グローバル化する中で日本人はどのようにサバイバルすればよいのか。子ども×ICT教育×発達心理をキーワードに考えます。

HKT48指原莉乃さんと村上総裁の意外な? 文学性(後編)

»

村上総裁はどこで「本歌取り」しているのか

HKT48指原莉乃さんと村上総裁の意外な? 文学性(画像追加あり)」の続きです。

村上総裁の「Ameroadが生まれてから売却するまでの五日間まとめ」という興味深いブログ記事があります。ITmediaニュースでも取り上げられたGumroadというウェブサイトをモデルに村上総裁がAmeroadを作られた時の体験談です。

ご自身はブログ記事で以下のように書かれています。

GumroadのパクリサイトAmeroadを作って、ヤフオクに出したら、株式会社Razestの木村社長に150万円で落札していただきました。ありがとうございました。 
http://blogs.itmedia.co.jp/fukuyuki/2012/02/ameroad-693e.html より引用

http://blogs.itmedia.co.jp/fukuyuki/2012/02/ameroad-693e.html

パクリは辞書では盗作・剽窃というニュアンスで定義されています。が、日本の日常生活ではもっと軽い使われ方・ニュアンスに取られているのではないかと思います。

日常生活でもウェブでも一般的なパクリの使われかたは「真似しちゃった」というニュアンスではないでしょうか。おそらく村上総裁も「Gumroadを真似してサイトAmeroadを作りました」という意図なのではないでしょうか。

Ameroadのネーミング

名前が類似している件は村上総裁が以下のように説明しています。

(6)最初はファイルマーケットという名前だった。Gumroadを全く見たことがなかったので、デザインでリスペクトしたのはスーパー玉出だ。スーパー玉出とは、大阪であらゆる意味でギリギリのスーパーマーケットだ。。1円の肉とか何の肉か分からないし、賞味期限ギリギリの商品も多いが、異常に安い。Gumroadもギリギリだったから、スーパー玉出をリスペクトして、ロゴをデザインした。ネタ感重要。

(中略)

(10)せめて、ロゴとサイト名だけ変えようとして、「ファイルマーケット」は「Ameroad」になった。本家がクールすぎてちょっとスーパー玉出ベースはないだろうと思った。理由は、大阪の以外でスーパー玉出ネタで笑える人はいないことに気づいたから。そもそもネタサイトなのでパクり感を出すためにAmeroadになった。Gumroad=ガムロード→Ameroad=飴ロードからきてる。ネタ感重要。
http://blogs.itmedia.co.jp/fukuyuki/2012/02/ameroad-693e.html より引用

Gumroadを一度も見たことがないのに開発を開始

「Gumroad=ガムロード→Ameroad=飴ロード」というお菓子の名前に由来する点は本家本元を感じさせる類似要素があります。

もし名前が「ファイルマーケット」のままでも、ロゴが「スーパー出玉」のままでも私は「本歌取り」とは思わなかった気がします。

(2)Gumroadって何だ?と思って、アクセスすると大人気すぎてサーバがつながらない。

(3)@fladdictさんがGumroadの概要をツィート。これが着手の決定打になった。これがなければ作ってなかったし、Gumroadの仕様が分からなかった。

(中略)

(5)えふしんさんが、作っている様子もないので、Gumroadを一切見たことないけど、ネタサイトとしてこんなサイトならすぐに作れるだろうと思って@fladdictさんのツィートだけで、開発着手。要するにGumroadのサイトが落ちていた為、Gumroadを一度も見たことがないのに開発を始めていた。
http://blogs.itmedia.co.jp/fukuyuki/2012/02/ameroad-693e.html より引用

本家を持たことがないもののシステムの構成を知ったので、こんなシステムではないかと想像してつくり上げる点も興味深いです。

和歌の世界ではたとえば『源氏物語』に登場する和歌を踏まえて本歌取りをする場合、作者・紫式部はとっくの昔になくなっています。なので歌そのものから内容を想像することになりそうです。

もしくは一族・師弟関係の間柄に伝わる口伝や書物で和歌の解釈・知識を得る可能性がありそうです。ある意味、村上総裁はえふしんさんから口伝(正式にはつぶやきですが)されているのも私には面白い様相です。

「ネタ感重要」というタームが繰り返し出てくるところも重要。これは村上総裁が本家本元をリスペクトしつつ独自路線に走っているところが面白いのです。

後から本家を真似させていただく場合は、「先人へのリスペクトがあること」「両方を知っている人がニヤリとできることが大事」なのです。

片方しか知らない人には本歌取りはおもしろくはないので、どれだけ教養があるのかも試されます。本家・本元がわかりつつ、「おお、そうきたか! 」と思わせる要素はとても重要なのです。

スーパー出玉という大阪のスーパーマーケットをクールなイメージのGumroadに掛け算しようとしたセンスも独自色があって私には面白いです。

もし村上総裁がGumroadを最初に見ていたら、今回のコラボを考えたりはしなかったでしょう。先入観がなかったからこそできた組み合わせだと私見では感じます。

本家よりも模倣サイトの方がしっかりセキュリティが組みこまれていた

(7)Gumroad見たことないけど、いくらなんでもファイルのセキュリティや、購入情報を取っているだろうし、著作権も守っているだろうと思って作ってた。だからAmeroadはセキュリティやスパム対策やフリーライド対策はデフォルトで入れていた。Gumroadを全く触っていなかったせいで、ameroadの設計は本家よりかなりマジメな設計だった。デジタルコンテンツでメシを食っていたので、そのあたりは慎重な設計にした。

(中略)

(8)できたころには、Gumroadのサイトが復活していた。Gumroadは、全然、違っていてセキュリティもへったくれもないけど、デザインはイケてた。割り切っていた。一方、セキュリティも著作権もへったくれもなかった。正直、まじめに購入履歴とかセッション情報をみて、ダウンロードする仕組みなどを作っていた僕がアホみたいだった。むしろ、本家の仕様の方がネタだと思う。

http://blogs.itmedia.co.jp/fukuyuki/2012/02/ameroad-693e.html より引用

GumroadとAmeroadの話で一番面白いのは「本家よりも模倣サイトの方がしっかりセキュリティが組みこまれていたところ」でした。模倣サイトのほうが普通は技術が下になるものかと思いきやまさかの逆転現象。

和歌の場合は本家よりも後から本歌取りさせて頂く和歌のほうが私の主観では技巧的ではあります。そのかわり後から読む歌い手はどうしても技巧に走ってしまい観念的になっている印象も受けます。

オリジナルの和歌のほうが感受性や表現の豊かさを感じます。後から読む方は本家が何かわかるように面影を残す縛りがあるからなのかな? と素人ながらに私見では思います。

村上総裁の作ったAmeroadの方が技術的に巧みらしいという要素は、私の中でネタ感満載な面白さでした。

>>「HKT48指原莉乃さんと村上総裁の意外な? 文学性(完結編)」に続く

関連記事

  1. 村上福之さんのブログを文体解析した結果とは
  2. HKT48指原莉乃さんと村上総裁の意外な? 文学性(前編)
  3. HKT48指原莉乃さんと村上総裁の意外な? 文学性(後編)
  4. HKT48指原莉乃さんと村上総裁の意外な? 文学性(完結編)
  5. 【紹介】村上福之『ソーシャルもうええねん』つくらされた情報に踊らされない思考術

編集履歴:2013.12.28 23:32 「HKT48指原莉乃さんと村上総裁の意外な? 文学性(画像追加あり)」の後半を別記事として独立させました。見出し「まとめ」を追加しました。同日23:46 見出し「Ameroadのネーミング」「本家よりも模倣サイトの方がしっかりセキュリティが組みこまれていた」「最後に自分を落として、本家を上にすることを忘れない」「模倣する側もそれなりのスキルは必要」を追加しました。

Comment(0)

コメント

コメントを投稿する