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メダル齧りと腰履きとJOC

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 今回のソチオリンピックも中盤となり、フィギュアスケートの羽生選手とスキージャンプの葛西選手がメダルを獲得し、盛り上がりをさらに見せていますね。さて、メダルと言えば競技とは関係のないところでこんな話題がありました。

「銀」授与式の渡部暁にJOCが"メダル噛むな指令"!「何とかやり過ごした」

一方でメダリストたちには、日本オリンピック委員会(JOC)から"メダルかむな指令"が出ていることも判明。渡部暁は、授与式前に複合チームの成田監督から「メダルをかんじゃダメ!!」と通達され「カメラマンさんに『かんで』と言われたけど、何とかやり過ごした」と苦笑いで語った。

デイリースポーツ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140215-00000007-dal-spo

 

 このメダルを噛む仕草、いつ誰が始めたのかは定かではないですが、メダルをとった後の新聞やニュースでは良く見かける写真となっています。今回はJOC(日本オリンピック委員会)がメダルを噛むなと言うことを選手やコーチに通達しているみたいですね。JOCが本当に通達を出しているのかどうかはわかりません。

 私もこのメダルを噛むと言うのはあまり好きではありません。とは言ってもメダルをとった選手が自発的にやりたいというのであれば、そこまで目くじらを立てるようなことでもないような気がします。あまりにも周りが齧れ齧れと言って、無理やり噛ませるのはダメだと思いますが。

 その後、渡部選手はtwitterでこんなコメントを残しています。

 トリノオリンピックのフィギュアスケートで金メダルを取った荒川静香選手もこのメダルを齧ることをマスコミに要求され、断っているみたいです。そしてオリンピック選手ではないですが、一昨年のノーベル医学生理学賞を受賞したiPS細胞で有名な山中伸哉教授も同様にメダルを齧るのを断わっています。

山中教授に「メダルかじってもらえますか」 大ヒンシュクかった記者はどこのどいつだ

「思ったより重くて、歴史の重さを感じます」。直径6 .6センチ、重さ200グラムのメダルを手に山中教授が報道陣に感想を述べると、男性記者と思われる人物がヌケヌケとこう要望したのだ。

「もし可能だったらかじってもらっていいですか」   これに対して山中教授はにこやかな笑顔で「そういうことはできません。貴重なものなので」。きっぱり断った後、「ノーベル賞はこれで私にとって過去のことになりました。大切な場所に保管してもう見ることもないと思います。一科学者としてこれから、すべきことを粛々とやっていきたい」と語った。

(中略)

06年のトリノ五輪のフィギュアスケート金メダリストの荒川静香さんは「噛む意味が分からない」と求めに応じなかったことでさらに人気が高まった。12年夏のロンドン五輪後のメダリスト凱旋パレードでは、民放の人気番組が選手にメダルを噛んでもらおうと執拗に求めたことから視聴者の批判の的になった。

J-CASTニュース
http://www.j-cast.com/2012/12/14158308.html?p=all

 

 記事の中にもある通り、このメダルを噛むことに対しては批判的な意見が一定数あると思われます。どちらかと言うとメダルを噛むことを要求するマスコミに対して、という側面が強そうですが。

 さて、話はメダルとは変わりますが、オリンピック選手の振る舞いとして批判されたと言えばスノーボードの国母和宏選手を思い出す方も多いかもしれません。バンクバーオリンピックの際の記者会見で腰履きでネクタイを緩めて登場し、さらにその後の対応もあまり良くなく、大臣までコメントを出すといった騒動となりました。

 今回のソチオリンピックでは国母選手は、スノーボードチームの技術コーチとして帯同し、平野・平岡両選手のメダル獲得に貢献したと報道されています。

 その国母選手の騒動があったバンクーバーオリンピックの時、実はJOCにかなりの苦情があったそうです。

国母の乱れた服装で苦情殺到 JOCに電話やメール

バンクーバー冬季五輪スノーボード・ハーフパイプ(HP)男子の国母和宏選手(21)=東海大=が服装に乱れがあったとして日本選手団の入村式の出席を自粛した問題を受け、日本オリンピック委員会(JOC)に苦情の電話やメールが殺到していることが12日、分かった。

JOC関係者によると、同日朝から苦情の電話は約50件、メールは約500通に達した。内容は「スポーツマンらしくしてほしい」「国民の代表としてあり得ない」など厳しいものが多く、国母選手の服装やスタイルに理解を示す内容は少ないという。「JOCはもっとリーダーシップを発揮しろ」と選手管理の甘さを指摘する声もあった。

共同通信社
http://www.47news.jp/feature/kyodo/vancouver/2010/02/post-561.html

 

 JOCがこの苦情に対してどのような対応をしたのかは不明ですが、かなりの労力を割かれた事と思います。苦情だけではなく、マスコミや行政からの質問などの対応もあったでしょう。オリンピック前で忙しい時にこう言った対応をするのはかなり大変だったと思います。

 そこで今回の「メダルを齧るな」というJOCの通達が出たのではないでしょうか。メダルを齧る事自体は選手の自由だとしても、何かのきっかけで「メダルを齧る」行為が国民的な議論になったらまた多くの苦情や様々な対応をJOCがせざるを得なくなります。メダルを齧る事に関しては、先ほどの記事にもある通り否定的な意見の方もいます。

 JOCとしてはせっかくオリンピックで盛り上がっているのに、苦情が出るような事態は避けたいところでしょう。さらにオリンピック期間中であれば苦情に対応する人員も中々割けないでしょうし、苦情対応することを見越した予算などがあれば選手の強化に使いたいはずです。

 今回のJOCの通達が本当かどうかはわかりません。もし本当だったらお役所仕事という批判も出てくるかもしれませんが、JOCにとってもオリンピックを楽しむ人にとっても重要なのは選手が力を出せる環境を作り、力を出し切った姿をオリンピックで披露できることだと思います。そう言った意味ではその環境作りの一環として間違いではないのではないでしょうか。

 メダルを齧る齧らないは基本的には選手の自由だと思いますし、メダルを齧る仕草は選手の顔から白い歯がこぼれ、メダルも一緒に撮れる良いポーズだと言う話もあります。ただメダルを齧らなくても素敵な写真も撮れると思うので、下記のリンクを貼っておきます。いやー、本当に素敵ですね!

(googleの画像検索が開きます)
http://image.search.yahoo.co.jp/search?ei=UTF-8&fr=top_ga1_sa&p=%E8%8D%92%E5%B7%9D%E9%9D%99%E9%A6%99+%E3%83%A1%E3%83%80%E3%83%AB

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