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エンタープライズコラボレーションの今と今後を鋭く分析

SBM(ソーシャルブックマーク)研究会に参加して

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 予告していた通り、先週の土曜日にはSBM(ソーシャルブックマーク)研究会へパネラーとして参加してきた。その前の金曜日には、ISOT2008の見学とITmediaエンタープライズでのSNSに関する勉強会があって2日間でかなりあわただしいスケジュールとなり、その反動で日曜日の後半ちょっと調子を崩してしまった。
 ということで遅まきながらSBM勉強会の感想などを書いてみる。

 第1回ということで、当日は多種多様な人たちが参加していて非常に面白かった。既にいろいろな人がレポートで書いているが研究者と開発者とビジネスをやっている人が一同に会するというのはそんなに機会があるわけではないので非常に貴重だったと思う。
 個人的には、会の最初の横田さんのプレゼンがとても面白かった。SBMの認知度がたった7%だとか、最初のSBMの話とか、なかでもBLINKの話は、当時あのサービスにかなり注目していた私にはとても懐かしかった。ただその後の学術研究面のプレゼンになるとついて行くのがかなり辛かったのも確かであるし、正直ちょっと眠くなったのも確かだ。

 どうやらSBMの学術研究のほうでは、今はどうやらコンテンツレコメンドに注目が集まっているみたいだが、個人的にはブックマークでのレコメンドは、Buzzurlのシンクロユーザー機能のようなパーソナルレコメンドベースで十分では無いかと思っている。というのも、今の私の仕事でのソーシャルブックマークの使い方は、多量の(石混じりの)データから価値のあるもの(玉)を素早く見つけたり知らせることにあり、この時に個別のコンテンツが石か玉かを判断するのに最も重要な要素は、コンテンツの内容を別にするとやはり誰がブックマークしたのかによる。自分と嗜好の違う人が何人ブックマークしていようとその情報の価値は上がらない。そもそもブックマークする背景が人それぞれ違うのだから、コンテンツ単位でリコメンドされるとノイズのほうが大きくなるような気がするが、どうなのだろうか。

 パネルディスカッションの中でもちょっと話したが、私としてはもしリコメンドしてくれるのであれば、新しいコンテンツをクリップしたときに関連する過去クリップ等をリコメンドして欲しい。社内でSBMを活用していて感じるのは、SBMというのは流れていく情報をつなぎ止めるには優秀だが、過去の情報を再利用するにはイマイチだということ。あるニュースをクリップしたときに、過去にそれに類似する事柄をいつ誰がどんなコメントをつけて登録しているかを知りたいという時は多いのだが、いかんせん今のSBMではそれは難しい。

 今の機能ではタグがそれにあたるとは思うのだけど、このタグの表現方法はタグクラウドの次が未だに出てきていないと思う。タグの見せ方やまとめ方にはまだまだ改良の余地があると睨んでいるのだが、Digg Labsなどを見ていてもまだまだ試行段階のようだ。難しいのかな。

 あともうひとつアイデアを書くなら、SBMをもっと情報評価の面で活用できないかとも思っている。例えばインターネットでは、同じプレスリリースのニュースをいくつものメディアが伝えるが、その中でどれが一番良い記事なのかというのをSBMで上手く可視化できないものかと。今でもブックマークの累積数を見れば同じテーマの記事でもどれから読むかをそれなりに判断できるが、累積数だと早く報道された記事や有名記者の記事が有利になってちょっと偏るのだ。なんか他の指標とかないものだろうか。

 最後はSBM研究会の感想と言うよりは、ソーシャルブックマークとソーシャルタギングへの今後の期待のような内容になってしまったが、何にしても朝10時から懇親会の21時まで非常に楽しい一日であった。

 本を書いたときにお世話になったphaさんやいつもBlogを拝見している無印吉澤さんをはじめとして凄く沢山の人が参加され、そしてTwitterのタイムラインでいつもご一緒している方たちにお会いできた事が何よりでした。
 主催者の西谷さんには本当に感謝するとともに次回以降の超展開にも期待させていただきます。SBM研究会に参加した皆様お疲れ様でした!そして、ありがとうございました☆

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