定量化しておいて前後で比較をする必要がある。これが難しい。結局、今までのところ一番良く使われるのはアンケートで、次が書き込みやメールの数といったものだった。

 そんななか日経ITproの「「見える化」から「測る化」へ」という記事に最新の“コミュニケーション”の測定手法が載っていた。そこでは、プロジェクトメンバー150人が首から赤外線の送受信センサーを持つICカードを下げて仕事を行い“コミュニケーション”の量を測定したそうだ。日立製作所自身の持つICカード関連の技術を活用したそうだ。

ICカード同士が2~3メートル内で向き合うと、互いにID番号と認識時刻を送受信して内蔵メモリーに記録する(認識できなくなったときの時刻も記録)。これにより、誰と誰がどのくらいの時間、対面で会話したのかを測定

 ちょっと凄いと思う。すでにこんなこともできるようになったのかと感心した。確か以前にIBMで研究所の所員のメール交換ログを分析してコミュニケーションを可視化するという研究があったがITの進展でさらに進んだ測定方法が出てきたということで、これで“コミュニケーション”の改善コンサルティングもまた一歩先に進めるようになるかもしれない。

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