オルタナティブ・ブログ > 消費者理解コトハジメ >

マーケティングのはじめの一歩は消費者を理解することから。変化する消費者動向をとらえるためには仮説が大事。このブログでは消費者理解のための様々な仮説をデータに基づいてご紹介。商品開発・ブランディングのコンサルタントとして、あらゆる市場のイノベーションを目指して日々格闘している大久保惠司がお届けします。

「ITmedia男子」と「ITmedia女子」-データから見るペルソナ図鑑(番外編)-

»
コトハジメ11title2.png
 先日、誠ブログの「オフラインミーティング」でプレゼンテーションの機会をいただきました。ネタとして「ITmedia」を好きなインターネットサイトとして選んでいる人をマイニングしてみました。今回はちょっと内輪ネタですが、番外編として「ITmedia」な人を分析してみたいと思います。

【「ITmedia」を好きなインターネットサイトとして選んでいる人たち】

 「クラウド型消費者分析ツールぺるそね』*」では、好きなインターネットサイトについても聞いています。ベスト5は「ヤフージャパン」「グーグル」「ユーチューブ」「ウィキペディア」「ぐるなび」と人気のサイトが並びます。「ぺるそね」の全サンプル29,093人の中で「ITmedia」を選んでいる人が401人いらっしゃいました。

 性別を見てみると83%を男性が占めます。平均年齢は38.7歳。ボリュームゾーンは35歳~39歳で20.2%を占めます。35歳~44歳まで広げてみると全体の37%。この辺りの年代層の方が「ITmedia」な人ということになりそうです。

 職業は会社員が46.9%で、全体と比較し1.6倍。ボリュームは少数ながら、会社役員、自営業、自由業のかたが、全体と比較し1.4~1.6倍いらっしゃいます。平均個人年収は高めで、500万円~700万円が中心のようです。ひとり暮らし率が26.9%と最も多く、大学卒、大学院卒が多い高学歴な方々です。

年齢構成
コトハジメ11使用分 .001.png

【ITmediaな人ってどんな人?】

 「コンビニエンスストア」と「家電量販店」をよく利用し、おこなっているスポーツは「ウォーキング」と「サイクリング」。特に「サイクリング」は14%で全体と比較し3.1倍です。スポーツをするのにも「道具」にこだわる面が垣間見えます。

 なんと言っても携帯電話等の「デジタルガジェット」への関心の高さがこの人たちの大きな特徴です。携帯電話に関心の高い人の割合は38.9%で全体と比較し2.9倍多くなっており、「デジタル家電」に関心の高い人の割合は60.6%で全体と比較し2.3倍のボリュームとなっています。逆にお菓子やファッションへの関心の高さは全体と比較しても低くなっています。

 商品関心度
コトハジメ11使用分 .002.png

 消費行動、所有機器の特徴をまとめてみます。( )内は全体と比較した倍数を表示します。
    • よく行く家電量販店は「ヨドバシカメラ(2.0倍)」「ソフマップ(4.3倍)」
    • 所有している携帯電話のメーカーは「アップル(3.9倍)」「ソニーエリクソン(1.8倍)」「HTC(11.3倍)」「サムスン(2.3倍)」
    • ポータブルミュージックプレイヤーは「iPod Touch(4.0倍)」「iPod Shuffle(2.4倍)」「アイリバー(4.3倍)」「ZEN(4.6倍)」
    • デジカメは「Cyber-shot(1.6倍)」「Dシリーズ/ニコン(2.8倍)」が目立つ
    • パソコンは25.2%が「自作のデスクトップ(3.7倍)」。以下「Let's note(3.6倍)」「iMac(3.8倍)」「Macbook Pro(6.8倍)」「Think Pad(5.1倍)」などの所有が高い
    • フラットパネルTVは「REGZA(1.4倍)」
    • ゲーム機は上位にプレイステーションが並ぶ。任天堂よりもプレステ好き

 当然と言えば当然ですが、スマートフォンの所有が多そうです。「HTC」の11.3倍が光りますね。また、所有パソコンは4人に1人が自作のデスクトップを使用しており、堂々の一位でした。

 最も驚いたのが、好きな食品メーカーで「赤城乳業」がトップだったことです。これはなんと、全体と比較して実に9倍です。編集の方々に伺ったところ「駄菓子」の記事の反響が高いらしいとのこと。ちなみにスナック菓子の「うまい棒」と「ベビースター」は全体と比較し1.5〜1.7倍で、こちらもやはり人気でした。また、炭酸飲料は「マウンテンデュー」(3.3倍)が特徴的です。

 好きな食品メーカー
コトハジメ11使用分 .003.png
【ITmedia男子とITmedia女子】

 男性は334人いらっしゃいます。服はカジュアル系が好みで「ユニクロ」や「EDWIN」が好きです。バッグは「吉田カバン」と「ユニクロ」、靴は「ニューバランス」がお気に入りです。時計は断然「G-Shock」ですね。このグループは本当に「ユニクロ」好きです。

 新しく出た商品は実際に買って試し、新製品の情報には敏感、ユニークで遊び心がある人に思われたいと考えています。デザインや雑貨インテリアに興味があり、ビジネスにも興味が高い人達です。情報通だけに人にいろいろ相談されることも多いようです。

 女性は67人しかいらっしゃらないので、通常だと分析不能ということにしてしまうのですが、今回はネタなので参考例としてご覧下さい。服は男性と同様にカジュアル系が好みのようですが、全体と比較し、特に強く出てきているのが「ユナイテッドアローズ(3.4倍)」「ビームス(3.9倍)」などのセレクトショップ系のブランドでした。バッグも「バレンシアガ(11.5倍)」が「コーチ(1.2倍)」に次いで2番目の所有率となり、このグループの特徴を表すブランドとして考えてもいいと思います。また靴は「コンバース(3.0倍)」時計は「スウォッチ(3.8倍)」が好みです。

 自分の周りには気に入ったモノしか置きたくないと考えるこだわり派です。男性と同様新製品情報には敏感で、自分らしさを大切に考えています。PCや家電のみならず、アートからビジネスまで、幅広い興味を持っています。

 また、「ITmedia女子」の特徴として「デロンギ(4.3倍)」「アマダナ(13.2倍)」「プラスマイナスゼロ(10.5倍)」とデザイン家電の人気が高くなっています。オシャレなデジタルガジェット好きという感じでしょうか。「ITmedia男子」と「ITmedia女子」のイメージはペルソナ・イラストにしてみましたのでご参照下さい。

 ペルソナ・イラスト(女性は分析サンプル数が少ないため参考例)
コトハジメ11使用分 .004.png

 今回はちょっと内輪ネタになってしまいましたが、いかがでしたでしょうか。次回は最近発売された、話題のiPadユーザーについて迫ってみたいと思います。


*データは全て2011年9月「ぺるそね」調べ。n=29,093
*「クラウド型消費者分析ツール ぺるそね」は30,000人の150問にわたるアンケートをデータベース化し、あらゆる角度から分析できるサービスです。利用料金は3,500円〜と手軽にお使いいただけます。
* 機能をフルに試せる「トライアル・パス」のサービスを開始しました。
*「クラウド型消費者分析ツール ぺるそね」の詳細はこちらへ。

 →サービスの情報は「こちら
 →セミナー情報は「こちら


Comment(0)