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高校卒業直後にアメリカの全寮制高校に飛びこみ、文化、言語、価値観、人間関係、そして勉強で七転八倒しつつ適応していった、5年間の留学生活から学んだレッスンを、具体的エピソードを交えて紹介。

留学生にしか分からない、密かなコンプレックス

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今日は、"留学先からの一時帰国"について書いてみます。

夏の学年がかわる時期や、クリスマスから新年の休暇は、けっこうな長期になるので、留学生はどこで何をして過ごすかが大きな問題になります。ほとんどは友人宅の世話になったり、アメリカ内で旅行に行くのですが、2年に1度くらいの頻度で帰国をしていました。



やっぱり、たまには米や魚をたらふく食べたくなるものです(笑)。

あとは、バイトで学資を稼ぐ意味合いもありました。


一時帰国できることは、いくらアメリカでの生活に慣れていても、やはりワクワクするものです。家族や友人知人の変化も大きいですし、積もる話もたくさんありますから。

で、帰国直後はハイテンションになって、日本食三昧をするわけですが・・・






三日で飽きます。

それはもう、ビックリするほどあっという間に飽きます。
1週間もたつと、早くアメリカに戻りたくなるのですから、不思議なものです。




そして、日本で生活することに違和感というか、居心地の悪さを感じ始めます。これは別にアメリカにかぶれているとか、常識が変化したということではないです。


当時は、居心地の悪さを感じさせる原因を自分でも特定できず、「なんかよくわからんけど、違和感がある・・」だったのですが、今ゆっくり当時のことを思い返したら、その理由が分かりました。





「日本人の若者のファッションが、はるかにセンスがよかったから」です。



洋服にかけるお金も、ファッションの敏感さも、ヘアスタイルも、同年代の日本人が格段に上を行っていて、ボサボサ頭にTシャツ&短パン(or ジーンズ)しか能の無い自分との間に埋めがたい差を感じてしまったのが、違和感の原因でした。



数年見ない間に、同級生がおしゃれな大学生に変身してしまっていたのを目の当たりにして、「うわ、みんなむっちゃ大人びてる・・・」とコンプレックスを感じてしまいました。

ほとんどの友人は、当然のように車も持っていましたし、合コンも満喫していたりして、正直、「うらやましい・・・」と思ってしまったものです。



そんなことが重なって、「はやくアメリカに戻りたい」という意識につながったんだと思います。



ファッションに目覚めるべき大学時代に、ほぼTシャツと短パンしか着なかったことで、おしゃれの知識をまったく身につけられなかったのが、実は今でもコンプレックスだったりします。いまだに、休日の服装には自信が無いですし、ちょっとしたパーティーにでも誘われようものなら、「他の参加者はどんな服装で来るんだろう・・」、「何を着ていけばいいんだ・・・」と真剣に悩みます。


スーツや喪服でOKな冠婚葬祭では、当然迷いません。困るのは、知人以上、友人未満な感じの人たちとの集いです。「カジュアルな服装でお越しください」と言われると、おしゃれ力を試されているようで、一番悩みますし、怖いです。


やっとの思いで渾身のコーディネートをしても、妻に「ネズミみたい」と2秒でダメ出しされてしまいます。



若い頃、もっとおしゃれに精を出しておくべきだったと、まじめに悔やんでいます。



このコンプレックス、けっこうな割合で留学経験者に共通していると思うのは、私の勝手な思い込みでしょうか・・・。




一時帰国のことを書いていたつもりが、いつの間にかアホみたいなコンプレックスの話になってしまいました・・・。


つづく


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