高校卒業直後にアメリカの全寮制高校に飛びこみ、文化、言語、価値観、人間関係、そして勉強で七転八倒しつつ適応していった、5年間の留学生活から学んだレッスンを、具体的エピソードを交えて紹介。

さほど面識のない外国人留学生を、年末年始の帰省に連れていく発想ができますか?

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3月からの留学生活も、気づけばクリスマス。本来ならワクワクする楽しい季節なのですが、私は頭を抱えていました。

というのも、クリスマス前から学校は冬休みに入り、年明けの再開までの約2週間、全校生徒は学校から退去せねばならなかったからです。アメリカ人生徒らは実家に帰り(たいてい他の州)、エチオピア人らは(アメリカで同様に暮らす)兄弟や親戚とクリスマスを過ごすことになっていましたが、アメリカに身寄りのない私は、行くアテがなかったからです。



こういうとき、学校は基本放置プレーです。「きみはどうするんだい?困っていたら助けてあげるよ」という声はかかりません。困っているならば、自分から相談するなり、アクションをするのが当たり前。ことアメリカでは、沈黙はバカなのです。


で、周囲に"困ったアピール"を11月下旬から続けた結果、休暇直前になって、50代のアメリカ人夫妻が救いの手をさしのべてくれました。(ここに通う生徒の両親で、数回食事に招かれた間柄)


「ジュンジよ、クリスマスの予定がないなら、我が家といっしょに過ごさないか?」


予定もへったくれもない私には願ってもいない提案です。二つ返事でありがたく受けさせていただきました。その方は会社を経営する社長さんで、広い庭と立派な邸宅に住むかなり裕福な方。2人の実の子以外にも、アメリカ生まれの韓国人の養子を2人育てている方です。同じ黄色人種が困っているのを知って、気の毒に思ってくれたのだと思います。



夫妻の実家のテキサスでは、ゴージャス極まりない休暇を過ごさせてもらいました。連日連夜の外食に、広々とした邸宅、快適な個室。私を気遣い、毎日のように観光とショッピングに連れ出してくれ、まさにVIP待遇。もちろん、私は一度も財布を開けることもなし。ほんの数週間前までは、行くあてもなくオロオロしていたことが、信じられませんでした。


内心、「積極的にアピールしておいてよかった!!」と思ったものです。



ところで、クリスマスはアメリカ人にとって日本の正月に匹敵するビッグイベントです。家族水入らずで自宅でゆっくり過ごすのが常識。こんな日に仕事をしたり、外出するなんていう発想はありえません。

みなさんならいかがでしょう?大して面識もない外国人留学生を、年末年始の帰省休暇に連れていこうという発想が出るでしょうか?長時間の高速道路の道中をおしゃべりし、三度三度の食事を共にし、実家の親戚に紹介して回り、まるで家族の一員のように親しく接し、何も見返りは求めない・・・いくら家が広かろうが、経済的に余裕があろうが、ふつうは出ない発想です。

にも関わらず、暖かく私を受け入れてくれた夫妻とその家族には、感謝の言葉もありませんでした。
(アメリカって異邦人にすごく親切にしてくれます。こういう経験は何度もありました)




さて、唯一の誤算はこの休暇が楽しすぎたことです。冬休みは集中してTOEFL対策の追い込みをかけるぞ!との目論見は、数々の誘惑の前にあっさり崩壊し、持参した参考書はついに一度も開けることがないまま・・・。はしゃぎすぎたこと後悔しましたが後の祭り。


TOEFL対策をしないまま数ヶ月たち、果たしてどれほど(TOEFLスコアに反映される形で)英語力がアップしているのか、テストしてみないとわからないのがつらいところ。日常生活を通じて英語力は確実にアップしていても、TOEFLスコアに反映されるかどうかは別問題です。



エチオピア留学生のアドバイスに従い、対策に費やす時間を意図的に大幅カットしたことが、吉と出るか凶と出るか。そんな恐怖を抱えつつ、最終学期がはじまりました。


つづく



代表 中山順司
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