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【図解】コレ1枚でわかる第3次AIブームとデータ流通量

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スクリーンショット 2019-03-04 6.37.50.png「我々は、1956年の夏の2ヶ月間、10人の人工知能研究者がニューハンプシャー州ハノーバーのダートマス大学に集まることを提案する。そこで、学習のあらゆる観点や知能の他の機能を正確に説明することで機械がそれらをシミュレートできるようにするための基本的研究を進める。機械が言語を使うことができるようにする方法の探究、機械上での抽象化と概念の形成、今は人間にしか解けない問題を機械で解くこと、機械が自分自身を改善する方法などの探究の試みがなされるだろう。我々は、注意深く選ばれた科学者のグループがひと夏集まれば、それらの問題のうちいくつかで大きな進展が得られると考えている。(McCarthy et al 1955)」

1956年7月から8月にかけて、人工知能という学術研究分野を確立したダートマス会議が開催され、その開催提案書の序文に書かれていた言葉だ。この提案書で、人類史上初めて「人工知能(Artificial Intelligence)」という用語が使われたとされている。

それからおよそ60年の歳月を経て、機械学習の進展やディープラーニングの登場と共に、人工知能の実用化が急速に進み、いま「第3次AIブーム」が到来している。

振り返れば、1956年のダートマス会議をきっかけとして、「第1次AIブーム」が到来し、「人間の知能を機械でシミュレーションできる」ようにするための様々な研究が行われた。1957年には、いま話題のディープラーニングの原型とも言われるユーラル・ネットワークが考案され、翌1958年にはそれを機械に実装したパーセプトロンが登場している。しかし、単純なゲームや迷路の探索程度以上の成果をあげることができず、このブームは終焉を迎えた。

その後、コンピュータは急速な発展を遂げる。ビジネス分野では、1951年、米・Remington Rand社がビジネス・コンピュータの先駆けとなるUNIVAC-Iの販売をきっかけとして、1964年、米・IBM社がビジネス・コンピュータの普及の原動力となったSystem/360を発表した。同年、米・DEC社は商業的にはじめて成功したといわれるミニコンピューターPDP-8を発売している。

1981年、米・IBM社が、当時需要を拡大していたパーソナル・コンピュータ分野にPersonal Computer 5150を投入、ビジネス分野での圧倒的地位を確立することになる。

コンピュータ性能の向上とその普及を背景に、人工知能研究に新たなブームが登場する。「第2次AIブーム」と呼ばれるこの時代、知識をルールや辞書として人間が記述し、それに基づいて知的処理と同等の結果を得ようという取り組みだ。「ルールベース」と言われるこのやり方は、やがて特定分野の専門家の知識を記述する「エキスパートシステム」として成果をあげることになる。しかし、ルールを記述するのは人間であり、世の中のあらゆる事象を記述することはできず、汎用性を持たせることはできないままにブームの終焉を迎える。

その後、コンピュータ性能は「ムーアの法則」に従うように急激な向上を果たす。また、1990年代に始まるインターネットや2007年のiPhoneの登場をきっかけとしたスマートフォンの普及により、データの流通量が爆発的に増大、これらを背景に「機械学習」の時代を迎えた。

2011年、米国の人気クイズ番組JeopardyにてIBM のWatsonがクイズ・チャンピオンに勝利し、2012年の画像認識のコンテストで、カナダ・トロント大学のチームがディープランニングで圧倒的な勝利を収めるなどの出来事が注目され、その後、実用面での応用が急速に拡大、いまの「第3次AIブーム」となった。

今後、IoTの普及によるデータ流通量のさらなる増大、「ムーアの法則」に支えられたコンピュータに変わる新たなテクノロジーの登場により、人工知能の新たな発展の可能性が模索されている。

ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA

LiBRA 2019/3月度版リリース====================

  • ITソリューション塾が2月より新しいシーズン(第30期)に入りました。それに伴い、下記プレゼンテーションを更新しました。
  • 動画セミナーの一部を新しい内容に更新しました。

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動画セミナー*会員限定*

  • 【改訂】サイバー・フィジカル・システムとデジタル・トランスフォーメーション
  • 【改訂】ソフトウエア化するインフラとクラウド・コンピューティング
  • 【改訂】IoT

総集編

【改訂】総集編 2019年3月版・最新の資料を反映しました。

ITソリューション塾・最新教材ライブラリー

*ITソリューション塾が2月より新しいシーズンに入りました。それに伴い、下記プレゼンテーションを更新しました。

  • 【改訂】サイバー・フィジカル・システムとデジタル・トランスフォーメーション
  • 【改訂】ソフトウエア化するインフラとクラウド・コンピューティング
  • 【改訂】IoT
  • 【改訂】AI

ビジネス戦略編

  • 【改訂】フィジカルとデジタル(2) p.4
  • 【改訂】デジタル・トランスフォーメーションを加速するサイクル p12
  • 【改訂】業務がITへITが業務へとシームレスに変換される状態 p.10
  • 【新規】差し迫るSI/SES事業の限界 p.24
  • 【新規】顧客価値とは何か p.195〜199
    • 事例:RPA導入における業務の流れ195
    • 提案と価値とは何か196
    • 提案が成功する3つの要件197
    • ソリューション営業は通用しない198
    • 「共創」ビジネスの本質199

*ノートに解説も合わせて掲載しています。

サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT

  • *変更はありません

サービス&アプリケーション・先進技術編/AI

  • 【新規】「情報」を意味する3つの英単語の違い p.4
  • 【更新】一般的なプログラムと機械学習を使ったプログラム p.22

クラウド・コンピューティング編

  • 【新規】クラウドによる新しいIT利用のカタチp.17
  • 【新規】クラウドへの移行を成功させるための7原則 p.100
  • 【新規】クラウドへの移行が難しい場合 p.102

サービス&アプリケーション・基本編

  • *変更はありません

サービス&アプリケーション・開発と運用編

  • *変更はありません

ITの歴史と最新のトレンド編

  • 【新規】依存集中型から自律分散型へ p.22

ITインフラとプラットフォーム編

  • 【新規】ソフトウェア化とはどういうことか (1) p.60
  • 【新規】ソフトウェア化とはどういうことか (2) p.61
  • 【改訂】「インフラのソフトウエア化」の意味・仮想化の役割 p.62

テクノロジー・トピックス編

  • *変更はありません

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