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講義で集中力を持続させる方法

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「ここの社員には緊張感がない、集中力に欠けている。」

ある研修でそんな忠告を受けた。しかし、それは多分に講師の責任ではないかと思っている。講師8割、生徒2割といったところではないか。つまらない講義だから眠くなり、集中力が持たないのは当然のことだ。

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この方の講義を少しだけ拝見したが、資料は汚いし、難しい言葉をぼそぼそ声で蕩々と語っていた。しかも話し方が偉そうだ。俺様はモノを知っているが、お前たちは知らないのだから、教えてやっているのだぁ〜!と言わんばかりの高圧的な雰囲気で笑顔の片鱗もない。それでいて居眠りしているとか、集中力がないとか文句を言う。いやはや困ったものだと思う。

では、とうすれば受講者を講義に集中させることができるのだろう。

まずはなんといっても講義のストーリーと内容だ。

  • 受講者に「なぜ?」や「どうして?」と疑問を持たせ、彼らの期待を膨らませ、そり先の話をはやく聞かせてくれと思わせる展開を仕込んでおく。
  • 適切な例え話を使う。受講者の所属する会社や業界、年代や流行に関わる話題、地域の話題やニュースなど、身近な例えを使いながら、関心を持たせる。
  • 受講者にとって痛い話し、それだけは言ってくれるなとチクリとする話し、日頃から不満を感じていて、よくぞ言ってくれましたとニヤリと喝采する話しで、受講者の心をザワザワさせる。

そんな展開を折り込んだストーリーを組み立てる。また、内容についてもしっかりと吟味する。

  • この講義で達成したいゴールにふさわしい内容となっているか。
  • 分かりやすい説明になっているか。こちらは分かったつもりで自己満足に酔いしれた内容になっていないか。
  • 内容は新しいか。もちろん昔に作った資料をつかってもいいが、いまの時代にも通用する新しさを持っているか。テクノロジーやビジネス、統計などについては、常に最新であるかどうかは十分に吟味する必要がある。

もちろん見た目の美しさは大切だが、わかりやすくしようと思うと、それなりに美しくなる。美しくするための技巧にこだわるよりは、内容を磨くことをおすすめする。

次に講義の演出だ。かっこよく言えば、「インストラクション・デザイン」ということになるだろう。私が、よく使うテクニックをいくつかご紹介しよう。

  • 事前課題をおこなってもらう。検索するだけは分からない、自分で考えなければ答えられない設問にする。それを箇条書きや単語の羅列ではなく、筋の通った文章で答えるように指示する。文章にするのは「ロジック」の大切さに気付いてもらうためだ。このような課題を事前におこなうことで、自分が「知らない」ことに気付くことができる。そうすれば、講義への主体性が芽生え、行ってこいと言われていやいや参加する他人事の講義から、自分事に変えることが期待できる。
  • 講義の冒頭で、今日は何を知りたいか、何を聞きたいかを挙げてもらい、ホワイトボードに書き出す。その場で答えるのではなく、講義の中で答えることを告げ、講義の最後に説明したかどうかを確認し、話していなければ説明する。
  • 「何か質問はありませんか?」はという問いかけは、講師の怠慢だ。これについてはどう考えるか、どう思うかを問うといいだろう。また、「質問を考えるグループディスカッション」を随時設けている。受講者全員に立ってもらい、前後4人ほどで立ったまま5分ほど、講師への質問を議論してもらう。立ったまま話すことで、右脳が活性化され、講義を聴くことで使っていた左脳を休ませることができる。
  • 対話しながら講義する。質問をするとか議論するとかではなく、メモをしっかりとっているか、うなずいているか、上の空になっていないか、疲れていないか、関心があるかなど、受講者の表情や反応に合わせ、話しの展開、強弱や緩急を切り替える。
  • こまめな休憩をとる。原則1時間を目安とする。1時間経ったら休憩を取る。午後にかかるときは様子を見ながら30-40分程度で5分程度の休憩をはさむこともある。
  • 大声で話す。うるさくて眠れない。

とまあ、こんなところだろうか。

毎回受講者は違うし、環境も違う。受講者の関心や知識のレベルも違う。その時々の状況に適応できてこそ、集中力を絶やさないための大原則だ。新しいアイデアが浮かんだら試してみることも大切だ。日々精進である。

ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA

LiBRA 9月度版リリース====================
RPAのプレゼンテーションを作りました。(ITソリューション塾の最後にむに掲載)
他にもいくつかのプレゼンテーション・パッケージを新規追加・更新致しました。
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プレゼンテーション・パッケージ
【新規】RPAについてのプレゼンテーション(25ページ)
【更新】新入社員のための最新ITトレンドとこれからのビジネス(187ページ)
【更新】ビジネスリーダーのためのデジタル戦略塾・最新のITトレンド(203ページ)
【更新】フィン・テックとブロックチェーン (40ページ) *テクノロジー・トピックスより分離

ビジネス戦略編
【更新】デジタル・トランスフォーメーションの実際 p.16
【新規】デジタル・ディスラプターの創出する新しい価値 p.17
【更新】もし、変わることができなければ p.18
*人材開発・育成編をビジネス戦略編より分離し、新しくパッケージし直しました。

ITの歴史と最新のトレンド編
【新規】人類の進化と知識 p.12
【新規】自然科学発展の歴史 p.13

サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT
【新規】インターネットに接続されるデバイス数の推移 p.10
【新規】新規事業の選択肢とモノのサービス化 p.44
【新規】IoTのビジネス戦略 p.47
【更新】LPWAネットワークの位置付け p.72

サービス&アプリケーション・先進技術編/AI
【新規】AI導入/データの戦略的活用における3つの課題

開発と運用編
【更新】DevOpsとコンテナ管理ソフトウエア p.57
【新規】開発と運用の方向性 p.58

テクノロジー・トピックス編
*変更はありません。ただし、FinTechとブロックチェーについては、別資料としてまとめました。

ITインフラとプラットフォーム編
【更新】仮想化の役割 p.70
【新規】仮想化の役割/解説 p.71

サービス&アプリケーション・基本編
*変更はありません

クラウド・コンピューティング編
*変更はありません

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