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マーケティングのはじめの一歩は消費者を理解することから。変化する消費者動向をとらえるためには仮説が大事。このブログでは消費者理解のための様々な仮説をデータに基づいてご紹介。商品開発・ブランディングのコンサルタントとして、あらゆる市場のイノベーションを目指して日々格闘している大久保惠司がお届けします。

ソーシャルメディア市場を眺めてみた。-消費者データから見るブランドポジション-

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 今年の7月中旬に「クラウド型消費者分析ツール『ぺるそね』」の2012年6月調査のデータが公開されました。初期バージョンではリサーチ後、公開までに3ヵ月かかったのですが、今回は3週間たらずで公開できました。データの鮮度の高いうちに公開したかったので、開発チームの頑張りに拍手を送りたいところです。今回は有効回答数31,444人(男性:15,269人、女性:16,175人)の方にアンケートに答えて頂きました。

 ぺるそね」のトップ画面

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 「ぺるそね」は約30,000人の約150項目の消費行動に関するアンケート結果をデータベース化し、様々な切り口で集計・分析できるツールです。14カテゴリー、63ジャンルの市場のブランドランキングとブランドポジショニングが分析でき、16カテゴリー、79ジャンルのブランド(約5,000ブランド)のユーザー分析ができます。

 また、年齢、性別、職業などの基本データはもちろん、趣味、興味関心などのライフスタイル、商品カテゴリーに対する関与度、購入決定要因、情報感度、価値観などに基づいた細かいセグメント設定を可能としています。商品開発や広告、販促活動など、マーケティングのあらゆる場面で、素早く消費者情報を得ることができます。


【ソーシャルメディア市場のデータを昨年と比較してみた】

 と、PRはこのくらいにして、早速ソーシャルメディア市場を眺めてみることにしましょう。今回「facebook」「mixi」等のソーシャルメディアを利用していると答えた方は13,668人いらっしゃいました。これは回答者全体の43.5%に当たります。2011年9月調査のデータでは全体の40.3%でしたので、2.9ポイントほど増えました。これを多いと見るのか少ないと見るのかは意見が分かれるところですね。

 2011年9月調査と比較して、大きく変化したのは「facebook」の躍進です。前回9.7%から今回22.2%となり、倍増しています。また「Twitter」は19%から20.8%の微増、「mixi」は25%から20.7%の減少となり、「GREE」と「mobage」はそれぞれ減少となっています。

 主要ソーシャルメディアの利用者
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 「facebook」が昨年と比べ倍増し、日本のソーシャルメディアのトップになったのはニールセンの視聴率調査等でも発表されていましたが、それを裏付ける形になりました。「mixi」ユーザーは割と大きい減少となりました。前回はトップに立っていたのですが、今回は「facebook」「Twitter」に次いで3番手に甘んじています。「GREE」「mobage」は調査時期がコンプガチャ問題のさなかだったこともあるのでしょうか?どちらも微減となっています。


【それぞれのユーザーをポジショニングしてみた】

 年齢と性別のデータをもとにポジショニングしてみると、平均年齢は「facebook」「Twitter」「mixi」「GREE」「mobage」の順に並びます。また女性比率の多い順に並べてみると「mixi」「GREE」「mobage」「Twitter」「facebook」となります。ちなみに「facebook」の下にある小さなオレンジの点が「Google+」で、さらに平均年齢が高く、男性比率が多くなっています。

 ポジショニングマップ(年齢×性別)
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 もう一つのポジションニングマップは既婚率と世帯年収です。世帯年収は「facebook」が飛び抜けて高く、「mobage」が最も低くなりました。また、「Twitter」と「mixi」「GREE」は近いエリアにポジショニングされています。既婚率も「facebook」が、最も高く、続いて「mixi」「GREE」「Twitter」「mobage」の順に並んでいます。

 ポジショニングマップ(既婚率×世帯年収)
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【シェア争いか?棲み分けか?】

 ソーシャルメディアユーザー全体としては、2011年9月の40.3%から2012年6月の43.5%へと2.9%ほど伸びましたが、大幅な伸びというほどではありません。これだけ見ていると、安定成長のソーシャルメディアマーケットの中で、「facebook」は劇的にシェアを伸ばした格好になっています。実際にはソーシャルメディアは複数のサービスを併用している方が多いと考えられますので「facebook」はその中心的なサービスになったのかも知れません。また、「facebook」の世帯年収がかなり高めになっているのは、男性のビジネスマンの利用者を多く取り込んだためと考えられます。

 前回はトップだった「mixi」は今回は3位になりました。年齢×性別のポジショニングを見ても、比較的若くて女性比率の高いのが特長です。今後は主要サービスのシェア争いが激化するのか?それとも棲み分けが行われていくのか?目が離せません。ちなみに、前回調査時には始まったばかりの「Google+」ですが、今回の調査では2.9%の方々が利用していると答えています。


*データは「ぺるそね」調べ。2012年6月 n=31,444
*「クラウド型消費者分析ツール ぺるそね」は30,000人の150問にわたるアンケートをデータベース化し、あらゆる角度から分析できるサービスです。利用料金は3,500円〜と手軽にお使いいただけます。
* 機能をフルに試せる「トライアル・パス」のサービスを開始しました。
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