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IT関連のネット署名活動に学ぶ、「change.org」の正しい利用方法(14事例まとめ)

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上の画像は、2012年に日本での活動をはじめた世界で数千万人が会員となっている世界最大の署名活動サイト

「change.org」 https://www.change.org/

の署名活動(キャンペーン)のひとつ

「2020年東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムの変更を要求します」

で紹介された、オリンピックの新しいエンブレム案である。 

最近、ネットで話題になっていたが、8月18日に本キャンペンの変更例として追加掲載されたものだ。(画像は本人の承諾を得て掲載しています)

 「change.org」による署名活動では、Facebookやツイッターなで拡散することで、通常の署名活動より何倍、何十倍もの署名が数時間で得られるだけでなく、多くの人からのコメントを反映して内容を修正したり、署名数や署名活動の結果(対象団体への要望書の提出など)もリアルタイムに共有できるため、単なる署名ではなくコミュニティで社会を動かすことが期待できる。

 上の署名活動でも、単にエンブレムのデザイン変更を要求するだけでなく、

先に紹介したような新しいデザイン案を追加したり、

コメントから「エンブレムの変更は賛成だが、制服の変更に関しては意見が分かれている」と判断すれば、制服は署名活動(キャンペーン)の対象から外し、「おもてなし制服は別キャンペーンとして続行」する

という対応をとっている。

また、これらの変更によって署名を取り消したい場合は、それも受け付けているようだ。

 そして、8月18日には16,210名の署名を東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会に送付したことがわかる。このキャンペーンが成功するかどうかはわからないが、単にツイッターなどで自分の意見や批判を書くだけよりは、大きな影響を与えることができるはずである。

「change.org」で、いま最も活発な署名活動は

オリンピック関連と動物/自然保護、そして、「特定の人物」に対して、同様の意見を持つ人を集めて攻撃するものだ。個人への誹謗中傷のためにここを使う人が増えていることに関しては、別な機会にふれたいと思うが、

今回は「change.org」を使った14個の「IT業界らしい署名活動」の例を紹介したい。

 IT関連で私が注目してきたのは、Facebook、Twitter上の不適切なコンテンツやメッセージへの対応である。 まず、この二つの署名活動の例を紹介しよう。

 今年の2月にFcasebookに対する以下の署名活動が開始された。
「Facebook上での動物虐待を禁止してください!」
 これは、Facebookの規約に、人間と同様に動物への虐待や暴力行為の禁止を明記させることで、それらのコンテンツを取り締まることができるようにしたいというものである。
 結果として、60万人以上の署名が集まり、今年4月16日のFacebookのガイドライン「犯罪行為」のセクションに「動物に対する暴力」はFacebookのルールに違反することが明記されたのだ。
 今後、これに賛同するメンバーは、動物を虐待している写真など、規約に違反するコンテンツを見つけ、処罰の対象にするようにFacebookに求めることが出来るようになったのだ。

次に紹介するのは、2年前の夏に成功した


Twitterに「報告ボタン」追加を要求する署名運動
「Add A Report Abuse Button To Tweets」
の例だ。
 イギリス紙幣への女性の肖像採用を訴える活動をしていた、ある女性ジャーナリストに対するTwitterでの誹謗中傷がきっかけとなり、「change.org」での署名活動が開始され、
・規約の改定
・不正利用に関する対応人員の倍増
が実現し、
新しい機能として、今では当たり前の、「報告」ボタンが用意された。
 現在では、「攻撃的な行為に関するポリシー」にまとめられている。

 不適切なコンテンツを掲載している個人を攻撃するのではなく、「根本から仕組みを変える」力を持つのが「change.org」である。

SNSやメディアなどで扱われるコンテンツやコミュニケーションの内容に不満がある場合は、上記の例のように、
①コンテンツを作成した個人、自分の主義主張、常識に合わない個人を攻撃するのではなく、
②署名サイトで賛同者を集めてSNSやメディアの規約やガイドライン、方針を変更させ
③ それが守れているか監視し、守るように求めていく
という方法が、正しいやりかたではないだろうか。

 このように、企業のエコシステム(ベンダー/メーカーと販売店、技術者、利用者の協力でWinWinの関係を成長させる仕組)を利用者側から構築していくための署名活動も増えている。

 任天堂が非常に良い例だろう。

 任天堂の新製品に、あるゲームキャラクターをに入れることを求めたものが
「Make Reggie Fils-Aimé a playable character in Super Smash Bros」
である。そのキャラクターとは、米任天堂の社長だ。

 任天堂ファンなら覚えているだろう。2年前の夏、「大乱闘スマッシュブラザーズ」に、ゲームファンに人気の高い米任天堂のレジャー社長を参戦させようとする署名活動が開始された。 署名活動(キャンペーン)は、Closeしたり再開したりしているが、まだ実現していない。任天堂ファンによる微笑ましい署名活動である。

しかし、単に微笑ましいだけではなく、ファンだからこそ、製品を厳しく見極めて要求もしてくる。


以下は、クオリティの低いと判断した任天堂の新製品に対して開発中止を要求する署名活動である。
「Petition for cancelation of Metroid Prime: Federation Force」
 Web動画で披露されたシューティングゲームの新作が、本格的な新作を待っていた世界のコアゲーマーを失望させたのだ。

 詳細は「ITmediaニュース」の今年6月の記事「任天堂「メトロイド」新作が炎上 開発中止求める海外署名に1万2000人」を読んでいただきたい。


そして任天堂ヘの3つめの署名活動例は、感動的な、
「任天堂・岩田聡社長のアミーボを作ってください」
である。
 先月7月13日に55歳で亡くなられた任天堂の岩田社長を偲び、彼のフィギュア(アミーボ)を作るように署名活動をしているものだ。
 任天堂の岩田社長は、ゲーム関係者にに留まらず、広い分野の多くのファンがいる。テクノロジー業界の中で最も尊敬され、多くの影響を与えた一人であり、思いやりにあふれ、ゲームをなにより愛した人間性が愛されたのだ。 署名継続中。

このように、利用者が期待や要望を伝え、それにメーカーが誠実に応える事で、ファンを増やし製品も良くなっていく。 まさにエコシステムであり、このような仕組みを構築することに署名活動サイトは力を発揮するのである。

 このエコシステムの維持を、技術者がTwitterに求めたのが以下の署名活動だ。
「Keep Your Ecosystem Open」
 Twitterと、そのアプリケーション開発の間でのオープンな "エコシステム"を維持したいと訴えるものである。
 2012年8月に始まったこの署名活動はツイッターの開発環境(APIの仕様)のオープンな環境を維持し、仕様変更の際には、外部の技術者の意見、提案も取り入れて、わかりやすくして欲しいと訴えている。
 この署名活動は「成功」とならないままCloseしている。エコシステムが今でも維持できているかどうかは、現在Twitterのアプリに関わっている技術者に判断してもらいたい。 この署名活動は、セキュリティを維持しながらも開発環境をオープンにしていくことの検討に少なからず影響を与えたはずだ。

 さて、少し経路を変えて、アニメキャラクター(と呼んでいいのか?)に関連した二つの署名活動を紹介しよう。 主観の問題に関しては、個人がいくら要求しても説得できない。これこそ署名活動で、同じ感覚を持つ人を集めて要求することが必要である。


「三重県志摩市公認萌えキャラクター「碧志摩メグ」の公認撤回を求める署名運動」

 志摩市が認定した、市の広報のための公認キャラクター「碧志摩メグ」は、17歳の海女さんという設定だが、胸や太ももなどの表現に性的誇張表現がなされており、身長と体重が明記され、「ボーイフレンド募集中」などと書かれており、現役/元海女さんを中心に不快に感じていると、今月、署名活動が開始。進行中だ。
 市長は「個人的な感じ方の問題だ」と申し入れに応じないようだが、海女さんのアピールのために作ったのに、海女さんが反対しているのだから、もっと対話をしたほうがいいのかもしれない。

 次は、ある星雲の公式名称をアニメの主人公の名前にするように求める署名活動である。
「Change the official name of nebula NGC 6357 to the "Madokami nebula」

2013年2月、さそり座の散光星雲「NGC6357」が、アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」の主人公である「まどか」が変身した「アルティメットまどか」に見えるいうことで、現在の「戦争と平和星雲」ではなく「Madokami nebula(まど神星雲)」にするよう要請する署名活動だ。 私はアニメは良くわからないが、以下がその星雲とアニメの主人公を比較したビデオだ。

達成できずに署名活動は終了している。

製品や機能のリリース、サポートの終了の場合も署名活動は有効である。

メーカー、ベンダーは、その影響が想像より大きいと判断した場合には、継続する決断をすることがあるからだ。


一つ目はGoogleが提供している機能に関してである。
「Please do not shut down Google Reader」
 2013年3月に7月から「Googleリーダー(RSSリーダー)」を廃止することが発表され、「change.org」で「Google リーダーの継続を求める」署名活動が始まったが、約5千筆の署名を集めるも、実現せず。

ちなみに、この時私は、すでに別のブラウザーやNotesクライアントに付属しているRSSリーダーを利用していたため、署名しなかった。 署名は5千人程度集まったようだが、1万人以上は最低でも必要だろう。


二つ目はAdobeの製品だ。
「Release Adobe Fireworks to Open Source」
2013年5月にAdobeからWeb画像ツール「Fireworks」の新規開発終了が発表され、終了するならオープンソースにして欲しいと嘆願した署名活動である。
多くのファンを抱えていたこの製品の署名活動は、Closeせずに今でも継続されているが、署名数は5千筆程度と以外に伸び悩んでいる。

Webデザイナーは、今では、Adobe Photoshop / IllustratorかSketchに乗り換えているのだろうか。ちなみに私は20年ほど前まで、Paint Shop ProというPC-VANのシェアウエアの大ファンだった。


 日本では、スマホのバージョンアップ対応に関する署名活動が行われている。
「Xperia Z1シリーズにLollipopアップデートを!」
 発売から1年半程度しか経っていないXperia Z1シリーズを新バージョンの「Android 5.0」にアップデート出きないのはおかしいと、懇願する署名である。 ドコモではアップデートしないと決めているが、発売から2年以内で、海外版ではアップデートが行われていることを考えれば、5000人程度の署名でも、対応が受けらる可能性があるのではないだろうか。

 購入した製品の問題に関しても、署名活動は有効だ。反響が大きければ大きいほど、ブランドイメージや今後のビジネスへの影響が大きくなるからだ。

 以下は、MacBookを使っているとディスプレイにしみができるというもの。
「Replace or Fix ALL MacBook Pro Retinas with screen 'stain damage' and peeling rubber feet」
詳細はITmediaニュース 「MacBookのディスプレイにしみが? 「Staingate」海外で騒ぎに」 を参照。

 最後に、

通信キャリアに対してサービスの提供を義務化することを総務省に提案するものである。非常に意義のある署名活動である。
「電話があたりまえに使えるくらしをすべての人に」
 耳にハンディを持つ人を支援する「電話リレーサービス」を電話/携帯会社が提供するように義務づける要望の署名活動だ。 手話や文字を通訳オペレーターに伝えると、相手に音声で電話してくれるサービスで、逆に、相手から音声で話してきた内容を、手話や文字で伝えてくれるもの。
 アメリカでは、ADA 法という障害者差別を禁止する法律によって、電話会社が電話リレーサービスを用意することが義務づけられているので、日本でも早期実現を望みたいところだ。

 企業に対してではなく、国に対して、ITがより多くの人の役立つような、公的サービスを提供するように署名活動をするのも、ITでビジネスを行っているものにとって必要な活動だろう。

 さて、約15個のIT関連の署名活動を見ていただいたがいかがだろうか。
メーカー、ベンダー、行政機関との協力関係を作りながら、上手に自分たちの要求を伝え、その実現に役立ててほしい。

 ポイントは、規約、仕組みといった、根本を変える「チェンジ」するこだ。 くれぐれも個人攻撃にならないように注意して欲しい。
 まずは、気になる署名活動(キャンペーン)に署名(賛同)するところから始めてみてはどうだろうか。

吉田 けんじろう

< change.org情報>

オフィシャルサイト 「change.org」

「change.org」オフィシャルサイトの成功署名活動事例: https://www.change.org/ja/%E6%88%90%E5%8A%9F%E4%BA%8B%E4%BE%8B#featured

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