マーケティングのはじめの一歩は消費者を理解することから。変化する消費者動向をとらえるためには仮説が大事。このブログでは消費者理解のための様々な仮説をデータに基づいてご紹介。商品開発・ブランディングのコンサルタントとして、あらゆる市場のイノベーションを目指して日々格闘している大久保惠司がお届けします。

「マジョリカ マジョルカ・ガール」。メイク用化粧品市場を眺めてみる... -データから見るペルソナ図鑑(36)-

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 資生堂の4月のトップ交代の話は、以前このブログでも触れました。新社長に就任される魚谷雅彦氏は、元日本コカコーラの会長で、豊富なマーケティング実務能力と強いリーダーシップによって抜擢されたようです。資生堂にとって初の外部出身者の社長を迎え、資生堂は大きく変わろうとしているのかも知れません。

 魚谷氏はインタビューに応じ、主力ブランドである「エリクシール」「マキアージュ」について2014年度中に刷新、強化する方針を明らかにしたそうです。化粧品については異業種からの参入も多く、競合が激化しており、国内の商品力強化のための大幅なリニューアルや宣伝手法の見直しなどに取り組むことを示唆しました。

 ここまで、3回にわたってメイク用化粧品市場を見て参りましたが、最後は資生堂の「マジョリカ マジョルカ」に焦点を当ててみたいと思います。


【メイク用化粧品のブランドポジション】

 シングルソース・消費者パネル「ぺるそね」の「マーケットを知る」機能でメイク用化粧品のブランドポジションを見てみると、「マジョリカ マジョルカ」は「キャンメイク」と並んで平均年齢の低い人達がユーザーの中心層で「若い女性向けブランドグループ」に入ってきます。

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 「マジョリカ マジョルカ」と「キャンメイク」を比べると、平均おこづかいに差があることがわかります。「マジョリカ マジョルカ」ユーザーは「OL御用達ブランドグループ」の各ブランドよりも、むしろおこづかいが高い位置にあり、「マキアージュ」と変わらないくらいの、高めのおこづかい=可処分所得の人達と言えます。

 この人達を「マジョリカ マジョルカ・ガール」として見て行きたいと思います。


【「マジョリカ マジョルカ・ガール」ってどんな人?】

 「ぺるそね」の女性回答者は15,345人、「マジョリカ マジョルカ」を使っていて、お気に入りと答えている人は682人いらっしゃいます。これは女性全体の4.4%にあたります。年齢層は20代が多く、20〜24歳の対比倍率は3.3倍、25〜29歳が2.9倍、あと30〜34歳も2.0倍になります。30代になっても根強いファンが居ます。ブランドの立ち上がりは2003年なので、そのころのユーザーがそのままファンになっていても不思議はありませんね。

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 ブランドポジションのところでも触れましたが「おこづかい」は高めで、平均25,967円。女性全体の21,084円と比較し4,800円ほど高くなっています。最頻値は20,000〜30,000円未満ですが、30,000〜50,000円未満もほぼ同率存在しており、女性全体との比較では毎月の可処分所得はやや高い方だと言えます。職業は会社員、大学生が多く、未婚率も高いため、一人暮らししているか、親と同居というパターンが多くなっています。また、未婚で恋人、パートナーと暮らしている人も数こそ少ないですが、女性全体と比較して2.8倍の出現率です。居住エリアは東京が多く、どちらかというと大都市圏で暮らしています。

 お酒は外飲みが中心で、二週に1〜2回程度、好きなお酒はチューハイ、カクテル類。バーでリキュール類もよく飲んでいるようです。どちらかというと甘いお酒が好みです。多趣味で、「ショッピング」「カラオケ」「写真撮影」に加えて、「漫画」や「ゲーム」などもそこそこたしなみ、「ネイル」などの美容系や「アート鑑賞」なども楽しんでいるようです。

 おしゃれなところは興味・関心事に現れてきます。「ファッション」「コスメ」「美容」がトップ3で対比倍率も1.8〜2.2倍で出現。「アート」「デザイン」「ライブ・イベント」などにも興味津々で、「語学」「資格」「ビジネスキャリア」などにも興味があります。あ、もちろん「恋愛、結婚」に興味が高いのは言うまでもありません。


【デザインでものを選ぶおしゃれな人達...】

 ショッピングが趣味というだけあって、物欲は旺盛です。「売れ筋ランキングを参考にして買い物をする」人が多く、「次から次へと欲しいものが出てきて困る」人達です。どちらかというと流行に敏感で乗り遅れたくない気持ちと、売れているものを購入する安心感を求めています。思われたいセルフイメージは「自由な」とか「かわいい」が挙がってきています。

 モノ選びの基準を購入決定要因で見てみると、多くのカテゴリーで「デザイン」で選ぶと答えた人の比率が相対的に高くなっています。スキンケア化粧品、メイク用化粧品もデザインで選ぶと答えた人が、女性全体と比較し2.8〜3.3倍の対比倍率で出現します。これは自分の持ち物としてふさわしいものを選びたいという気持ちの現れと考えられます。

 買い物をする場所は「PARCO」「ルミネ」「丸井」「アトレ」がお気に入りで、「プラザ」「ヴィレッジバンガード」などにもよく顔を出します。オンラインショップの「ZOZOTOWN」の利用率も高い人達です。自分に合うものをいつも探しているのかも知れません。

 お菓子はよく買います。チョコレート菓子は「ガルボ」。ガムは「ウォーターリングキスミント」。アイスは「ハーゲンダッツのクレープグラッセ」がお気に入りです。炭酸飲料は「ウィルキンソンのジンジャーエール」。コーヒー飲料は「スターバックスディスカバリーズ」と、ともかく選ぶものがおしゃれですし、よく知っています。そうそう、「レッドブル」もよく飲んでいるようです。

 ファッションはこの世代にとって人気のブランドの購入比率が高くなっています。ボリュームこそ少ないのでイラストにはしませんでしたが、ユナイテッドアローズの「ビューティーアンドユース」や「グリーンレーベルリラクシング」なども対比倍率3.5〜3.7倍で出現しているのが目をひきます。いつものようにペルソナ・イラストを掲載しますのでご確認ください。

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 「マジョリカ マジョルカ・ガール」は、結構パワフルにおしゃれを追求している人達です。おしゃれといっても対象は幅が広く、服や化粧品だけにとどまりません。食べることや遊ぶことを含めた、生活自体をおしゃれに楽しみたい人達です。したがって、自分らしさを表現できる装いやモノをいつも探しています。かといってイノベーター的な尖った部分は少なく、感覚的にはアーリーマジョリティくらいのイメージでしょうか。

 「マジョリカ マジョルカ」という魔法の呪文のようなブランドは、なんとも言えない不思議な世界観を持っています。パッケージデザインも、その世界観をよく表現したものとなっており、彼女たちの感性をしっかりととらえたのかも知れません。その意味で彼女たちにとってのブランドの近さは「マジョリカ マジョルカ」>「資生堂」であるような気がします。

 「マジョリカ マジョルカ」をデザインで選んでいるという背景には、このブランドの世界観への共感が根底にあるような気がします。どこか、現実離れしたオトナっぽいおとぎ話の世界、とでもいうのでしょうか、きっとその世界のなかでは、自分だけの夢が叶うのかもしれません。

 さて、4回にわたって「メイク用化粧品市場」のブランドについて、それぞれのユーザーペルソナを描いて参りましたがいかがでしたでしょうか?以前にも書きましたが、化粧品市場、ちょっと目を離したスキに大きくブランドポジションが変わっていたりします。今後もウォッチングを続けて行きたいと思いますのでよろしくお願いします。

あわせてこちらもお読み下さい。

「マキアージュなレディー」について。メイク用化粧品市場を眺めてみる... -データから見るペルソナ図鑑(33)-

「シャネルなマダム」。メイク用化粧品市場を眺めてみる... -データから見るペルソナ図鑑(34)-

「ちふれなママ」。メイク用化粧品市場を眺めてみる... -データから見るペルソナ図鑑(35)-

*データは「ぺるそね」調べ。2013年8月 n=30,473
*「シングルソース・消費者パネル ぺるそね」は30,000人の150問にわたるアンケートをデータベース化し、あらゆる角度から分析できるサービスです。利用料金は3,500円〜と手軽にお使いいただけます。
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コメント

元オリーブガール

40代半ばですが、マジョリカマジョルカが大好きです。
生活用品もできるだけオシャレなものを使いたいと思っている人種です。

10代の頃から西洋アンティークに憧れを持っていました。
でも当時雑貨でも化粧品でもそんなアンティーク風の可愛いモノは
皆無で(特に田舎では)手に入らず、日用品や化粧ポーチの中身まで
オシャレにというのは諦めていました。

そんな中、マジョリカマジョルカが発売になって、
まさにイメージしていたものを現実化してくれたと感じました。
しかも主婦にも買いやすい値段であったので
すっかり虜になってしまいました。
ドレッサーの引き出しを開けてマジョマジョのコンパクトケースが
見えるとうっとりします。

才能の有る無しは別としてアート系人間であるため、
目に入る色やデザインにものすごく気分を左右されます。
美しいものを見ると元気が出て、嫌いなデザインのものを
見ると元気が無くなります。
化粧品は毎日使うものなので、パッケージは非常に大事だと
考えています。

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