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ビジネスとお父さん業のスキルを向上するIT活用術

幸せの感じ方を知らない人は、何をやっても幸せになれない

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 15年程前、あるビジネス分野の著名人のNHK公開対談番組を見て「俺の生き方は間違っていた」と強烈に感じた。

 これはアメリカの番組だったが、スタジオに数十人の視聴者を招待して、その前でインタビュアーと著名人が対談するものだが、対談の後半に会場に来ている方が意見や質問を出して著名人が応えるという時間がとられる。 そのやりとりが私のその後の生き方を変えた。

視聴者からの質問は、

「必死で勉強し、がむしゃらに仕事をして、年収1万ドル以下(約100万円)の生活から10万ドル(約1千万円)程度を得られるまで成功してきました。 しかし、まったく幸せを実感できません。 幸せを掴むために頑張ってきたのに幸せが感じられないのです。 10万ドルを稼げる人間になることは私の夢でした。 家族もそれを望んでいました。 今、仕事は遣り甲斐があり、楽しいし、もっともっとやれると思います。 しかし、幸せを実感できないのです。」

というものだった。 ちょっとヤラセっぽい質問だとも思ったし、この手の番組は当時のアメリカで流行っていて見ていたので、この応えは簡単に予想できると思った。

・お金にだけ執着してはいけない。それが全てではない

・仕事人間になってはいけない、家族を大切にしなさい

・友達を作りなさい

・毎末は協会に行き、養護施設などに寄付をしなさい(アメリカですから)

・趣味を持ちなさい

・人生の目的をはっきりさせなさい

このあたりが回答だろうと思っていた。 しかし、回答はまったく違っていた。

<幸せのために収入を得られる人間になる努力をしよう>

視聴者代表から質問を受けた著名人は、会場にいる全ての人に向かって話をはじめ、

「まず重要なのはお金です。 いや、収入を得られる自分を創る努力が重要です。

 自分の家族を養えるだけの収入を継続的に得られる人間になってください。 国や環境によってその金額は違うでしょう。しかし、最低限養えるだけの収入の2倍稼げる人間になってください。 

 社会の変化などで今の会社を辞めさせられて、他の会社に移ったり、自分で事業を立ち上げても、今の収入の半分は必ず稼げる力を持っています。

 そのために、あらゆる努力をしなくてはなりません。簡単ではないでしょう。 しかし、それが必要なのです。」

<自分が幸せを感じられる瞬間を理解しよう>

そして、質問者に対して語り始めます。

「既にあなたは収入を得る力を身に付けました。 次にあなたがやらなくてはならないことは、”自分はどのような時に幸せを感じられるか”を真剣に自分に問いかけることです。 人それぞれ幸せを感じる瞬間は違います。

 ”楽しさ”や”夢”、”達成感”は幸せとイコールではありません。 それらとは別に幸福なひと時はあります。 幸福感を感じたければ、

どのような状況が自分にとっての幸せなのかを自分なりに分析し

その幸せな環境を作ることに対しての努力を最優先にして、

してください。 そんなことを考えなくても、偶然、幸せを感じられることもあるかもしれませんが、それは極めて稀です。 幸せを感じられる環境を作る努力をしてください。」 

というのが答えだった。 そして、この著名人は視聴者代表に質問します。

「あたなたは、どのような時に”幸せだな”と感じますか? ”楽しい”という一過性のものではなく」

質問に対する視聴者は応えは、

「楽しさではなく、幸せを感じるときですね。 うーん、

・まだ、子供が小さいときに芝生の上で二人でじゃれ合って時や

・夕方に庭の芝生を刈っていたときに、家の中で妻と子供達が楽しそうに話しながら夕食の準備をしているのを見たとき、それから、

・年頃になった娘とテレビを見ながら何気ない話をしているとき、

・夜、よく乾いた暖かい布団の中で妻を抱き寄せて、子供達の将来を話し合っているとき

こんな時に幸せだと感じたような気がします。」だった。

 そして、舞台の上の著名人が言います。

「今は、違うのですか?」

<現状の自分の行動を認識する>

視聴者

「仕事ばかりで妻とのコミュニケーションをとっていなかったためか、最近はあまり話していないし、子供達も我がままになって私を受け入れてくれていません。子供も友達と遊ぶのが楽しいようですが、いじめを受けたりして悲しい姿を良く見かけます。 私が厳しすぎるからか、子供達も心を開いた会話をしてくれません」

著名人

「あなたが今、言った中に、幸せになるための全ての解決方法が入っていますよ。 幸せになるために、今、何を最優先にすればいいかわかりますよね。 複雑怪奇な社会と仕事の中で、あなたが、今、すべき最優先のことは何だかわかりますよね。 お金を稼ぐために、あなたが頑張って来た理由もこれから何をして、何をしないべきかも」

視聴者は涙ながらに語ります

「私は間違っていました。 仕事ばかりで家族を忘れていました。 仕事のために邪魔な存在だとも思っていました。 幸せになるために、もっと家族のために時間を作り、家族が喜ぶようなことに時間を使います」

<幸せを感じることに集中してアクションしよう>

著名人は最後にこう語りかけます

「いえ、何一つ間違ってはいません。 自分の幸せと家族のために、必死で勉強と仕事をしてきたのですよね。 そのおかげで幸せになる基盤ができたのです。 家族と語ることがあなたの幸せであれば、どんなに仕事が大変でも、世の中がおかしくても、少しの工夫と幸せを感じるための活動の優先順位を上げることで、毎日幸せを感じられます。 そして、今まで以上に前向きに仕事に取り組めるはずですよ。 これからは、以前のような貧しい暮らしに戻っても、その中で幸せを感じられる瞬間を作っていけるはずです。

さて、まず、何からはじめてみますか」

視聴者は語ります。

「いいアイディアは浮かびませんが、

・妻と子供達が料理の手伝いをする時間までに家に帰ります。 その時間に帰るために、どのように仕事の仕方を変えなくてはならないか勉強して変えてみます。

・料理の時間に妻が私にやって欲しいと思っている芝刈りや、納屋の掃除をしながら、料理の準備しているのを眺めてみます。

・週末はもう10歳になった息子が興味ありそうな遊びを一緒にやります。 まず、釣りに連れて行こうかなと、、そうだ、彼をいじめている友達も一緒に連れて行こう。 そうすればいじめられなくなるだろう。

・食事時の後は、娘や息子と一緒にテレビを見ながら一緒に笑い、語ります。

・そして、ちょっと面倒ですが、妻の片づけを手伝って一緒にベッドに行って乾いたシーツの感覚を味わいながら妻を抱き寄せて、子供達の将来について話し合ってみます。

 そうだその前に妻に誕生日のプレゼントをあげよう、、、、」

 これらは、まさにコーチングであった。

 このテレビを見て以降、妻と喧嘩しても、仕事でいやなことがあっても、常に家族との幸せに浸り、英気をやしない、次の日から仕事に前向きに取り組めるようになった。

 一度お試しいただいて、ご意見いただければ幸いだ。

p,s, ここでと書いていと私の家庭は、理想的だと思う方もいるだろうが、実は喧嘩もしょっちゅうだし、自分も人間が出来ていないことからうまくいかないことも多い。 しかし、この夏休みにもう一度、実践してみて、やはり自分は幸せだと感じられた。しかし、いずれ、子供も巣立っていくのだが。

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