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リアル コミュニティに学ぶ企業内SNSの運営のコツ(管理組合の理事長になってしまった編)

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 逃げ回っていたが、ついに、私の住むマンション(250世帯)の「管理組合 理事長」になってしまった。

 しかし、この手のリーダーをやるのは初めてではない。 今住んでいるマンションには11年前に、駅と小学校とマンションがセットで出来たときに、一期目で入居した。 

 当時、当然ならがコミュニティと言えるものがなく、長女が通うマンションの隣の(道路を渡らずに行ける)小学校の校長先生から「この地域の代表として千葉県の青少年相談員になってほしい」ということで、青少年相談員になり、以前からの住民とのコミュニティに加わったり、市の「防犯組合」が出来たときも、マンションの代表として参加した。

 翌年は転職直後の忙しい時期に、管理組合理事長と校長先生から「町内会・自治会」を作ることを依頼され、1年がかりで自治会を立ち上げ、当然の成り行きで自治会長に就任し地域の自治会と共同で夏祭りなどもやるようになった。 その後、市からの依頼で「自主防災会」を新規に立ち上げ、気がつくと、この地域の「さわやかコミュニティ推進委員長」までやってしまう始末であった。

 これらは全て無報酬でかつ、週末の多くの時間をさかなくてはならない。 さらに、自治会長や理事長などは、様々な立場、視点からの非難にも合う。 まったくもって大変な仕事である。 家族からの「なぜ、貴重な家族の時間を、そんなものに使うのか」とのクレームも多発した。

 だから、今回の管理組合の理事の仕事には参加したくなかった。 特に理事長は。 燃え尽きてしまったのである。

 しかし、これらの様々なコミュニティの立ち上げ、運営はチーム・コミュニティ運営の経験をもたらしてくれた。 今回は自治会運営について整理し、次回、この経験を元に社内SNSの運営のコツを整理してみたい。

 

 自治会の立ち上げを依頼されてから、様々な自治会長・町内会長をまわり、運営内容や問題点などを聞いてまわった。
 活動と問題点は主に以下のようなものであった。

<自治会の活動内容>
・市の広報、印刷物の配布
・市からの様々な調整ごとの窓口
・地域との交流活性化のための祭り、餅つき大会、市民運動会などのイベントの計画・実施
・学校及び他のコミュニティとの連携による情報共有、交換
・様々な活動の結果としての市への助言、情報提供、改善活動への貢献
・住民からの窓口(管理組合はマンション所有者のみ、賃貸居住者含まず)
・大規模災害時の避難所生活の運営訓練

<他の自治会の問題点>
・自治会・町内会 会員の減少(居住者の3割程度のマンションも)
 →子供向けイベントばかりで毎月会費500円程度払う価値がないから退会
 →イベントが多く役員は大変そうなので、役員がまわってきたら退会
 →いろいろ巻き込まれそうで、コミュニティへの関わりが面倒
・自治会の活動が子供・学校関係に偏りすぎているとの非難
・お祭りなどは自治会のお金でやっているのに、自治会に入っていない子供も参加し不公平感
・他のマンションや以前からの他の町内会との仲の悪さ
・同じマンション内の管理組合との連携不足、お互いの理解不足
活動内容が見えないとの非難
・騒音、ペット問題、迷惑駐車、近くの養鶏場の悪臭など、住民同士のトラブルの解決力が弱い
毎年、自治会役員が代わる方式では、慣れたころに新しい役員に代わるため、ノウハウが蓄積されない
・目安箱には、誹謗中傷ばかりで、まともな投書がはいらない。 入っても自治会の権限では解決できない
・月に2、3回の役員会議の出席率が低く、後半は2、3人になることもあり

 自治会を作るにあたって、これらを解決したものにするためにいくつかの工夫をした。

<立ち上げた自治会の運営方針>
自治会費 ゼロ円で市からの助成金と管理組合からの活動委託費の範囲で活動
→これは、近隣の他の自治会から「会費無料はおかしい、参加者の意識が低くなる。 
 会費を出し合ってこそコミュニティ」との意見が多く出たが、「金と意識の問題は関係ない」「まずは、全員が負担なく参加し、少しずつ協力者を増やすことが大切」と理解を求めた。 会費制のところが決して参加意識が高いわけではない。
②初期は全戸居住者(賃貸で借りている人も)の強制参加(マンションを所有しているが住んでいない人は除外)
→マンションの所有者は管理組合員、居住者が自治会を担当する。 全員参加することが第一目標なので、強制参加して退会は自由とした。 会費もないので不公平感がないことから、現在まで退会者はいない。 今でも100%会員である。
③理想的な自治会を立ち上げようとしない。 Small Startで毎年無理なく成長
→理想的な自治会を立ち上げようとすると、イベントや業務が増え、役員への負担は大きくなる。
 負担が大きくなれば、会費が無料でも役員がまわってきたタイミングで退会してしまう。
 内外の窓口機能を果たすことができれば、後は、各期の役員が納得ずくで自発的にやることだけ実施。
④市、近隣コミュニティ、議員、学校、交番、企業への代表窓口としての存在そのものが重要
⑤問題提起、クレームを出した人を、解決のリーダーにする
→当事者であれば、自治会の支援を受けながら前向きに解決に向けて動いてくれる
⑥2年任期として1年に半分の役員を変える(ex.1年目副会長は2年目会長のように)
→1年目で前任者について学び、2年目は新任の方のリーダーシップをとりながらスキトラが行える。
 3年任期にすると、疲れてしまう。
楽しい写真入りの広報誌を極力頻繁に発行
→住民としては、この写真が沢山入った広報誌だけでも、自治会の価値を感じてくれる。 コミュニティなので事実を伝えるよりも楽しさを醸成するほうが重要
⑧省力化とコミュニケーション向上のため、祭り、持ちつき大会などのイベントは他の自治会やコミュニティーに相乗り
→近隣のコミュニティに相乗りすれば、失敗も少なく、企画、準備のための工数も削減でき、さらに、他のコミュニティの住民とも交流が図れる。 祭り、縄跳び大会、ドッジボール大会、キックベースボール、綱引き大会、、、他のあらゆるイベント活用。
⑨目安箱で記名で投書されてものは、自治会長のみが閲覧して、自治会長が解決
→氏名の記名がある場合、会長のみを信用して投書してきたと考え、自治会長自ら対応する。 例えば、「上の人の足音がうるさい」「上からペットの毛が振ってくる」と入れたとき「上の人」が役員の一人であることもあるので、投書しにくい
 「あいつは口うるさいやつだ」と噂がたつのが嫌で、投書をしない人が多い
⑩投書は無記名も許可し、その投書に関しては、役員全員で話し合い、基本は掲示にて対応
→無記名でなくては出しにくいものもある。 無記名は許可するが、これは個人情報がないため、自治会全員で対応
⑪役員間のコミュニケーションは基本はメーリングリストとし、会議は月一回のみ
→メールを持っていない人には、印刷して配布の配慮が必要。 今は携帯メールでOK。
⑫様々な自治会の業務は、ボランティアをつのって彼らを中心に活動(250世帯もあると、その道のプロが必ずいる)
→企画は役員が行うが、広報誌などで事前に盛り上げて、ボランティアを募集。 奥様達の参加は多かった。
主婦パワーの活用(平日に活動でき、学校との連携や地域の友達とのコミュニケーションもとっている)
→学校系の行事、情報交換は子供のいる主婦に参観日や保護者会の機会を活用して
子供中心の活動は、子供会と共同実施
→餅屋は餅屋。 外部委託。
⑮役員同士、管理組合・防災会や他の自治会との積極的な飲み会
→結局、顔を合わせて

次回の投稿で、ここでの結果と、それの社内SNS適用について紹介する。

<なぜ、管理組合の理事長になってしまったか>
 今年、輪番制で管理組合の理事がまわってきた。 そろそろ来ることはわかっていたので、話が来たら「旦那は仕事が忙しいので、私がやります。 自宅でもやれる広報をお願いします」と妻が言って、最低限の活動で終わらせようという方針をたてた。

 都合のいいことに、次期理事候補が集まり役割(理事長や施設管理、総務など)を決める日に、妻は仕事で私はぎっくり腰になったため会議に参加できなかった。 その時の理事長は、私が尊敬する社長で、かつ娘が私の長女の親友だったため、事前に「広報にしてください」と頼んでおいた。

 しかし、当日の役割決めの会議の途中で、その理事長から電話が来て「理事長以外は決まったのですが、理事長がどうしても決まりません。 皆も吉田さんにやって欲しいと言っています。 ちゃんとサポートしますから」と言われ、了承してしまった。

 重要な会議は責めの姿勢で参加しなくてはいけませんね。

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