大量消費をボイコットしはじめた生活者視点からのインサイトメモ

読書ログのようなもの: 『世界史の構造』/柄谷行人 岩波書店刊

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『世界史の構造』/柄谷行人 岩波書店
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/8/0236930.html

著者:柄谷行人氏のメッセージ

本書は,交換様式から社会構成体の歴史を見直すことによって,現在の資本=ネーション=国家を越える展望 を開こうとする企てである.私はこのヴィジョンを,すでに前著『トランスクリティーク――カントとマルクス』(2001年)で提示している.それを本格的に展開したのが本書である.実は,その草稿は2005年に はほぼできあがっていた.だから,そのダイジェスト版を『世界共和国へ――資本=ネーション=国家を超えて』(岩波新書)として刊行したのである.それから本論を仕上げるのに,さほど手間はかかるまいと 思っていた.しかし,この仕事一本に専念したにもかかわらず,4年もかかってしまった.この間に,細部においてはいうまでもないが,かなり核心的な部分で 飛躍的な発展がある.それが何であるのか.ご期待を乞う.

今、序文をくりかえし読んでいます。

もし、氏のやや難解な文章(といっても最近のものは格段に平易ですが)
が苦手な方には、この本の序文から読むこと、
あるいは、ダイジェスト版とも言うべき:
『世界共和国へ――資本=ネーション=国家を超えて』(岩波新書)
から読まれることをオススメします。

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幸福主義は、あなたを幸福にしない。

(読書ログのようなもの:柄谷行人「倫理21」)
http://blogs.itmedia.co.jp/jrx/2010/05/post-a78e.html

Westende

Comment(4)

コメント

ミシェル・フーコーを猿真似しつつ、こう言いたい:
「私は、『世界史の構造』を(著者に許しを乞いつつ)、倫理の書と呼びたい。長い邪馬台国の歴史の中ではじめて書かれた倫理の書と」。

ミシェル・フーコー "Preface in Anti-Œdipus/Michel Foucault 1977"
「私は、『アンチ・オイディプス』を(著者たちに許しを乞いつつ)、倫理の書と呼びたい。長いフランスの歴史の中ではじめて書かれた倫理書のと」

ミシェル・フーコー "Preface in Anti-Œdipus/Michel Foucault 1977"
「アンチ・オイディプス的に行動することは、いまや一つのライフスタイル、思考法、生活様式になった」

これを剽窃して:
「カント的に行動することは、いまや一つのライフスタイル、思考法、生活様式になった」と言い切ってみる。

はじめまして。僕もちょうどこの本を読了したところです。難解でしたが、勉強になりました。以下の通り、ブログとアマゾンのレビューに書いたところです。

 大著であり、読み終わるのに一カ月程度掛かった。

 本書は4つの「交換様式」という新しい物差しで歴史と現代を測り直そうという試みであると読んだ。4つの内3つは既に実現したものだが、それを乗り越える4つ目の物差しを作り上げることが人類の新しい時代を作り上げるという主張だ。

 何かを希望する事の基礎には必ず現実への絶望がある。著者も9.11以降からリーマンショックまでの7年間を基本的には「絶望」という切り口で総括したのだと僕は読んだ。ではその「絶望」から「希望」への脱出口はあるのか。著者は有ると信じている。そして、その脱出口を切り開く方法として、4つ目の物差し=新しい「交換様式」があるべきだと断定している。

 従い、本書を共感しながら読むに当たっては、まずはその著者の「絶望」に共感しなければならない。他人の絶望に共感することは簡単なようで実は大変難しいのだと思う。「ゆでガエル」という言葉がビジネスの世界で良く使われているが、それは、そもそもの人間の考え方の話だ。著者の絶望を共感出来ないような自分がいるとしたら、それは時代に流されているからかもしれないと考えることは本書を読む際の一つの姿勢なのかもしれない。

 僕自身は有る程度の「共感」を持つことは出来た。但し、著者の語る新しい「交換様式」に関しては、正直具体的なイメージが持てないままに終わった。
 これはまずは僕自身の知見の無さと不勉強であることは間違いない。本書くらい注を熱心に読んだことも希であった。
 但し、著者としても「これが4つ目の『交換様式』だ」と断言した部分も無かったのではなかろうか。これだけの大著なので再読してその個所を探すという作業もままならないが、やはりかような断言は無かったのではないかと、今この瞬間は思っている次第だ。これは著者を責めているわけでもなんでもない。その新しい「交換様式」を探していること自体が、現代の課題だからである。

コメントありがとうございます。

柄谷行人氏は、岩波書店のページに以下のメッセージを載せています。
http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/0236930/top.html
『かなり核心的な部分で飛躍的な発展がある.それが何であるのか.ご期待を乞う.』

それが何であるか、
昨年の長池講義における柄谷氏の以下のような内容のコメントに
そのヒントがあるのではないでしょうか。(以下は小生の記憶による再現です)

『北朝鮮は、日本の力で、彼邦の民が豊かに暮らせるようにしてあげればいいし、
歴史的に見て、そうする責任が日本にはある。また、そうした能力は日本にしかない。
それは国家間における無償の贈与のひとつの形態ですよ。』