グローバル化する中で日本人はどのようにサバイバルすればよいのか。子ども×ICT教育×発達心理をキーワードに考えます。

リブート第7回「教育現場のICT活用能力の向上のために ~望月陽一郎先生のお話より~」

»

現役の先生に教育現場のICT活用について伺いました(2014/09/01初公開分をリブート)

リブートシリーズ・・・2013年から不定期で掲載してきた「教育・授業・ICTに関するインタビューシリーズ」を、今に合わせて「再構成」していく企画です。


中学校で教諭をされておられる望月陽一郎先生に教育とICTを学校現場でどのように実践されてきたのか、お話を伺っています。

【望月陽一郎先生・略歴】
大分市中学校教諭(理科担当)。大分県教育センター情報教育推進担当主事、指導主事、大分県主幹等を経て、現職。


前回は「望月先生が教材・コンテンツを作成する際に、実際に画像や文章等の許諾を取った時の体験談」をテーマにして、お話を伺いました。

【前回の概要】

  • 「教材やコンテンツを制作する際、実際に許諾を取った例」について
     例:日本マイクロソフト社など
  • 「子どもたちが合唱している音声・動画」を学校Webページに載せる場合も、作詞者・作曲者の許可が必要である件について
     例:JASRAC  学校など教育機関での音楽利用

など。

今回(リブート第7回目)は、望月先生が先生方を対象に行っているICT活用法講座(ミニICT講座)を切り口にして探ります。

先生方のICT活用能力の向上のために

‐昨年(2013年)夏には、望月先生が学校でどのようにICT活用の普及を行われているのか。先生が「工夫をされている点」について伺いました。このインタビューは現役の先生方から反響がたくさんありました。

【関連記事】

そこで今回は「ミニICT講座」について、さらに深くお話を伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。まず、なぜ校内で「ミニICT講座」をしようと考えたのか、その目的から教えてください。

望月先生 学校では、

  • 効果的な授業を行うこと。
  • 子どもたちの学力を向上させること。
  • 情報活用能力をつけさせること。 

などさまざまなことが求められています。

これらについて、先生方のICT活用能力向上が必要となりますが、先生方もなかなかそういった研修に行けない実態があります。

中学校では、夏季休業中も部活動があったり会議・出張があったりと、なかなかそういう+αの時間がありません。そうなると「やってみたいけれどわざわざICTを活用した授業づくりまではできない」となります。そこをどうにかして解決し、先生方の眠っているニーズに応えたいというのが、この講座を校内で行った目的です。昨年度(2013年度)も行いましたが反省もありました(笑)。

‐先生方が参加しやすいように講座を規格されたとのこと、頭が下がります。「反省もありました」とのことですが、どういうことでしょうか?

望月先生 昨年度(2013年度)は夏季休業中(子どもたちは休みだが先生方は毎日勤務)の勤務日30日間中12日(30分を12回)行いました。しかし、

  • 部活動の練習があるため、校内にいても時間が合わないので参加できない。
  • 続けて参加しないといけないと思ったため、時間をとられると感じた(12日間出ないといけないと思った)。

などの理由で、あまり参加者が伸びませんでした(のべ50人くらい)。

このように夏季休業中(子供たちが)という授業がない期間中でも、ミニ講座になかなか参加できないのですから、校外の研修に参加するというのはもっと限られた先生しかいません。

‐たしかに学校の先生は教科だけでなく部活動の顧問の仕事もありますよね。研修に参加する時間を作るのもご苦労されているのですね。

望月先生 中学校以外の他校種の先生方だと、勤務の実態が違うかもしれません。

そのため、今年度(20014年度)は

・午前午後の2回 同じ内容である。
 ・・・つまりどちらでも自分の都合がよい時間に参加できる。
・短時間30分、単発の内容である。
 ・・・1回完結を強調しました。いつ参加してもOK。
・無料である。・・・もちろん、有料の講座ではありません。

を事前に、先生方に配布している(2014年当時)「ICT活用通信」でアピールしました。

リブート第4回「教育におけるICT活用事例:「iPad通信」と「ミニICT講座」について ~望月陽一郎先生のお話より~」

‐先生方が参加しやすいようにいろいろと工夫されたのですね。

望月先生 午前だけ、午後だけ部活動の練習があるという先生もいますからね。

‐そう言われれば、そうですよね。グラウンドや体育館使用の都合で、部活は午前だけとか、午後だけとか、ありそうですし。

望月先生 そうですね。昨年度(2013年度)は、昼前30分だけ(日に一回)でしたので、参加下賜したいけれど部活動中で出られないという先生がけっこういました。

‐今回(2014年度)は午後も行うことで、参加はだいぶ増えたのではないでしょうか。

望月先生 14日全28回、のべ100名弱の参加で昨年度の約2倍になりました。私自身の負担は大きかったですが、どの回も盛り上がりました。一人でも参加があれば行いました。

‐「一人でも参加希望者がいれば研修を行う」という方針でしたら、参加しやすくていいですね。

望月先生 「それなら参加できそう」という気になってもらうことが大切です。最先端の難しいことをしても人が集まらなければ意味がなく、広がりませんからね。

‐確かにそうですね。心のハードルが下がると参加しやすいと思います。

望月先生 参加する側から見ると、「校外より校内、長時間より短時間で効果的な講座を受けたい」というニーズになります。講座を開設する側として、ニーズにこたえることはとても大事なポイントです。校内で短時間の講座でも、結果的にICT活用した授業づくりをする先生が増えてくれれば、それがよいのです。

‐私もそう思います。授業づくりにICTを活用できる先生方が増えること、取組が広がることが大切ですから。

望月先生 以前、県内の教職員研修を担当してきた経験からもそう思います。

‐ご経験のたまものですね。学校によってインターネット環境や機器など、様々な環境が違うだろうと思います。ですから「校内で研修を行う」のはよいと思います。

望月先生 校内ですと、すでにお互いを知っていますからね。

‐それは大事な点ですね。以前別な場で望月先生のお話の中に、iPadを導入された際にiPadに個別の名前をつけたという話題がありました(すべて同じ名前になっていたので、番号をつけ、使いやすくした)。

こういうちょっとした工夫を校内で研修してもらうと、先生方はわかりやすいだろうなあと感じました。

望月先生 その話題は、先日(2014年当時)校外の研修でも話しました。別々の学校から研修に持ってきたiPadが、私が持って行ったもの以外すべて同じ名前で表示されたのです。困りました(笑)。うちは、個別の名前を割り振っています、と説明したところです。

‐なかなか気がつきにくいことですが、すぐに役立ちそうですね。実際に使ってきた経験がないと気がつけないですから。こういう工夫は実践的でいいなあと感じます。

望月先生 いろいろな意味で、「校内で取り組む」ことが啓発につながりやすいと、今年度(2014年度)の「ミニICT講座」を終えて思います。希望者が参加する校外の講座より、より広がりができやすいですね。

‐はい。学校現場で先生方はどのようなICT利活用の工夫をされているのか。先生方はどのように試行錯誤されているのかがイメージしやすくなりました。今回も実践に基づいたお話が大変面白かったです。お忙しい中、わかりやすいようにお話くださり、ありがとうございました。

>>リブート第8回「学校へのタブレット導入事例 ~望月陽一郎先生のお話より~」(11月15日公開予定)に続く

Reboot Produced by Yoichiro Mochizuki

参考記事

先導先生 - DiTT(デジタル教科書教材協議会)
※望月先生の45の取組みが紹介されています。

Comment(0)

コメント

コメントを投稿する