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新規顧客開拓をしない方が売上が伸び、技術者が喜ぶ理由ーー営業部長の選択

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 売上げが伸びない、あるいは徐々に減少しているエリアを新しく任された営業部長や営業担当が、

「早急に売上の安定成長させたい」

V字回復させなくてはならない」

時に、まずとるべき重要戦略は、

「徹底した既存顧客フォーカス」

である。

 既存顧客の窓口担当者や経営者の

・満足度向上と信頼の獲得にフォーカスし

・新しいニーズ、課題を深掘りして新しい案件を獲得し(深掘り)

・他部門の担当者や案件を紹介いただき(横展)

・顧客と一緒に新規ビジネスにチャレンジし(新規事業開拓)

・付き合いのある他社の案件や知人を紹介いただく(紹介)

ことで、ホワイトエリアでの新規顧客開拓よりも効率よく、安定した売上基盤を作ることができるのだ。

 また「顧客満足度の向上」と朝礼で昌和させたり、社是に入れたり、社長が声高に叫ぶよりも、営業や技術者はお客様満足度に向けて仕事することになる。

 さて、「安定成長」「短期のV字回復」を目標とした時に、何故、新規顧客開拓戦略をとるべきではないかだが、

既存顧客の深掘り、ヨコテン、紹介案件に比べて、新規顧客への営業活動では以下のような問題がある。

・提案後の勝率が圧倒的に低い(私の経験では、15%対60%)

・新規コンタクトリスト入手に工数と時間とコストがかかる

(イベント開催して来場者リスト入手など)

・コンタクトしても最初の会話までに工数と時間がかかり確立も低い

(テレアポなど)

・お客様とのリレーションができてから案件化まで時間がかかる

・技術者が疲弊し営業と技術者の間での信頼感が落ちる

(一生懸命提案書や見積書を作っても、なかなか取れない)

・システムおよびコミュニケーション上トラブルが多発する

(信頼関係ができおらず、協力スタイルが確立されていない)

・技術者の営業稼働が増え、本来の開発効率が落ちる

(技術者の見積/提案書作成工数や営業同行の工数倍増)

・お互いの状況が理解されていないため妥協点を見つけにくい

(リソース不足対応方法、テストやドキュメント手法/粒度、承認プロセス、時間)

・営業のモチベーションの低下

(新規テレアポは精神力を必要とし、経営層やマネジメントチームから評価されない)

・安定成長」の「収益基盤」にならない

(取れたとしても、一発ものとなり、次の案件がなかなか取れない

・お客様の満足度を向上させられない

(次々と新規顧客を獲得する必要があるので受注後はお客様に意識も力も使えない)

 営業も開発も消耗する割には、売上実績を上げにくく、お客様の満足度下がり、また、開発リソース効率も極端に落ちるということだ。人不足の時代にあって開発効率の問題は大きい。

 しかし、それがわかっていても、新規顧客開拓に邁進する営業部長は多い。

 ドラマなどで見る営業リーダーのサクセスストーリーは、大型顧客の新規獲得であり、それが正しい営業活動だと思っていて、売上基盤を作り数字をコミットすることより、精神論が先に立ち、新規顧客に対して「汗をかく」ことを重視するからだ。

新規顧客からの売上でないと、営業の実績として認めない経営者や営業部長も多い。

 新規顧客開拓至上主義は 多くの場合失敗している(もちろん、稀に成功する場合もある)。 そして、新規顧客開拓がうまくいかないにも関わらず、それを変えずにさらに、泥沼化していく。

まるで、賭け事に負けた人が、それを取り返すためにさらに大きな金額を賭けて負のスパイラルに入るように(もちろん、稀に大当たりする人もいる)。

 既存顧客にフォーカスして、顧客インナーシェア増加と紹介によって新規顧客を獲得していくという考え方は、かなり以前からあるマーケティング、営業のセオリーである。

この考えは「One to One マーケティング」と呼ばれ、以下のような本にまとまっているので参考にして欲しい。

 それでも新規顧客中心に営業をしなければならない場合がある。また、既存顧客フォーカスといっても具体的に営業がどのような活動をするべきかに興味がある方もいるだろう。

その辺りは、次回、ご紹介したい。

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