オルタナティブ・ブログ > ITソリューション塾 >

最新ITトレンドとビジネス戦略をわかりやすくお伝えします!

【図解】コレ1枚でわかるIntelとARM

»

スクリーンショット 2019-01-28 6.53.03.png

パソコンの心臓部ともいえるプロセッサ(CPU)には、米Intel(インテル)社製のものが使われてきた。これに対して、スマートフォンやタブレットでは、そのほとんどが、英ARM (アーム) 社が設計したCPUを搭載している。スマートフォンやタブレットが、パソコンを遥かに凌ぐ勢いで販売されている昨今、ARMのCPUもそのシェアを拡大している。

しかし、一般にはARMという名前は知られていない。それは、ARM社は自社で半導体工場を持たないファブレス企業だからだ。彼らは、CPUを設計し、その設計情報を世界中の企業にライセンス提供している。それを購入した企業は、そこに自社独自の機能を付け加えて製造する。

Apple社は、iPhoneやiPadに、携帯電話として必要な通信機能やグラフィックス処理機能、AI(機械学習)機能などを独自に追加したプロセッサ(Aシリーズ)を使っているし、Qualcomm社もまた同様の機能を独自に付加した製品(Snapdragon)を作り販売し、Androidスマートフォンでは独占的なシェアを確保している。このように、CPUも含めて必要な複数の機能を別々の部品にするのではなく、1つのチップにまとめることで、機器内の消費電力や専有面積を減らすことを目指したものをSoC(System on Chip)と読んでいる。ARMのCPUはこのようなSoCには欠かせない存在となっている。

ARMのプロセッサの特徴は、省電力であること、その割に処理能力が高いこと、そして前述のように、独自の機能を拡張可能であることだ。この特徴により、これまでスマートフォンなどで採用されてきたが、今後は消費電力の増大が問題視されているクラウド向けのデータセンターでの採用も進むと考えられている。また、小型化・低消費電力が求められるIoTの分野でも、ARMは攻勢を強めている。既にARMのプロセッサは、携帯電話やスマートフォンやタブレットのほぼ全て、家電などの組み込み機器の多くに採用されている。

これまで高性能なCPUを中心に開発してきたインテルは、以前から小型・省電力の市場を狙ってAtomというCPUを開発していたが、スマホやタブレットの分野では苦戦、さらに小型のコンピューターEdisonを発表し、今後大きな成長が期待されるIoT分野でARMに対抗すべく攻勢をかけたが、ARMのポジジョンを崩すことができなかった。そのため、現在はこの分野から撤退し、ARMと協業し自社の工場でARMを組み込んだ製品を製造することを表明している。

今後、IoTの普及とともに多くのモノにCPUや通信機能が組み込まれようとしているが、この需要に応える低消費電力・小型・高性能なCPUの需要は、益々拡大すると予想されている。このようなニーズは、データセンターに設置するサーバーやデスクトップPCにもある。さらには、AI機能がCPUに求められるようになっている。IntelもARMも、そのための機能強化をすすめており、両者の競合は広範囲に及ぶことになるだろう。

ちなみにARMは2016年、ソフトバンクによって3.3兆円で買収されている。

ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA

LiBRA 2019/1月度版リリース====================

  • VeriSMについてのプレゼンテーションを追加しました。
  • 「動画セミナー」に、ITソリューション塾・第29期・最終講義「これからのビジネス戦略」を追加、全11講義をご覧頂けるようにしました。
  • ITソリューション塾・講義資料を最新の第29期に置き換えました。

=======================================
動画セミナー*会員限定*
【新規】これからのビジネス戦略(これを含め全11講義を収録)

総集編
【改訂】総集編 2019年1月版・最新の資料を反映しました。

ビジネス戦略編
【改訂】デジタル・トランスフォーメーションの定義 p.5
【改訂】デジタル・トランスフォーメーションを加速するサイクル p.8
【新規】デジタル・トランスフォーメーションの実現とは p.9
【新規】VeriSMとは何か p.24
【新規】VeriSMモデル p.25
【新規】ガバナンスとサービスマネージメント原則の関係 p.26
【新規】マネージメント・メッシュとは p.27
【新規】VeriSMのサービスサイクル p.28
【新規】これからの「ITビジネス成功の方程式」 p.61
【新規】アウトサイド戦略とインサイド戦略 p.105
【新規】失敗するPoCと成功するPoCの違い p.113
【新規】PoCを成功させるための3つのこと p.114

人材開発編
【新規】進化する営業 p.42
【改訂】「求められる人材」以下の内容を一部変更し全体をリニューアルしました。 p.11〜49

サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT
【新規】これからのビジネスの方向 p.41

サービス&アプリケーション・先進技術編/AI
【新規】機械と人間の役割分担 p.20
【改訂】産業発展の歴史から見る人工知能の位置付け p.53
【新規】ミッシング・ミドル(失われた中間領域)p.103
クラウド・コンピューティング編
【新規】クラウド移行の方向p.99

サービス&アプリケーション・開発と運用編
【新規】これからの「ITビジネス成功の方程式」 p.6

ITの歴史と最新のトレンド編
【新規】トレンドの構造 p.3

以下は、変更はありません

  • サービス&アプリケーション・基本編
  • ITインフラとプラットフォーム編
  • テクノロジー・トピックス編
  • ブロックチェーン
  • 量子コンピュータ

Comment(0)