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マーケティングのはじめの一歩は消費者を理解することから。変化する消費者動向をとらえるためには仮説が大事。このブログでは消費者理解のための様々な仮説をデータに基づいてご紹介。商品開発・ブランディングのコンサルタントとして、あらゆる市場のイノベーションを目指して日々格闘している大久保惠司がお届けします。

オンライン・ストア市場を眺めてみた。-消費者データから見るブランドポジション(6)-

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kotohajime_title.png 相変わらず成長を続けている日本のEC市場。経済産業省の発表では「BtoC EC市場規模」が8.5兆円となったようです。これは前年比8.6%増という結果でした。商品分野別ではほとんどの業種で前年に比較し市場規模が大きくなっています。

 特に小売業のうち、医薬化粧品小売、衣類・アクセサリー小売、食料品小売については20%以上の伸びがありました。今回はこのオンライン・ストア市場を眺めてみようと思います。


【楽天、アマゾンが文句なしの二強】

 まず15位までのランキングを見てみましょう。クラウド型消費者分析ツール「ぺるそね」は、サンプリングをインターネットで行っており、31,444人の方はすべてインターネットに繋がったパソコンから答えて頂いています。デジタル系やネット系の質問に対しては通常よりも上ぶれします。したがって、非インターネットユーザーまで含めた調査に比べ、ネットユーザーであることのバイアスがかかることを考慮する必要があります。

 ぺるそねの全回答者31,444人のうち、「オンライン・ストア」について答えて頂いた方は28,899人いらっしゃいました。これは全体の92%に当たります。いま、自分の周辺を見渡しても、オンラインショッピングをしたことがない人を探す方が難しくなってきていると思います。

 で、やはり二強は「楽天市場」と「アマゾン」ということになります。そして三番手につけているのは「Yahoo!」。社長もかわり、最近積極攻勢で話題ですね。当然、ネット系の企業が先行し、多くの支持を得ているのですが、その後に続くのはいわゆる「カタログ通販」の企業です。「ニッセン」「セシール」「ベルメゾン」が入ってきています。加えて化粧品の「DHC」「オルビス」、共同購入系の「グルーポン」「ポンパレ」、ファッションの「ユニクロ」、チケッティングの「e+チケット」流通系の「セブンネットショッピング」がベスト15のメンバーです。


 オンラインストア市場のランキングベスト15
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【ブランドのポジショニングを見てみる】

 それではいつものようにブランドのポジショニングを見ていきましょう。最初は「性別」×「年齢」のポジショニングマップからです。「楽天市場」と「アマゾン」は大半の人が利用していると答えているので、あまり偏りが出てきません。双方とも中心にどっしりと構えています。比べてみると「アマゾン」の方がやや年齢が低く、やや男性が多いというポジションです。

 男性方向にはあまり広がりがありません。強いて言えば「Yahoo!オークション」と「楽天オークション」がちょっとだけ男性寄りに振れています。オークションは男性の方が好きなのでしょうか?。かたや女性の方にはかなり広がりが見えます。最も女性率が高いのは「オルビス」で、次いで「ベルメゾン」「セシール」となります。どれももともと女性向けのカタログ通販のブランドですね。その次も「DHCオンライン」「ニッセン」と続き、やはりもともとの通信販売のブランドがシェアを伸ばしてきているようです。

 ブランドポジショニングマップ(性別×年齢)
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 次のマップは「世帯年収」×「おこづかい」です。「世帯年収」が高く「おこづかい」も高い右上のエリアに入ってきたのは「e+チケット」「ポンパレ」「グルーポン」です。その他、中心に近くなってはいますが、かろうじてこのエリアに入っているのは「ユニクロ」「Yahoo!ショッピング」「Yahoo!オークション」「楽天オークション」です。

 一方「世帯年収」が高く、「おこづかい」が低いエリアにあるのは「セシール」「ベルメゾン」です。また、「世帯年収」が低く「おこづかい」が低いエリアにあるのは「オルビス」「ニッセン」ということになりました。ここは専業主婦が多く含まれているゾーンということでしょう。


 ブランドポジショニングマップ(世帯年収×おこづかい)
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【お得な無駄遣いの提案が有効?】

 このポジショニング・マップでちょっと意外だったのは、クーポンの共同購入サービスである「グルーポン」「ポンパレ」が、収入も可処分所得も比較的高い人達が利用しているということです。また、オークションサービスのユーザーも「世帯年収」はそれほど高くありませんが「おこづかい」は割と高めの人達が利用しています。

 そこには、ただ単にモノやサービスを安く手に入れるというよりも、「少し浮いたお金を価値あるものに使いたい」というウォンツや「ゲーム感覚で消費を楽しみたい」などのウォンツが存在しているようです。この人達に対するアプローチとしては「お得な無駄遣い」を楽しめる提案をすることが有効かも知れませんね。


【この場を借りてコマーシャルです】

 ペルソナイラスト
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