オルタナティブ・ブログ > 教育ICT研究室 >

グローバル化する中で日本人はどのようにサバイバルすればよいのか。子ども×ICT教育×発達心理をキーワードに考えます。

【お知らせ】教育用プログラミング言語「ビスケット」が13周年 ビスパ!!~Viscuit Birthday Party2016~を開催

»

「ビスケット」は2003年に原田康徳 博士が開発したビジュアル・プログラミング言語です。めがねのようなパーツに、絵を描き込んでいくとプログラミングができます。

この言語の興味深いところは、文字入力を使わない点です。絵を描く方法を利用しているので、小学校低学年のお子様もたのしくゲーム作成などを行えます。NPO法人で子どもたちにビスケットを教えたときも、好評でした。

viscuit-land01.png
↑ 写真をクリックすると、拡大画面を表示できます。

ビスケットのウェブサイトにログインすると、水族館やお祭りなど、さまざまなシチュエーションのページがあります。例として、ビスケットの中に作られた水族館のページに入ってみます。

画面上部は青い領域(水中)で、魚たちが泳いでいます。私もめがねの中に、魚を描きました。この魚たちを泳がせるには、どうしたらよいでしょうか?

右の○には魚を右寄りに描きました。左の○には魚を左寄りに描きました。これで魚は前に進むはず?

umi004.png

と思ったら、見事なムーンウォークを始めました(笑)。作戦失敗です。

umi005.png

プログラミングを行うめがねの部分を見直しました。左の○から右の○に丸みのある黒矢印が書かれています。よく考えてみたら、このめがねは時間の流れを表現している事に気がつきました。

過去 → 未来 という時系列を表現しているのでは?

仮説を検証するため、魚の色を変えました。左の○には魚を右寄りに描き、右の○には魚を左寄りに描きました。

umi002.png

無事に魚は前に進みました。 過去 → 未来 を表現していることが検証できました。どのように絵を描けば、魚を思い通りに動かせるのか?

考えれば考えるほど、裏側で何がどのように動いているのか気になります。ビスケットをためすことによって、アルゴリズムを考える訓練ができました。

umi001.png

ビスケットは絵を描くことでプログラミングしています。しかも、シューティングゲームや二進数の表現など、かなり複雑なことができるプログラミング言語です。ぜひ原田博士の解説動画で奥深さを体験してみてくださいね。

筆者注:ビジュアルプログラミング言語ビスケットを開発した原田さんは、日本電信電話株式会社 NTT基礎研究所、NTTコミュニケーション科学基礎研究所 等に所属していた研究者です。

ビスパ!!~Viscuit Birthday Party 2016~

さて、今年は教育用プログラミング言語「ビスケット」の発表から13周年だそうです。「ビスケット」の普及活動を行っている合同会社デジタルポケット様からイベントの詳細についてお知らせをいただきました。ご紹介しますね。

開催日時・場所

日時:2016 年 2 月28 日 (日) 10:30 - 18:00

場所:東京大学大学院 情報学環・福武ホール


管理人注:福武ホールの住所は、〒113-0033 東京都文京区本郷713-1です。最寄り駅は、本郷三丁目駅(丸ノ内線)、春日駅(大江戸線)

ビスパ!!タイムスケジュール

<シアター>
13:00~18:00 パーティプログラム

  • ビスケットの2015年のお友達たち(事例紹介)
    荻野 章太さん(みらい・ツリー プログラムディレクター)
    木所聡氏さん(練馬区立大泉第四小学校教諭)
    竹林暁さん(株式会社TENTO 代表取締役)
    中山 佑梨子さん(学校法人志徳学園香川富士見丘幼稚園教諭
    松田 孝さん(多摩市立愛和小学校校長)
  • 子どもライブコーディングbyみどりっ子クラブ
  • ビスケットの思い出アルバム(過去の作品紹介)
  • スクラッチとビスケットの保護者対談
    阿部和広さん(青山学院大学客員教授)
  • 200人でビスケットランド(全員参加ワークショップ)

<スタジオ>
10:30~12:00 原田博士のスペシャルワークショップ
13:00~15:00 3つのワークショップ

  • 「古代の世界とみらいの世界」
  • 「ビスケットかるたをつくってあそぼう!」
  • 「パーティのじゅんび」

とても盛りだくさんなイベントです。お申し込みは、公式ウェブサイトhttp://party.viscuit.com/から行えます。子どものプログラミング教育に関心がある方は、ぜひご参加くださいね。

姉妹記事

教育ICT研究室では、2012年から「ビスケット」に注目してご紹介しています。Scratchとの比較や、実際に私がビスケット試した結果をレビューしています。

  1. 小さいお子さんでも大丈夫! たのしくプログラミングできる「Scratch(スクラッチ)」と「Viscuit(ビスケット)」
  2. 小学生教育とビジュアルプログラミング言語「VISCUIT(ビスケット)」の可能性 入門編(前編)
  3. 小学生教育とビジュアルプログラミング言語「VISCUIT(ビスケット)」の可能性 入門編(後編)
  4. ビジュアルプログラミング言語「Viscuit」での作品制作を通して、情報化社会で生きる力を育てる:ビスケット塾と筆者の場合
  5. 【お知らせ】教育用プログラミング言語「ビスケット」が13周年 ビスパ!!~Viscuit Birthday Party2016~を開催

小学生教育とビジュアルプログラミング言語「VISCUIT(ビスケット)」の可能性」は記事が長くなりすぎたので、2つに分けました。後編は特にオススメの記事です。

Comment(0)