マーケティングのはじめの一歩は消費者を理解することから。変化する消費者動向をとらえるためには仮説が大事。このブログでは消費者理解のための様々な仮説をデータに基づいてご紹介。商品開発・ブランディングのコンサルタントとして、あらゆる市場のイノベーションを目指して日々格闘している大久保惠司がお届けします。

「マキアージュなレディー」について。メイク用化粧品市場を眺めてみる... -データから見るペルソナ図鑑(33)-

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 先日、資生堂は来年4月に経営トップが交代するという発表を行いました。現在の社長兼会長の前田新造氏が2014年3月末で社長を退き、後任の社長に元日本コカコーラ社長の魚谷雅彦氏が就任するそうです。資生堂としては長い歴史の中で、他社の出身者を役員などを経ずに社長に起用するのは初めてのことだそうで、マーケティングに実績のある同氏の社長就任は、資生堂が大きく変わろうとしていることの表れかも知れません。

 この発表の時の前田氏の「資生堂は長い歴史と高いブランド力がありながら、市場の変化に機敏に反応できていない」ため、「マーケティング力を高める必要があると考えた」という言葉が印象に残りました。

 シングルソース・消費者パネル「ぺるそね」で調べてみても、好きな化粧品メーカーブランドとしてトップの資生堂は、スキンケアでもメイク用品でも個別のランキングトップをとれていません。

 というわけで今回から、女性向けメイク化粧品市場を取り上げてみたいと思います。しばらく男性のペルソナが続いていたので、女性ペルソナは久しぶりです(^^)。


【メイク用化粧品市場を眺めてみると...】

 シングルソース・消費者パネル「ぺるそね」で、メイク用化粧品の情報を「マーケットを知る」機能から見てみましょう。「ぺるそね」では、普段自分で購入して、お気に入りの商品についてマルチアンサーで答えていただいています。したがって、このランキングは実売シェアではなく、マインドシェアと言えます。

 トップはカネボウ化粧品の「ケイト」、第二位は「ちふれ」、第三位が資生堂の「マキアージュ」となりました。ベスト15の中にカネボウは「ケイト」と「コフレドール」の2ブランド、資生堂は、「マキアージュ」「インテグレート」「マジョリカマジョルカ」の3ブランドが入っています。ベスト15の中のカネボウと資生堂のブランドをそれぞれ合算し比べると、資生堂がトップになります。

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 ベスト15のブランドを年齢と年収の軸でポジショニングしてみると、4つくらいのグループに分けられます。

●年齢が高く年収も高いエリアに「シャネル」「ランコム」などの高級インポートブランドグループ。

●年収の低いエリアに「ちふれ」「オルビス」などのお買い得主婦向けブランドグループ。

●年齢がやや若く年収がやや高いエリアに群がる「マキアージュ」「メイベリンニューヨーク」などのOL御用達ブランドグループ。

●若いエリアには「マジョリカマジョルカ」「キャンメイク」などの若い女性向けブランドグループ。

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 それぞれのグループから代表的なブランドユーザーを選んで見て行きたいと思います。高級インポートブランドグループからは「シャネル」。OL御用達ブランドグループからは「マキアージュ」。お買い得主婦向けブランドグループからは「ちふれ」。若い女性向けブランドグループからは「マジョリカマジョルカ」。これから4回に渡ってそれぞれのユーザーの特徴をご紹介いたします。まずは「マキアージュ」から。

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【「マキアージュなレディ」ってどんな人?】

 「ぺるそね」の女性ユーザー、15,345名中、「マキアージュ」を購入している方は1,260名いらっしゃいます。これは女性全体の8.2%にあたります。年齢的には25歳〜34歳が中心。職業は会社員が多くなっており、既婚率は女性全体と比較しそれほど変わりはありません。最終学歴は大卒がやや多くなっています。

 趣味はショッピング、グルメ、ドライブ、入浴、お酒が女性全体と比較し1.5〜1.7倍の対比倍率で、ネイルやエステなどの美容関係の趣味も軒並み高くなっています。興味・関心事は美容が最も高く、女性全体との対比倍率も1.6倍。ファッション、コスメ、癒やし・ストレスフリーなどが女性全体との対比倍率1.5〜1.7倍の出現率となっています。他に、資格や政治・社会情勢、住宅・土地、生涯学習、ビジネスキャリアなどへの興味も高くなっているところから、社会や仕事にも積極的に関わっている姿が浮かんできます。

 お酒が好きです。約半数が週に一回以上、家か飲食店でお酒を楽しんでおり、チューハイ、ワイン、カクテルなどを好んで飲んでいます。情報源は雑誌、屋外広告、スマートフォンによるインターネットなどが高くなっています。


【自分への投資のために消費する人達】

 消費意欲が高いおしゃれな人達です。「新しく出た商品は実際に買って、いろいろ試したい」と思っており、「新商品の情報はまめにチェック」しています。化粧品に対する商品関心度は高く、「とても関心がある」と答えた人が女性全体に比べ1.7倍の対比倍率で出現しています。新商品に対する反応もよく、イノベーター、アーリーアダプター的な資質を持っている人達と言えます。化粧品は百貨店で購入する人達が多く、ダイレクトよりも対面で購入することを好み、店頭での口コミも大事な情報源としてとらえているようです。

 目指しているセルフイメージは「センスがよい」「美しい」「可愛い」「洗練された」などが女性全体と比較し高くなっています。女性としての美しさを追い求め、消費も自分自身に対する投資と考えている面が見えてきます。

 好きな女性タレントは「篠原涼子」「松嶋菜々子」「安室奈美恵」「竹内結子」「山口智子」「吉瀬美智子」「井川遥」「北川景子」で、正統的な美人が好みです。もしかするとこのあたりの人達を目指しているのかも知れません。

 いつものように「ペルソナ・イラスト」を掲載しますのでご参照下さい。

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 「マキアージュなレディ」は社交的で、自分自身が美しく輝いていたいという願望を強く持っている人達と言えます。自己実現のための投資としての消費を行う人達で、女性の美の捉え方は比較的オーソドックスです。個性的と言うよりも誰もが認める美人を目指しています。

 さて、「マキアージュなレディ」いかがでしたでしょうか?次回は高級インポートブランドから「シャネル」のユーザーの分析をお届けしたいと思いますので、お楽しみに...


*データは「ぺるそね」調べ。2013年8月 n=30,473
*「シングルソース・消費者パネル ぺるそね」は30,000人の150問にわたるアンケートをデータベース化し、あらゆる角度から分析できるサービスです。利用料金は3,500円〜と手軽にお使いいただけます。
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