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小6女児行方不明──きっかけはインターネット

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17年11月の警察庁の調査によると、携帯電話やパソコンからインターネットを使っている子どもの62.1%が「家庭でのルールは何も決めていない」と回答し、保護者の49.2%が「自由に使わせている」と回答しているとのこと。
そして、出会い系サイト事件の被害者(昨年)のうち、18歳未満が83%という現実が。

子どもたちにとって、電源を入れれば繋がるインターネットは、受話器を上げれば話せる電話や、リモコン操作一つで見られるテレビと同じように身近な道具となっているのに、「これがマウスです、これがディスプレイです」 から始まり 「インターネットの仕組みとは」 というような “パソコンの仕組み” しか教えてもらえない学校でのパソコン指導。
電話を使うために 「ベルの発明した電話は‥‥」 から解く人などいないのに!です。(苦笑)

21日・22日の土日、島根県松江&浜田で 『インターネット護身術』 の講演 (←ご報告はまた後日) をしていたさなか、長野県小諸市では小学校6年生の少女が行方不明になっていました。
子どもが犠牲になる事件も多い中、24日深夜、少女が無事保護されたとの報道に多くの人が安堵したと思います。
翌日、行方不明のきっかけが 「インターネットのメル友募集出会い系サイト」 だったことが判明。
テレビはこぞってインターネットリテラシー教育の急務を訴え、家庭でもルールを決めるべきだと報じました。

ところが、日ハムの優勝&SHINJO引退、雅子様久々のご公務ほか、さまざまなニュースソースは日々後をたたず (当たり前!/笑)、あんなに騒いでいたネットリテラシーの話はどこへ行ったの?という印象です。

ニュースを見ながら親子で会話されたご家庭、子どもたちと話し合った学校、どれくらいあるでしょうか。

相変わらず、「高○ですが」 「エッチな話のできる子がいいな」 といった “小学生じゃない” ことを正直に伝えている人の書き込みも山ほどあるメル友募集サイトの小学生コーナーには、子どもたちの書き込みがひっきりなしに飛び込んできています。(T_T)

月刊小学六年生10月号では、『インターネット&携帯電話デビューガイド』 という特集がありますが、そのサブタイトルは【つながるコミュニケーション】。
そう、いつでも、どこからでも、誰にでもつながってしまうのがインターネットです。

情報過多な時代だけに、何が危険なのか、どう身を守るべきかを教わっていない子どもたちに “リビングルームの目の届くところにあるから” とパソコンを開放するのは、外の面白さだけを知っている子どもたちに信号の見方や外を歩くときの危険などを教えないまま外出させるようなもの。
たとえ目の届くところにあっても、パソコンやケータイは 『パーソナルメディア』 なんですよ。

事件や犯罪が起こるたびに、ほんの数日間だけは大騒ぎし、すぐに終息してしまうようなやり方は、そろそろやめにしませんか。
パソコンやケータイの向こう側にいる知らない人たちのことを一緒に考えようともせず、とてつもなく強固なフィルターをかけて勝手に安心し (何に安心?説明しないで済むから??)、安全だと思おうとするのはもうおしまいにしましょうよ。

今の子どもたちが活躍する頃には、ITを利用しないでも何とかなる時代は終わっています。
正しいインターネットリテラシーを学ばせてあげたり、一緒に考えてあげたりしなければいけない、今が “その時” なんです。

ITカンパニーの社会貢献でもいいかもしれません、自治体の取り組みでもいいかもしれません、何でもいいですから「これからの子どもたちを守り育てる方法」を考えましょう!
こういうことこそが、次世代育成のひとつなのだと思うんですが。

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