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デジタル・トランスフォーメーションとこれからの営業 4/5

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今週のブログで「営業がいらない時代」になることを解説したが、このブログでは、その背景を「デジタル・トランスフォーメーション」という視点から、5回の連載で掘り下げてみようと思う。その4回目。

【参考】「営業がいらない時代」がやってきた

【連載】

ITの役割が「支援」から「本業」へとシフトする

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未だ多くの企業は、デジタル・トランスフォーメーションの第2フェーズ以前に留まっている。この段階までは、本業を遂行するのは人間であり、ITは人間の役割を担う本業を支援するための存在で、生産性の向上、コストの削減、納期の短縮に貢献するための道具として使われている。そのため「ITは本業ではない」、あるいは「ITはコアコンピタンスではない」とされ、少しでもコストを抑えようというモチベーションが働いてしまう。情報システム部門の事業方針に「ITコストを削減すること」が掲げられるのは、そんな背景があるからだ。

ITは本業ではないのだから、社内にITスキルを蓄積する必要はない。少しでもコストを下げることが求められ、その手段のひとつとして、SI事業者への外注がおこなわれてきた。昨今のクラウドへの期待も、そんなコスト削減をさらに推し進めようとする延長線上にあると言えるだろう。

しかし、デジタル・トランスフォーメーションの第3フェーズへシフトしようとすれば、ITは、技術開発や製品開発と同様に、企業の競争力を生みだす源泉となり、売上や利益を上げるための勝負所となる。ITは本業そのものとなり、コアコンピタンスとして意識されるようになる。

企業は生き残りと成長を維持するためにITを含むデジタル・テクノロジーを自ら使いこなし、ITを前提とした事業展開をすすめてゆこうとする。Amazonはまさにその最先端を突き進んでいると言えるだろう。

そうなれば、ITに関わるスキルを自分たちの事業資産として蓄積してゆかなければならず、システムの選定や構築、その運用を「内製化」することは、もはや前提と見做されるようになる。

本業であるITは事業投資であり、投資対効果で評価される。事業の成果に貢献するのであれば、投資金額はそれに見合ったものとなる。もちろん、ミニマム・スタートや少しで投資額を抑制したいという想いは働くだろうが、「コスト」のようにはじめから削減ありきではない。事業としての成果が明らかであり、それが継続されるのであれば、必要な投資として増額されてゆくだろう。

「支援のIT」はコストであり、少しでも削減することが期待される。そのためには自動化やアウトソーシングの範囲を拡げてゆかなければならない。クラウドの利用もそんな延長線上で捉えられていることが多い。この一方、「本業としてのIT」は投資であり、投資対効果を大きくすることが期待される。そのためには、開発と運用は現場のニーズに即応できなくてはならない。つまり、アプリケーションのロジックを高速で開発し、本番環境で直ちに利用できることが必要だ。アジャイル開発やDevOps、サーバーレスやマイクロサービスは、こんな文脈から捉える必要があるだろう。

「支援のIT」は情報システム部門が、「本業としてのIT」は事業部門が、それぞれに予算と意志決定の責任を担う。営業はこの違いを理解し、案件をバランスさせる必要がある。つまり、「支援のIT」でコストの削減を図り、それを「本業としてのIT」に振り向けることや、「本業としてのIT」に関わる新しい取り組みを事業部門に提案し、ビジネス・チャンスの拡大をはかるなど、担当するお客様全体を見据えた戦略が必要となる。

*** 明日に続く

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【新規】「良き相談相手」とは p.16
【新規】お客様の幸せを支える p.17
【新規】スキルの再定義 p.18
【新規】学び続ける大切さ、それを支える学びの力 p.19
【新規】時間を作る p.20

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【新規】人工知能の2つの方向性 p.10
【新規】「人工知能」と言われるものの4つのレベル p.12
【新規】各時代のAI(人工知能)と呼ばれるもの p.13
【新規】機械学習がやっていること 1/2 p.14
【新規】機械学習がやっていること 2/2 p.15
【新規】ルールを作るとはどういうことか p.16
【新規】機械学習でできる3つのこと p.17
【更新】AIと人間の役割 p.18
【新規】機械学習の仕組み/学習が不十分な状態 p.56
【新規】機械学習の仕組み/学習が十分な状態 p.57
【新規】ニューラル・ネットワークの仕組み p.65
【新規】どんな計算をしているのか p.66
【新規】A12 Bionic p.150

サービス&アプリケーション・基本編
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サービス&アプリケーション・開発と運用編
【新規】なぜ、サーバーレスなのか p.68

ITインフラとプラットフォーム編
【新規】「インフラのソフトウェア化」の意味・仮想化の役割 p.60
【更新】仮想化の役割 1/2 p.61
【更新】仮想化の役割 2/2 p.62
【更新】Infrastructure as Code p.79

クラウド・コンピューティング編
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