オルタナティブ・ブログ > 消費者理解コトハジメ >

マーケティングのはじめの一歩は消費者を理解することから。変化する消費者動向をとらえるためには仮説が大事。このブログでは消費者理解のための様々な仮説をデータに基づいてご紹介。商品開発・ブランディングのコンサルタントとして、あらゆる市場のイノベーションを目指して日々格闘している大久保惠司がお届けします。

facebook女子ってどんなひと?-データから見るペルソナ図鑑(1)-

»
title0207.png
 MacBook AirとLet's noteのユーザーの違いについて書かせていただいたブログが多くの方に読んでいただけたようなので、これをシリーズ化してみようと考えました。題して「データから見るペルソナ図鑑」...頑張ってみます。


【ペルソナって何だっけ?】

 前回のブログでマーケティングは「戦争型」から「恋愛型」へと舵を切ったことはお伝えしました。消費者理解のために、様々な調査、考察を続けることが重要です。そして情報を整理し、まとめ、関係者で共有する必要があります。そのための有効なツールが「ペルソナ」です。

 「ペルソナ」は簡単に言うと、顧客モデルのことです。実在する人々のデータを元に作り上げられた架空の人物です。商品開発を含めたマーケティングの全プロセスで「ペルソナ」を使用することで、プロセスの合理化、チームの協調性、意志決定の精度の向上などが望めます。ジョン S.プルーイット/タマラ・アドリン著「ペルソナ戦略」によれば、以下の点で活用メリットがあります。

  • ペルソナはユーザーに関する仮説と知識を明らかにし、ユーザーについて語るための共通言語を作り上げることを可能にする。
  • ペルソナにより、特定のユーザーに焦点を当てた様々な設計が行え、よりよい決定を下せるようになる。
  • ペルソナは消費者への興味と共感を呼び起こし、他の消費者データでは表現できない方法で、マーケティングのチームが消費者に関われるようになる。

 図にあるように、消費者に関する情報は「ペルソナ(ひとりの人物像)」に統合されて行きます。その人物の行動、嗜好、ライフスタイルと、様々な消費者情報が「ペルソナ」に埋め込まれて行くのです。

ペルソナの例
消費者理解コトハジメ0206.001.png

 でも、今回のペルソナ図鑑はそこまでするつもりはありません。「クラウド型消費者分析ツール ぺるそね」を使った、簡易的なペルソナのご紹介にとどめておきます。「こんな人、居るよね~」というくらいの精度だと思っていただけるとありがたいです。その後の肉付けはご自分でやってみると面白いと思います。具体的にペルソナを用いたサービス開発のお話しを、手前味噌ですが、私が所属する会社のブログ「Think Social」で紹介していますので、ご興味のある方はそちらをご参照下さい。


【facebook女子を調べてみる】

 今や世界のインターネットユーザーの半数以上にまで拡大したfacebook。IPOを申請したことで話題になっています。日本でも昨年くらいからユーザーが拡大し、知名度も上がってきました。特に日本は他国に対して普及率が低いので、今年は大攻勢をかけるそうです。「ぺるそね」の回答者29,093人のなかに、facebookユーザーは2,813人居ます。そのうち女性は1,402人。女性の使用率は9%です(2011年9月調査時)。

 平均年齢は37.9歳。女性全体の平均年齢が42.7歳ですから、かなり若いです。20代が34.2%、30代まで含めると55.6%と過半数を超えます。既婚率も全体と比較し低いですが(47.6%)、その割には平均世帯年収は高めです。消費行動や情報行動の特徴を見ると、「できるだけ人とは違うものを持ちたいと思う」「周囲からのアドバイスを求められることがよくある」という傾向が強く、「チャレンジ精神のある」「独創的な」と思われたいと考えている人たちが多いようです。

「ぺるそね」でfacebook利用者(女性)を検索した画面
fb女子.png

 趣味は「海外旅行」と答えている人が全体と比較し2.1倍、「写真」や「スポーツ」も比較的高めです。また興味関心ごとでは「語学」が2.4倍と突出しており、「デザイン」「アート」などの関心も高いようです。そうそう、「ビジネス」への関心も高く、スポーツも「ジョギング」や「ゴルフ」、「サイクリング」などが好まれています。また、飲食店での飲酒状況も高く、人づきあいにも積極的な姿が見えます。

 ここまで見てみると「facebook女子」の皆さんは、「グローバル志向が強く、アクティブなライフスタイルを送っており、自分自身のセンスや能力を磨くことに熱心で、周囲の人たちに頼られる存在の人」という姿が浮かんできますね。


【どのようなブランドを好んでいる?】

 女性の嗜好傾向を見ていく場合、ファッション系から入っていくのがいいと思います。facebook女子のファッションブランドの好みは「ティファニー」「H&M」「ザラ」「シャネル」「クロエ」「エルメス」などが上がってきます。それらの支持率は女性全体よりも1.5倍~2.2倍高くなっています。この傾向を見ていくと、「伝統のあるホンモノと流行をうまくミックスし、自分なりのセンスで身につけていく人たち」かもしれません。実際に購入している服も「H&M」や「ザラ」「GAP」等が多いのが特徴です。携帯電話は「シャープ」が最も多いですが、「iPhone」二番目に多く、全体と比較し3倍という所有率となっています。面白いのがお菓子の「ブルボン」が好きな人が突出して多かったのですが、理由はわかりません。このあたりをペルソナ・イラストにまとめているのでご参照下さい。

facebook女子のペルソナ・イラスト
消費者理解コトハジメ0206.002.png


 調査時期が2011年9月ということもあり、4ヶ月間でかなり動きはあると思いますが、データからfacebook女子について見てきました。もちろんfacebookを利用している女性が、1タイプしか居ないわけはありません。ここでは、象徴的な人物像を抽出したとご理解下さい(少々、ステレオタイプ過ぎるかな?と思いつつ...)。まあ、賛否両論あるでしょうが、一つの見方と思っていただけるとありがたいです。で、次回はmixi女子に迫りたいと思いますのでお楽しみに。

*データは全て2011年9月「ぺるそね」調べ。n=29,093
*「クラウド型消費者分析ツール ぺるそね」は30,000人の150問にわたるアンケートをデータベース化し、あらゆる角度から分析できるサービスです。利用料金は3,500円〜と手軽にお使いいただけます。
* 機能をフルに試せる「トライアル・パス」のサービスを開始しました。
*「クラウド型消費者分析ツール ぺるそね」の詳細はこちらへ。

Comment(0)