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【図解】コレ1枚でわかるモバイルとウェアラブル

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ここ数年、パソコンの出荷台数は減少する一方で、スマートフォンやタブレットなどのモバイル・デバイスが数を増やしている。加えて、時計やメガネの形をして身体に密着して使用するウェアラブル・デバイスも広く使われるようになった。

昔も電子手帳やPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯型デバイスはあったが、その能力は低く、ネットワークも「必要に応じて接続する」程度で、スケジュール管理やパソコン通信の端末として使われていた。一方、現在のモバイルやウェアラブルは、センサーやGPS、強力なプロセッサーを内蔵し、インターネットを介してクラウドと一体となって様々な機能を実現している。人間の行動や身体の状態をデータとして取得するIoTデバイスだ。

こんなデバイスが広く普及するきっかけは、2007年の初代iPhoneの登場だった。iPhoneは携帯電話を高機能にしたのではなく、パソコンを携帯サイズに小さくして、そこに電話のアプリを搭載したものと言えるだろう。さらに、常時携帯し、常時インターネットに接続して、クラウドと一体となってアプリケーション・サービスを提供するという新しい常識を生みだした。また、購入時の機能を追加したり変えたり出来ない従来の携帯電話とは違い、アプリを導入あるいはアップデートすれば、様々な機能を追加、拡張できる。

iPhoneの登場は、ヒトとITとの関係を一新した。ソーシャルメディアの爆発的普及、デジタル・ビジネスやシェアリング・エコノミーの拡がりなど、それまでにはなかった社会や経済の基盤が、iPhoneの登場をきっかけとして生まれたと言っても過言ではない。

2016年に登場した「ポケモンGO」は、そんなモバイルやウェアラブルの特徴を最大限に活かしている。このゲーム・アプリは、スマートフォンに搭載されたGPSやセンサーを駆使し、移動距離や身体の動きをリアルタイムで取得している。膨大な数のユーザーから集まるデータをクラウドで処理し、ゲームをすすめてゆく。また同じゲームをしている人たちとデータを共有・連係させ、ヒトとヒトのつながりをゲームに持ち込み、楽しさを演出している。またApple WatchやポケモンGO専用のウェアラブル・デバイスと連動させ、ゲームとの一体感を高め利用者の拡大を図っている。

また、アイテムの販売や国内外の店舗やファーストフード店に立ち寄らせる仕掛けを組み入れ、2016年から2018年かけて累計22億ドル(約2380億円)の売上を生みだしている。

GPSやセンサーの搭載、常時インターネット接続、常時携帯などの特徴はパソコンにはなく、ユーザー数も圧倒的に多いモバイル・デバイスを前提としたサービスを優先して提供する「モバイル・ファースト」やモバイル・ユーザーのみを対象としてサービスを提供する「モバイル・オンリー」は、もはや大きな潮流となっている。

このようなモバイルやウェアラブルを支える技術として、アプリケーションを開発・実行する環境も変わりつつある。

1980年代に登場したパソコンは、ネットワークに接続することもなく、文書作成や表作成、経理処理などのオフィス事務をこなす道具として使われていた。やがてLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)が登場し、パソコン同士あるいはサーバーやメインフレームと言われる大型コンピュータとつながるようになった。そして、その端末として、あるいはデータを共有し、コミュニケーションやグループ・ワークを支援するアプリケーションを活用するなど利用範囲も拡大、価格の劇的な低下とあいまってユーザー数も増えていった。その結果、企業は膨大な数のパソコンを抱え、その維持管理にも多大な負担を強いられるようになった。

特にパソコンとサーバーの双方に導入されたプログラムが連係して業務を処理するクライアント・サーバー方式が普及するようになると、この問題は深刻さを増す。

それ以前は、回線速度が遅いため、文字だけの画面を表示するディスプレイ・デバイスを使うのが一般的だった。しかし、それでは表現力が乏しく使い勝手が悪いので、パソコンの処理能力で、データの加工編集や画面レイアウトを処理し、必要最低限のデータだけをネットワークに流すことで、ユーザーの使い勝手を向上させようという使い方が登場した。これが、「クライアント・サーバー方式」だ。

しかし、全てのパソコンにサーバー・アプリケーションに対応するプログラムを導入しなくてはならない。また、バージョンアップや修正対応なども全てのパソコンでおこなわなくてはならず、その運用管理の手間は、大きな負担となっていた。

1995年、Windows95が発売されWebブラウザが付属するようになる。どのパソコンにも搭載しているWebブラウザからアプリケーション利用すれば、個別にプログラムを入れなくても表現力と使い勝手を向上させることができるとの思惑からWebシステムが登場する。しかし、初期のWebブラウザの表現力には限界もあり、Flashなどのプラグインでそれを補う方法で使われていた。

その後、インターネットやクラウドの普及、回線速度の高速化、モバイル・デバイスの登場など、周辺環境が変化する中、Webブラウザにも時代に合った対応が求められるようになる。例えば、プラグインを使わずに動画や音声を扱い、モバイル・デバイスのセンサーに直接アクセスできるなど、次代のアプリケーション実行環境としてWebブラウザを使うために、JavaScriptやHTML5といった新たなアプリケーション開発・実行環境が普及していった。

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