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デジタル・トランスフォーメーションとこれからの営業 2/5

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今週のブログで「営業がいらない時代」になることを解説したが、このブログでは、その背景を「デジタル・トランスフォーメーション」という視点から、5回の連載で掘り下げてみようと思う。その2回目。

【参考】「営業がいらない時代」がやってきた

【連載】

(1)デジタル・トランスフォーメーションの3つのフェーズ

競争環境の変化とデジタル・トランスフォーメーション

デジタル・トランスフォーメーションの「第3フェーズ」とは、AIやIoTを使って新しいビジネスをはじめることではない。伝統的なこれまでの経営や業務の在り方を根本的に見直し、デジタル・テクノロジーを駆使して変革することだ。

米コロンビア大学ビジネススクール教授、リタ・マグレイスは、自著「The End of Competitive Advantage(邦訳:競争優位の終焉)」中で、ビジネスにおける2つの基本的な想定が、大きく変わってしまったと論じている。

ひとつは「業界という枠組みが存在する」ということ。業界は変化の少ない競争要因に支配されており、それを深く学習し動向を見極め、それに応じて適切な戦略を構築できれば、長期安定的なビジネス・モデルを描けるという考え方がかつての常識だった。業界が囲い込む市場はある程度予測可能であり、それに基づき5年計画を立案すれば、修正はあるにしても、計画を遂行できると考えられてきた。

もうひとつは、「一旦確立された競争優位は継続する」というもの。ある業界で確固たる地位を築けば、業績は維持される。企業は確立した競争優位性を中心に据えて従業員を育て、それに長けた人材を組織に配置すれば良かった。ひとつの優位性が持続する世界では当然ながらその枠組みの中で、仕事の効率を上げ、コストを削る一方で、既存の優位性を維持できる人材が昇進する。このような観点から人材を振り向ける事業構造は好業績をもたらした。この優位性を中心に置いて、組織や業務プロセスを常に最適化すれば事業の成長と持続は保証されていた。

この2つの基本想定がもはや成り立たなくなってしまったというのだ。事実、業界を越えた異業種の企業が業界の競争原理を破壊している。例えば、Uberはタクシーやレンタカー業界を破壊してしまったし、airbnbはホテルや旅館業界を破壊しつつある。Netflixはレンタル・ビデオ業界を破壊してしまた。それもあっという間の出来事だった。

「市場の変化に合わせて。戦略を動かし続ける」

そうしなければ、企業のもつ競争優位性が、あっという間に消えてしまうこのような市場の特性を「ハイパーコンペティション」として紹介している。いまビジネスは、このような状況に置かれている。

デジタル・トランスフォーメーションは、このようなビジネス環境の変化に対処するために実現しなければならない「あるべき姿」として注目されている。

デジタル・トランスフォーメーションで何が変わるのか

IT(デジタル・テクノロジー)を駆使して、現場のニーズにジャスト・イン・タイムでビジネス・サービスを提供できる、組織や体制、ビジネス・プロセス、製品やサービスを実現する

デジタル・トランスフォーメーションを実現する取り組みをこのように表現することもできるだろう。例えば、お客様や店舗、営業や工場など、ビジネスの現場は時々刻々動いている。その変化をデータで捉え、現場が"いま"必要とする最適なサービスを即座に提供できれば、ビジネスの成果に結びつく。ビジネス環境がめまぐるしく変化するいまの世の中で、企業として生き残り、成長を持続させるためには、こんな仕組みが求められている。

業務手順を変えればいいとか、ITを使って迅速な業務処理ができればいいというレベルで実現できるものではない。組織の役割や機能にも及び、組織体制も変わらなくてはならない。ビジネス・プロセスや業績評価基準も変えなくてはならない。また、製品やサービスのあり方、つまり収益のあげ方やお客様に提供する価値の中身、つまりは事業目的も変えなくてはならないだろう。

これまでの常識が根本的に変わる。人間の役割も求められるスキルや能力も変わる。そんな変革がデジタル・トランスフォーメーションだ。

*** 明日に続く

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【新規】業務がITへITが業務へシームレスに変換される状態  p.27
【新規】デジタル・トランスフォーメーションのビジネス・サイクル p.28
【新規】デジタル・トランスフォーメーションのBefore/After p.29
【新規】情報システムの役割 p.38
【新規】異なるビジネス p.39

人材開発編
【新規】一緒に仕事をしたいITベンダー・SI事業者 p.13
【新規】伝えるべきこと p.14
【新規】求められる対応力 p.15
【新規】「良き相談相手」とは p.16
【新規】お客様の幸せを支える p.17
【新規】スキルの再定義 p.18
【新規】学び続ける大切さ、それを支える学びの力 p.19
【新規】時間を作る p.20

サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT
【新規】これからのビジネスの方向 p.41
【新規】テクノロジーの進化が求めるモノのサービス化 p.43

サービス&アプリケーション・先進技術編/AI
【新規】人工知能の2つの方向性 p.10
【新規】「人工知能」と言われるものの4つのレベル p.12
【新規】各時代のAI(人工知能)と呼ばれるもの p.13
【新規】機械学習がやっていること 1/2 p.14
【新規】機械学習がやっていること 2/2 p.15
【新規】ルールを作るとはどういうことか p.16
【新規】機械学習でできる3つのこと p.17
【更新】AIと人間の役割 p.18
【新規】機械学習の仕組み/学習が不十分な状態 p.56
【新規】機械学習の仕組み/学習が十分な状態 p.57
【新規】ニューラル・ネットワークの仕組み p.65
【新規】どんな計算をしているのか p.66
【新規】A12 Bionic p.150

サービス&アプリケーション・基本編
*変更はありません

サービス&アプリケーション・開発と運用編
【新規】なぜ、サーバーレスなのか p.68

ITインフラとプラットフォーム編
【新規】「インフラのソフトウェア化」の意味・仮想化の役割 p.60
【更新】仮想化の役割 1/2 p.61
【更新】仮想化の役割 2/2 p.62
【更新】Infrastructure as Code p.79

クラウド・コンピューティング編
*変更はありません。

テクノロジー・トピックス編
*変更はありません。

ITの歴史と最新のトレンド編
*変更ありません

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