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今日やらなくてもいいこと、でも明日がちょっと変わることを考えていきたい

仕組みづくりの先にあるもの

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皆さま、はじめまして。

このたび、オルタナティブ・ブログに参加させていただくことになりました、加藤慎也と申します。

私はこれまで、主にヘルプデスク系の仕事に携わってきました。
そのなかで、ずっと変わらない思いで取り組んできたことがあります。
それは、作業を頭の中でやってしまわず、仕組み化するということです。

これは簡単に言うと、作業手順を決め、いつでもその手順を取り出せるようにすることです。
それによって、ずっと楽に一定レベルのアウトプットを出せるメリットがあると考えています。

何をきっかけに仕組み化することにこだわりだしたのか、ご紹介したいと思います。

以前、ソフトウエアのヘルプデスクに勤務していたときのこと。
販売数が伸びるにつれ、問い合わせも多く入るようになったため、たびたび増員をするようになりました。

もちろん、入ってきた新人オペレーターには教育をしていましたが、やがて対応知識の差がオペレータ間で目立つようになります。

そしてある日、とうとうお客様からお叱りを受けてしまいました。
「さっき対応した人は〇〇が原因だと言ったのに、なぜ電話するたびに回答が変わるんだ!」

お客様には謝罪し、そのオペレーターに正しい対応方法について周知をします。
しかし、そうしたお叱りをたびたび受けるうちに、周知するネタは変わっても、毎回やっていることは何も変わっていないように感じはじめました。

問題は個々のオペレーターによって対応の知識レベルが異なること。
しかし、対応する内容が多岐にわたるため、簡単には知識の差を埋められないこと。

そこで、私たちが取り組んだのは、ナレッジを作り、すべての問い合わせに対する対応手順を網羅することでした。
これは、OSの確認方法など、みんなが知ってると思われるような簡単な手順もすべて含みます。

じつは、それまでもナレッジは存在していたのですが、「すべて」が掲載されているわけではありませんでした。
それに、更新されていない情報もあり、「この情報は古いから、こちらの資料を見て答える」など、頭の中で組み替える必要もありました。

ナレッジを見ても掲載されていない情報があるとわかっているので見ない。
だから、頭の中の記憶に頼る。

こういったことも、オペレーターの間で対応の差を生み出していたわけです。
すべての情報を網羅したことで、「ナレッジを見ればすべての情報がそこにある」という信頼をつくることができました。
そして、自然とナレッジを頼り、見てもらえるようになりました。

こうした取り組みもあって、クレームはほとんどなくなりました。
また、対応時間を短縮することができたので、なかなかつながらない…といったこともなくなりました。

そして、脅迫的に覚えることから開放されたことで、余裕が生まれました。
その余裕が、ひとつひとつの受け答えだったり、次の改善へのリソースとなりました。

もちろん仕事内容によっては、すべてをこのように仕組み化するのがむずかしい場合もあると思います。
しかし、できることはなるべく仕組み化してしまう。
そして、リソース、余裕をつくる。

クレームに追われる毎日なら、そのうち嫌になってしまうかもしれません。
ですが、できた余裕をたとえばサービスの向上にあてることができたら、クレームを未然に防ぐような方法を考えることもできるようになります。

そういうプロアクティブな状態をつくりだせれば、もっと仕事をたのしくできるのではないかと考えています。

毎日業務に追われるなかで、そうした改善を行なっていくことは大変なことです。
しかし、どこかで手をつければ、将来的なコストを削減できるとも思うのです。

このブログでは、今日やらなくてもいいこと、でも明日がちょっとかわることを考え実践していくなかで、気づいたことなどを書いていきたいと思っています。
あまり力まずにその時々の考えを書き、自身の振り返りにしたいと思っていますが、もし読んでいただいた方のお役にたてれば嬉しく思います。

どうぞ、よろしくおねがいいたします。

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