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提案のためのインタビューとは「こちらの正解」を相手にぶつけること

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「まだ、十分にインタビューができていないので、あらためて話しを聞いてきます。」

営業コーチングで、彼の提案内容があまりにもスカスカなので、いろいろと指摘をしたところ、こんな返事が返ってきた。

「そうですね、もう少ししっかりと話しを聞いてきた方がいいですね。ところで、どのような準備をされますか?」

彼は、"?"とした顔をし、少し考えて次のように答えた。

「いま指摘していただいたことを質問してみようと思います。」

私は次のように聞き返した。

「私の指摘したポイントは、私が気付いたことだけです。お客様から聞き出せていないことは他にもいろいろとあるんじゃないでしょうか。そもそも、お客様自身が課題を整理できていない、あるいは気付いていないこともあるはずですよね。そういうところまで聞き出さなくては、また同じことを繰り返しますよ。」

彼は困惑した顔をし、沈黙が場を凍らせた。私は、この空気を壊そうとこんな話をした。

「あなたが、いろいろと質問されて、さぁこれに答えてくれと言われたら、あなたはどんな気持ちになりますか?きっと、面倒だなぁと思うでしょう。できるだけさっさと終わらせようと、おざなりな回答しかしないかもしれません。それで、いろいろな話しをお客様から引き出すのは無理だと思いませんか。むしろ、積極的に相手に話させるように仕向けなければ、十分な情報は得られません。どうすればいいでしょうか?」

ますます困ってしまったようだ。私は、さらに続けた。

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「あなたの正解をぶつけてみてはどうですか?」

彼は、キョトンとした顔で私を見ている。

「これまで何度もお客様に話しを聞いているのですから、まったく知らないわけじゃありません。だったら、分からないことはあなたが勝手に想像し、あなたなりの完璧な正解、つまり"理想の提案"をこちらが作って、お客様にこれではどうかと聞いてみてはどうでしょう。」

彼にはまだピントこないようだった。

「あなたの正解をお客様にぶつけ、お客様が考えていることとどう違うのかを教えてもらうのです。いわば、だめ出しをしてもらうわけです。また、あなたの正解を知ることで、お客様が曖昧なまま整理できずにいたことが整理できたり、気付いてなかったことに気付いたりするかもしれません。"あっ、そうか!"をお客様に体験させるんです。そうすれば、お客様はその気付きをいろいろと話してくれます。さらに出てきた話に対して"ということは、こういうことですか?"と言い換えて言葉を整理し、"なぜ、そうなのですか?"と因果関係や背景にある理由を聞いて核心に迫ってゆくことです。」

「そういう気付きを与えてくれる会話は、お客様にも役立ちますから貴方に会うことを楽しみにしてくれるようになります。それは信頼につながりますから、"こんな話し聞いちゃっていいんですか?"といったことまで話をしてくれるかもしれません。」

「そうやって得られた情報を使って、あなたの正解をアップデートし、それをお客様にぶつける。これを繰り返して、お客様も納得してもらえる正解を完成させてゆくことです。それが提案活動です。」

彼は"なるほど!"という顔を見せたが、そう簡単にできることではないということにも気付いたようだ。

「とにかくやってみてください。最初から100点満点の正解なんてありません。むしろ、70点〜80点くらいの正解を持って行って、お客様に沢山のだめ出しをもらうことです。そのだめ出しこそが、提案書を完成させるための大切な情報になるんですよ。」

ガンバレ、若者!

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2月14日(水)よりスタートする次期「ITソリューション塾・第27期」の受付を開始致しました。

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日程 2018年2月14日(水)~4月25日(水) 18:30~20:30
回数 全11回
定員 80名
会場 アシスト本社/東京・市ヶ谷
料金 ¥90,000- (税込み¥97,200) 全期間の参加費と資料・教材を含む
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【お願い】早期に定員を超えると思われますので、まだ最終のご決定や参加者が確定していない場合でも、ご意向があれば、まずはメールにてご一報ください。優先的に参加枠を確保させて頂きます。
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第27期は、これまでの内容を一部変更し、AIやIoTなどのITの最新トレンドについての解説と共に、そんなテクノロジーを武器にして、どうやって稼げばいいのかについて、これまで以上に踏み込んで考えてゆこうと思います。また、働き方改革やこれからのビジネス戦略についても、皆さんに考えて頂こうと思っています。

SI事業者の皆さんには、これからのビジネス戦略やお客様への魅力的な提案を考える材料を提供します。
情報システム部門の皆さんには、自分たちのこれからの役割やどのようなスキルを磨いてゆく必要があるのかを考えるきっかけをご提供します。

講義で使用する500ページを超える最新のプレゼンテーションは、オリジナルのままロイヤリティ・フリーで提供させて頂きます。お客様への提案、社内の企画資料、イベントでの解説資料、勉強会や研修の教材として、どうぞ自由に活用してください。

古い常識をそのままにお客様の良き相談相手にはなれません。
「知っているつもりの知識」から「実践で使える知識」に変えてゆく。そんなお手伝いをしたいと思っています。

ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA

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2017年12月版・改訂/追加リリース

最新版【12月版】を更改しました

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・量子コンピュータのプレゼンテーションを追加しました。
・各チャートの解説文を大幅に追加・改訂しました。
・デジタル・トランスフォーメーションについて追加・改訂しました。
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サンプル:量子コンピュータ

ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRAよりロイヤリティフリーにてダウンロードできます。ほかにも、3000ページほどのプレゼンテーションやドキュメントがロイヤリティフリーでダウンロード(パワーポイント形式、ワード形式、エクセル形式)できます。

今月度の追加・更新の詳細は以下の通りです。

ビジネス戦略
【改訂】デジタル・トランスフォーメーションの意味 p.5
【新規】デジタル・トランスフォーメーション実践のステップ p.11
【新規】デジタル・トランスフォーメーションとは p.12
【新規】SIビジネスのデジタル・トランスフォーメーション p.13
【改訂】SIビジネスの変革を牽引するトレンド p.16
【新規】収益を生みだすビジネス構造 p.17
【新規】働く現場で何が起こっているのか? P.33
【新規】SI事業者の「働き方改革」 p.34
【新規】「働き方改革」で何を目指すのか p.35

開発と運用
【改訂・解説文】情報システムにもとめられる品質 p.5
【改訂・解説文】これからの開発と運用 解説文の改訂 p.6
【改訂・解説文】開発と運用の関係や役割を変革するDevOps p.25
【改訂・解説文】コンテナとDevOpsの関係 p.36
【改訂・解説文】コマイクロサービス p.38
【改訂・解説文】イベント・ドリブンとコレオグラフィ p.39
【改訂・解説文】超高速開発ツール p.41
【改訂・解説文】コレ1枚でわかるFaaS  p.42
【改訂・解説文】これからのITとITビジネス p.48
【改訂・解説文】SRE(Site Reliability Engineer) p.49
【改訂・解説文】APIエコノミー p.51

インフラとプラットフォーム
【改訂・解説文】サーバー仮想化とコンテナ p.95
【改訂・解説文】デスクトップ仮想化とアプリケーション仮想化 p.97
【改訂・解説文】ストレージの仮想化 p.102
【改訂・解説文】SDNとNFV p.103
【改訂・解説文】SD-WAN p.104
【改訂・解説文】サーバー仮想化の3つのメリット p.106
【改訂・解説文】コンバージド・システムとハイパーコンバージド・システム p.135
【改訂】ストレージ性能の推移/1台当たりの容量 p.214
【新規】インフラでの重複排除/圧縮 p.220

テクノロジー・トピックス
【改訂・解説文】「ムーアの法則」と「メトカーフの法則」 p.5
【改訂】VRとARとMR (MRを追加、チャートと文言を改訂) p.14
【新規】従来の方法(集中台帳)とブロックチェーン(分散台帳) p.37
【新規】「量子コンピュータ」についての新章を追加 p.66〜79
  量子コンピュータの必要性
  これまでの古典コンピュータで解けない問題
  循環セールスマン問題(組み合わせ最適化)
  量子コンピュータとは何か
  量子力学
  量子コンピュータの適用分野
  BitとQubit
  量子コンピュータが高速で計算できる理由
  量子コンピュータの種類
  量子コンピュータの現状
  自然現象を借用したアルゴリズム
  量子イジングマシンとスパコン
  D-Waveの計算原理

ITの歴史と最新のトレンド
*追加・変更はありません

サービス&アプリケーション・先進技術編/人工知能
*追加・変更はありません

サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT
*追加・変更はありません

サービス&アプリケーション・基本
*追加・変更はありません

クラウド・コンピューティング
*追加・変更はありません

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