大量消費をボイコットしはじめた生活者視点からのインサイトメモ

インサイト(Insight)

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"メーカーの自己満足的な「プロダクトアウト」では駄目だ。消費者の立場を理解する「マーケットイン」的な発想が必要だ。"

これらはビジネスの現場でよく言われることですが、それを教条的に唱えるだけでは実効性の高い戦略策定はできません。

商品や情報の受け手の傾向を知るための「ターゲット・インサイト」のことだけを考えればよいわけではなく、商品・サービスや情報の送り手側についての知見、すなわち「送り手に関わるインサイト」も極めて重要です。

たとえば、米国の広告代理店DDBによるフォルクスワーゲンのキャンペーン「Think small.」は、20世紀最高の広告(Advertising Age誌)として有名ですが、フォルクスワーゲンというクルマはナチスドイツの国策として開発された「国民車」だったのであって、米国の消費者のクルマに関するインサイトにもとづいてデザインされたものではありません。

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ところが、William Bernbach氏率いるDDB社の優れた広告クリエイティブのおかげで、フォルクスワーゲンはアメリカの若者のライフスタイルを象徴するイコンと呼べるほどの認知度と好感度を獲得するに至りました。それは、フォルクスワーゲンが提供しうる価値観のコンセプトや、それらを裏付ける設計思想に関するインサイトを消費者に対して発信し、広く定着させることができたからです。つまり、この場合は「ターゲット・インサイト」ではなく「商品やブランドに関するインサイト」が重要であったといえます。

インサイトとは:"消費者の意識や感情の根底にあって、彼らの物事の感じ方や、考え方、行動様式を決定するような因子を理解し、突き止めることである。特定のインサイトを明確に把握することによって、もっとも効果的に消費者にアプローチするメッセージを作り出すことが可能になる。"
(Paul R. Lorant)

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