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SEには予定が無い!?

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 ITmediaのBiz.IDに「オンラインカレンダーがなぜイマイチなのか」というタイトルでオンラインカレンダー関係5社のサービスの紹介記事が掲載されている。じつはこれは先日オンラインカレンダー業界5社が一同に会して情報交換を行ったときの内容を記事にしたものなのだが、縁あって私もその場に同席していたので関連エントリーを書いてみたい。

 当日の会議の中で最も印象的だったのは、イベントキャストの市場博昭社長からの「SEには予定がない」という自らの経験をベースにした発言。おもわず苦笑してしまったが確かに私自信特定プロジェクト専任のSEだった時代には、スケジュールなんて何日までにどのプログラムをあげるとか以外には週1回の定例会議があるくらいでわざわざスケジュールを登録する必要なんてほとんどなかった。今はコンサルタントというある意味時間を切り売りする職業で、担当プロジェクト以外にも営業として顧客先に出かけることも多いのでスケジューラは手放せないソフトウェアになってるが、周りを見渡しても確かに営業やコンサルタントに比較してSEにはスケジューラーのニーズは低いようだ。

 この「そもそも予定がない」という意見に対して、オンラインカレンダーベンダーの方から出ていたアイデアや意見はいくつかある。

  • 予定ではなく、本やモノの発売日などのイベントまでターゲットを広げればカレンダーの応用範囲が広がる(イベントキャスト)
  • 実際に今も天気予報のカレンダーは人気が高い(インフォテリア)

 インターネットの拡大に伴い一般的な利用者も増えてきたが、やはり今のインターネットで新しいサービスを引っ張っているのはSE層なのだろう。だとすると確かにまずはこういったアイデアを使って予定の無いSEに、会社の会議以外のイベントの開催日、タスクの期限、発売日、締め切りといった時間情報を管理したくなるようなきっかけ作りが必要なのだろう。

 また当日は、手帳というオンラインカレンダーの最大のライバルとの差別化についても話し合われたが、出席者の大多数は、自社のサービスを手帳を否定したり手帳を置き換えるものとしては位置づけていなかった。どちらかというと手帳を補完するものとしてのポジションを考えているベンダーが多いようだ。例えば、

  • オンラインカレンダー上にオークションなどの他の情報を連携させることで利便性をあげる(ヤフー)
  • 日々の個人の活動を紙ではなく電子的に細かく記録することで、食事の傾向や日々の運動量の分析などの個人の生活パターンが分析できるようになる(ログリー)

という意見が出たり、自動登録という新しい概念を提唱するベンダーもいた。

  • 例えば大阪への出張の予定を入れていたとして、会議と電車の間に余分な時間があったときなどに、スケジューラが自動的に予定を入れてくれるようになると良い。過去の履歴でJazz好きというのを判別してその日に大阪で行われるJazzのコンサートを紹介してくれるとか(テンポ)

 自動入力は面白いアイデアだと私も思った。そのためにはとりあえず元となる時間情報データと利用者が大幅に増える必要がありそうだが。

 さてこういったオンラインカレンダー関係者の会合は今後も継続的に開催される予定だ。Biz.IDの記事にもあるように標準フォーマットについては大きな課題なので業界として取り組んでいく必要もあるだろう。
 もしオンラインカレンダーに関して一言言いたい方や興味を持たれている方がいれば、このエントリーにコメントかトラックバックをいただければ関係者に紹介をさせていただくので是非ご連絡を頂きたい。

===関連リンク

  • eventcast
  • c2talk
  • Yahoo!カレンダー
  • loglyカレンダー
  • souseit
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