マーケティングのはじめの一歩は消費者を理解することから。変化する消費者動向をとらえるためには仮説が大事。このブログでは消費者理解のための様々な仮説をデータに基づいてご紹介。商品開発・ブランディングのコンサルタントとして、あらゆる市場のイノベーションを目指して日々格闘している大久保惠司がお届けします。

「ジブリ男子」ってどんな人? -データから見るペルソナ図鑑(28)-

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 スタジオ・ジブリの「風立ちぬ」はもう観ましたか?。

 この作品がベネチア映画祭に出品された際、宮崎駿監督がこの作品を最後に引退するというニュースが流れてきました。びっくりした人、「ああ、またか」と思った人、それぞれの反応があったと思います。でも、先日記者会見をひらき、「今回は本気です。」と語ったところを見ると、今までとは違うかも、と思った人も多かったのではないでしょうか。

 宮崎駿監督は、およそ30年前に公開された「風の谷のナウシカ」で注目されて以降、スタジオ・ジブリを設立。その後公開された「天空の城ラピュタ」「となりのトトロ」は発表時の興行収入こそふるわなかったようですが、発表されて、しばらく経ってから人気が急上昇。その後の作品「魔女の宅急便」以降は興行的にもヒット作を連発しています。

 引退会見の記事を見ていると、引退するのは長編アニメということで、創作活動の継続については静かに意欲を語っています。最も印象的だったのは「やりたいことはあるんですけれども、やれなかったらみっともないからいいません。それから僕は、文化人になりたくないんです。僕は町工場のおやじ。それを貫きたいと思っています。文化人ではありません。」という言葉です。宮崎駿さんらしいと思ったし、とても共感しました。

 と、言うわけで、今回はスタジオ・ジブリ作品ファンの男性について見てみることにしました。


【ジブリ作品を好んでいる男性】

 「シングルソース・消費者パネル『ぺるそね』*」では、3万人の150問にわたるアンケートデータが登録されています。その中には好きなアニメ作品という項目もあり、そこには、スタジオ・ジブリの作品も入っています。「となりのトトロ」「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」「天空の城ラピュタ」「風の谷のナウシカ」「魔女の宅急便」です。

 それでは、ジブリ作品を好きな男性を探してみましょう。性別は男性、「ぺるそね」に登録されているすべてのジブリ作品にチェックを入れている人、を検索条件としました。この条件で検索すると該当者が590人いらっしゃいます。この590人を「ジブリ男子」と定義し、男性全体(15,269人)と比較してみました。

 年齢は男性全体よりやや若く、そのため既婚率、有子率、平均世帯年収ともに男性全体よりやや低くなっています。年代は幅広いのですが、30〜34歳と50代がやや高くなっています。世帯年収は平均は男性全体よりやや低いものの、500〜600万円がトップボックスでした。男性全体のトップボックスは300〜400万円ですので、これよりも高くなっています。平均世帯年収が低いのは800万円以上の高額世帯の比率がやや低いことが要因と考えられます。お小遣いの平均もやや低く出ていますがトップボックスは30,000円〜50,000円で男性全体と同じ傾向です。職業を見てみると男性全体と大きな変わりがないため、暮らし向きは現時点での中流層の人たちと言えそうです。

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【エンタメ好きで、感覚的には女性的】

 お酒はあまり飲みませんが、よく飲むお酒は「カクテル」が高く、男性全体と比較した対比倍率が1.8倍です。ショッピングが好きで、ショッピングモールや雑貨インテリアショップによく行きます。このあたりは女性の感覚と近そうです。趣味は映画、音楽、テレビ、漫画、テレビゲームとエンターテイメント系が高くなっています。趣味で男性全体と比較した対比倍率が2倍以上と高いのは「コレクション」と「ショッピング」「アート鑑賞」です。

 興味、関心で目立っているのは、このセグメントでは当たり前かも知れませんが「アニメ・漫画」で、対比倍率2.0倍。その他「アート」「エコロジー」「雑貨・インテリア」「デザイン」「癒し・ストレスフリー」などが対比倍率2.2〜2.7倍となっています。

 情報入手経路は「屋外広告」「家族・友人とのクチコミ」「雑誌」が比較的高くなっています。また、関心の高い商品ジャンルは「お菓子」と「飲料」、「デジタル家電」です。


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【「ジブリ男子」は、いい意味での草食系?】

 消費傾向を見てみると「買い物をするのは楽しいこと」だと思っており、「次から次へと欲しいものが出てきて困る」と考えています。このあたりの価値観は「ショッピング」が好きという結果と符合します。思われたいセルフイメージは「穏やかな」「懐が深い・包容力のある」が高く、他に「飾らない」「優しい」などの言葉の対比倍率が高くなっています。

 好きなブランドは「リーボック」などのスポーツファッション系や「リーバイス」「Lee」などのジーンズカジュアル系です。また、ファッション、雑貨、文具などの広範囲にわたり「無印良品」が出てきています。それと、出現率そのものは高くないのですが、お茶系飲料の「ジャワティー」の対比倍率が突出して高かったのが目を引きます。(何故かはわかりません(^^))

 ファッションの嗜好については、いつものようにペルソナイラストを掲載しますのでご確認下さい。

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 「ジブリ男子」はアニメを中心とした「エンタメ系」が大好きで、お菓子、飲料、デジタル家電への関心の高さから、昔よく言われていた「カウチポテト族」(カウチ(ソファ)に座ってポテトチップスをつまみながら大画面テレビでのビデオ鑑賞が趣味。)に近い人たちなのかも知れません。しかし、いわゆる「引きこもり」と違うのは「ショッピング」が好きで「ショッピングモール」や「雑貨・インテリアショップ」によく出かけている点です。

 対人的には「優しく」「穏やか」で、「懐が深く・包容力がある」「飾らない」などのセルフイメージから、争いや競争を嫌い、他人に対し良い印象を与える人たちと言えるでしょう。行動や興味関心が女性的である点から見て、外見的な男らしさは無いかも知れませんが、芯が強い男らしさを求めているのかも知れません。そんな所から「いい意味で草食系」な人たちと言えそうです。


*「シングルソース・消費者パネル」とは、同一のサンプルから多様な情報を採取した消費者データのことで、多数の項目を組み合わせたクロス集計ができる。
*データは「ぺるそね」調べ。2012年6月 n=31,444
*シングルソース・消費者パネル『ぺるそね』は30,000人の150問にわたるアンケートをデータベース化し、あらゆる角度から分析できるサービスです。利用料金は3,500円〜と手軽にお使いいただけます。
*「クラウド型消費者分析ツール ぺるそね」の詳細はこちらへ。


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