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仕事に絡んだ四方山話などを徒然にと思いつつも、読んで興味深かった本ネタが多くなりそうでもあります。

【ブックトーク】本から人を、人から本を / 『ビブリオバトル』

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 先日、「読書」から見た生涯学習とのことで「朝活」での読書会をネタにしてみましたが、それとは異なる観点で、読書を「戦い」にまで昇華させたゲームがあります。その名も「ビブリオバトル」、数年前に京都大学の片隅で生まれた書評ゲームで、東京都知事の猪瀬さんも『解決する力』の中でとりあげてたりします。

 その内容と魅力について、さらっとわかりやすくまとめられているのが、こちらの一冊。

 『ビブリオバトル』(谷口忠大/文春新書)

 「本棚を見れば人となりがわかる」といったのは、どなたでしたか。それを意識したのかどうかまではわかりませんが、“人を通して本を知る。本を通して人を知る。”をモットーとして、その裾野を徐々に広げられています。

 このゲームで面白いのは、集まったメンバー内で「どの本を一番読みたいと感じたか?」という、序列をつける点でしょうか。こうなると単に本の感想を述べるだけではなく、いかに聴き手の琴線に触れるように伝えるのかといった、「プレゼンテーション力」や「コミュニケーション力」が必要とされるようになります。

 この「ビブリオバトル」のルールは至極単純でして、、(公式サイトはこちら

 ・参加者が読んで面白いと思った本を持ち寄る
 ・順番に1人5分で本を紹介する
 ・それぞれの発表後に、参加者全員で2-3分のディスカッションを行う
 ・全ての発表終了後に、「どの本が一番読みたくなったか?」を基準に、参加者全員1票で行い、最多票の本を「チャンプ本」とする

と、人と本が集まれば、どこでも誰とでもできる内容です。ゆくゆくはドッジボールやフットサルのように広げていきたいとは、なるほどなぁ、、と。個人的には、学校図書館などの「教育の場」で是非試してみたいゲームと感じています。

 定期的に開催することで、読書に対するモチベーションの維持・喚起にもなりますし、実際に一般企業でも取り入れているところもあり、その効果を感じられるようになってきているとのこと。また、佐藤優さんが『読書の技法』で述べられていますが、インプットした情報は、外部にアウトプットすることで初めて発酵され、知恵としても昇華されていくため、自分自身の知識の深化にもつながっていくのかな、、と。

 私個人としては、古本市でのイベントを横目で見たり、Youtube での動画を見た位で、まだ参加したことは無いのですが、機会を見つけて是非一度参加してみたいところ、、選書に悩みますけども。

 ブクブク交換や古本市などの、「本」が絡むイベントとも相性がよいと思いますが、ビブリオに特化した朝活なんてのも面白そうかなぁ、、とも。そんなに大規模でなければ、4-5名で一時間程でもさらっと回せそうな気もします。

 これもまた、読書からの見た生涯学習の一つの解かなと感じた、そんな一冊です。

【あわせて読んでみたい、かもな一冊。】
 『読書の技法』(佐藤優/東洋経済新報社)
 『本を読むわたし』(華恵/ちくま文庫)
 『本の運命』(井上ひさし/文春文庫)
 『本屋さんで本当にあった心温まる物語』(川上徹也/あさ出版)
 『解決する力』(猪瀬直樹/PHPビジネス新書)

【補足】
 なお、普段お世話になっている東京朝活読書会(エビカツ読書会)の主催の一人である小川さん、ただいま参加したビブリオバトルで「4連覇中」です。動画で拝見しましたが、やはり上手く、ついつい聴き入ってしまいました。といっても、ご本人はまだまだ満足できていない様で、一体どこまで行くのか、、うーん、凄い。

 >>> そんな4連覇中の小川さんのブログはこちらから、、!

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