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マーケティングのはじめの一歩は消費者を理解することから。変化する消費者動向をとらえるためには仮説が大事。このブログでは消費者理解のための様々な仮説をデータに基づいてご紹介。商品開発・ブランディングのコンサルタントとして、あらゆる市場のイノベーションを目指して日々格闘している大久保惠司がお届けします。

「Nexus 7男子」について -データから見るペルソナ図鑑(30)-

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 今年の上半期のパソコン・タブレット市場では、タブレットシフトが鮮明になったようです。ジーエフケー・マーケティングサービス・ジャパンが発表した2013年上半期のリテール市場の動向によると、パソコン+タブレット端末の販売台数は前年同期比1%増でした。内実はパソコンが24%減、タブレットが89%増となりました。タブレットが大幅な成長を遂げ、ノートPCとの販売台数の差は4%にまで迫っているそうです。もしかすると、今年度中に、タブレットがノートPCの出荷を上回るかもしれませんね。

 アップルのiPad一色だったタブレット市場も、Android搭載端末、WINDOWS8搭載端末が数多く投入されました。また、ディスプレイのサイズも10インチ、7インチとバリエーションが増え、ユーザーの選択肢の幅も増えてきました。

 と言うわけで、前回に引き続き、タブレット市場を見ていきたいと思います。今回スポットライトを当てるのは、「Nexus 7」です。


【Nexus 7ユーザーは最も男性が多く、最も若い】

 今回もシングルソース消費者パネル「ぺるそね」のデータからNexus 7の男性ユーザーを見て行きたいと思います。前回のおさらいになりますが、ぺるそねの回答者30,473名中、タブレットを使っている方は4,969名で、全体の16.3%にあたります。タブレット市場は、どちらかというと男性優位のマーケットで、Nexus 7はiPad miniのWi-Fiモデルに次いで第2位です。

 男女比、平均年齢の軸でポジショニングすると、Nexus 7ユーザーは最も若く、最も男性が多いポジションに位置します。Nexus 7を使っている男性を「Nexus 7男子」として、どんな人が使っているのかを見ていきたいと思います。

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【「Nexus 7男子」ってどんな人?】

 Nexus 7を所有している男性は377人、ぺるそねの男性回答者の15,128人を母数とすると約2.5%です。この377人と男性全体15,128人を比較してみましょう。年齢層は30代の比率が特徴的で、世帯年収もやや高い人達です。携帯電話への関心度が高く、雑貨・インテリアに興味があります。また、スマートフォンによるインターネットで情報収集している人が多くなっています。

 趣味はインターネット、パソコン、そしてゲーム。当然、PC・家電への興味が高く、CD・DVDや通販・オンラインショッピングへの興味も男性全体と比較し1.6倍の対比倍率となります。資格や雑貨・インテリアに対する興味も高くなっています。

 30代で資格への興味が高いところを見ると、コンピュータの技術者が多そうなイメージでしょうか?アニメや漫画などへの興味が高いのかと思いきや、高いことは高いのですが、それほどではありませんでした。いわゆるオタクというよりも、テクノロジーに興味が高いギーク層なのかも知れません。

 プレイスポーツで特徴的なのはスキー・スノーボードで男性全体と比較し対比倍率が2.3倍。登山・トレッキングも1.7倍と、意外とアウトドア志向が高い人達が含まれているようです。日常的に行えるスポーツに関しては人並みで、少数ながらモンベルやL.L.ビーンなどのアウトドアファッションの所有率が全体の2倍以上となっているところを見ると、ウィークデイはほとんど室内で過ごし、ちょっと長い休暇の時はアウトドアを楽しむというスタイルの人が多いのかも知れませんね。

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【売れ筋ランキングをチェックし、新しいモノを探す】

 その消費傾向は「売れ筋ランキングを参考にして買い物をすることが」多く、「新商品の情報はマメにチェックしている」人たちです。目指すセルフイメージは「見識がある」「粋な遊び心がある」と思われたいと考えています。自分の得意な分野では一家言を持つというのを目指しているのかも知れません。特にデジタル家電への興味が高く、90%を超える人が関心ありと答えています。また、新しいモノは人より早く試してみたいという欲求も高そうです。

 逆にファッションへの関心はそれほど高くありません。リーズナブルな価格でそれなりのものを選べるユニクロやG.U.が人気です。もう一つ、少し特徴的なのは前述しましたが、L.Lビーン、モンベルなどのアウトドアブランドが好きなことです。こちらは普段着ているというよりも、アウトドアスポーツを楽しむ時に着用する、というイメージでしょうか。

 家電好きな人達が支持する家電ブランドは何かを見てみましょう。日本の大手家電メーカーの中で全体と比較した対比倍率が高いのはパイオニア、キヤノン、ソニーあたり。東芝、シャープ、富士通、NEC、日立は全体並みかそれ以下です。最も高いのはASUSで4.4倍、BOSEが2.0倍、アイオーデータは1.6倍です。アップルは1.4倍で高いですが、信奉者というほどではありません。

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 お菓子で好きなブランドはチョコレートのダース、スナック菓子のじゃがビー、ガムのアクオ、アイスクリームの板チョコモナカで対比倍率1.5〜1.9倍です。パソコンに向かいながら食べられるお菓子を好んでいるのでしょうか。炭酸飲料が好みで、カナダドライ・ジンジャーエールをよく飲んでいます。

 そうそう、使っているパソコンのことをお伝えするのを忘れていました。もちろん自作のデスクトップがダントツです。全体と比較し2.4倍の対比倍率でした。

 今回もいつものようにペルソナイラストを掲載しますので、ご参照下さい。

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 さて、ここまでNexus 7男子について見て参りましたが、いかがでしたでしょうか?次回はKindle Fire HDの男性ユーザーにフォーカスを当ててみたいと思いますので、どうぞお楽しみに...


*データは「ぺるそね」調べ。2013年8月 n=30,473
*「シングルソース・消費者パネル ぺるそね」は30,000人の150問にわたるアンケートをデータベース化し、あらゆる角度から分析できるサービスです。利用料金は3,500円〜と手軽にお使いいただけます。
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