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高校卒業直後にアメリカの全寮制高校に飛びこみ、文化、言語、価値観、人間関係、そして勉強で七転八倒しつつ適応していった、5年間の留学生活から学んだレッスンを、具体的エピソードを交えて紹介。

留学生は就活に有利か不利か?【前編】

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数日前、留学生だけを対象にした合同説明会が開催されたというニュースをテレビで見ました。

今どきの留学生さんの就活が、日本の大学生に比べてはたして有利なのかについて触れた情報は、これまであまり見聞きしたことがありません。

そこで今回は留学当時からちょっと離れて、大学3年生から4年生になる間の夏休みに経験した、日本での就職活動のことを書いてみます。留学生にしかわからない、有利な面と不利な面の両方を紹介してみます。
※ただ、1990年前半の話であることをお断りしておきます。


巷では、「留学生は就職に有利だ」と言われることが割とあると思います。
その理由としては、

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・語学力(異文化コミュニケーション)
・異国での経験(ガッツや行動力)
・希少性(日本の大学生よりは珍しい)
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一般論だとこんなところでしょうか。

これだけを見るといいことずくめのように見えたりします。たしかにウソではありません。しかし、マイナス面や留学していることが逆にデメリットになったりすることもあるのです。



■デメリットその1: 日本の常識にうとくなる

海外生活が長いと、知らず知らずのうちに物事を額面どおりに解釈してしまうクセがつきます。行間を読むとか、大人の解釈をすることを忘れてしまうのです。

・・と予防線を張った上でいうのですが、一時帰国してまず向かった地元の合同説明会。案内状の『気軽な服装でお越しください』という一文を間に受けた私はジーンズに白いシャツ(いちおう襟付き)で行き、大恥をかきました。

参加者は全員紺のリクルートスーツで気軽な雰囲気は1ミリもありません。(当然ですよね)
主催者のうそつき!と思いましたが、後の祭り。単に自分がバカでした。

※帰るのはもったいないので、周囲の突き刺さるような視線に耐えながらそのまま説明会に出席しました。



■デメリットその2: とにかく情報がない

1990年前半はネットも自前のPCもなかった時代。通信手段は郵便と電話だし、情報源は就職情報誌のみ。それに加え、留学生は日本に同級生や友人がいません。

さらに、大学の就職課や教授の推薦、アドバイスもありません。この「情報ゼロからのスタート」は、一昔前の留学生ならほぼ全員が経験していると思います。これ、けっこうビハインドです。



ぱっと見はなんとなく有利に見えるかもしれない留学生ですが、意外な部分での苦労があるのです。


これ以外にどんなデメリットがあるのか、それは次回に。


つづく



代表 中山順司
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