最新ITトレンドとビジネス戦略をわかりやすくお伝えします!

新入社員たちは未熟ではあるがバカではない。そんな彼らに任せてみよう。

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「新入社員のための最新ITトレンド1日研修」が修了した。

東京で2回、大阪で1回の計3回の開催で、150名ほどの新入社員が集まった。

やはりそうだった。情報システムの基礎は新入社員研修で学んだというが、それで終わりである。クラウドや仮想化さえも「言葉を聞いた」程度に留まっており、ましてやIoTやAIは巷の噂話程度、アジャイル開発やDevOpsなどという言葉など聞いたこともないとういう。

「クラウドについて説明してくれませんか?」と訊ねてみた。すると、「雲のようなモノで、もやもやっとしていて、パソコンから使えて、自分のパソコンにプログラムを入れなくてもいい・・・」といった答えが返ってくる。

「仮想化ってなんですか?」とも尋ねてみた。すると、「サーバーを分割して・・・」といった答えであり、本来の意味も知らないし、なぜ仮想化なのかといった本質が説明できるものはいない。

一方で、現場配属となり、先輩に同行すれば、仮想化は当然だが、クラウドやIoTといった言葉が普通に交わされているという。「聞いたかもしれない」言葉を、それが何かが分からないままに、打ち合わせや会議に出ているのは不安であり、苦痛であるという。

もちろん、全てをきれいに説明できるほどのことを新入社員に期待することは無理だが、せめて「何を言っているのか」や「何のために」程度には常識を持たせる必要があるだろう。

多くのIT企業の新入社員研修は、その点が片手落ちである。40年前から変わらない基礎は教えても、いまの現実は教えない。現実については、自分で勉強しろ、あるいは配属先で教えてもらえてとなっている。いうなれば、竹槍を持って前線に送り出し、本当に闘うための武器は自分で調達しろと言うことだ。では、先輩教えられるのかとなると、これもなかなか厳しいものがある。

結局は、現場で言葉だけは耳に入ってくるので「知っているつもり」にはなれる。しかし、正しい意味も価値も曖昧なままなので、お客様ともまともな会話ができないし、ましてや提案なんて、まともにできるはずはない。それで「ソリューション提案力の強化が必要だ」だなどと言っても、ソリューションなど思い浮かべることすらできない。

IoTやAI、アジャイル開発やDevOpsなんて、うちの仕事には関係ないから必要ないという人もいるかもしれないが、そんな非常識ではテクノロジーのビジネスに関わる資格はない。これらの言葉はITトレンドを構成する要素であり、お互いがそれぞれに役割を担いながら、ひとつの大きな仕組みを築いている。ひとつひとつの言葉を辞書のように理解しようとすれば、必ずしも自分たちの仕事に直接結びつかないものもあるだろう。しかし、テクノロジーのトレンドは、その大きな仕組みとして時代の流れを作り、ビジネスの有り様を変えてゆく。その本質を理解しようとするならば、ひとつひとつのテクノロジーが直接のビジネスに関わる、関わらないに関係なく、正しく理解しておくことが大切だ。残念なことに、このことに気付いていない人が少なくないようだ。

ガートナーは先日発表した今年のハイプサイクルの中で、 AI everywhere(何処にでもAI)の時代の到来を指摘している。つまり、Internet everywhereであり、Database everywhereのように、ビジネスやシステムのあらゆるところに自然に溶け込むようにAIが使われるようになってきたというわけだ。

インターネットやデータベースが分からないでシステムの開発や構築ができないと同じように、AIが分からなければ、仕事にならない時代を迎えている。それにもかかわらず、AIはうちには直接関係はないからと言う非常識がビジネスのチャンスを逃し、成長を阻んでゆく。ましてや次代を背負う新人たちに、自分たちのできないことを託さなくてはならないのに、まるで自分たちのやってきた常識が未来永劫常識であり続けるかのごとく、40年前から変わらない情報システムの基礎だけを教えて満足しているなどというのは、なんとも無責任な話しである。

テクノロジーの進化は働き方や生き方を変えてゆく。例えば、モバイルワークやインターネットを駆使したコミュニケーションは新人たちにとっては当たり前のリテラシーである。パソコンなんてなくてもスマートフォンだけでこなしてしまう。AIの進化は時間をかけなければできなかった経験値の蓄積を、あっという間に実現してくれる。アプリケーションを開発しなくても、すこしやり方を工夫すれば、十分に役立つアプリケーションは提供できる。クラウドを使えばこれまでのインフラ構築にかけていた手間を劇的に減らすことができる。作らないSIが当たり前の時代になるだろう。それをこれからのビジネスにしてゆく方法を教えないでいいのだろうか。

そんな時代の新人たちに「これまでのやり方」だけを教え、過去のやり方に従順に従わせることを新入社員研修の目的に据えることが、はたして自分たちの会社の将来にとっていいことなのだろうか。

自社のビジョンやミッションを、その歴史と共に伝え、どのようにして、自分たちは顧客価値を提供しようとしているのか。そのためにどのように学び、自分たちのスキルを磨いてゆけばいいのか。それを伝えることはとても大切なことだろう。原理原則、つまりコンピューター・サイエンスをしっかりと学ばせることも大切だと思う。しかし、それだけではなく、彼らがいま直面しているテクノロジーとビジネスや社会の関係を正しく伝え、それにどう向きあえばいいかを大人として伝え、かれらに答えを考えさせる必要がある。

彼らは未熟ではあるがバカではない。しかもITのリテラシーは高い。だから、最新のトレンドはおじさんたちより飲み込みが早い。そんな前提に立って、新入社員研修のあり方を考えてみてはどうだろう。

「新入社員のための最新ITトレンド1日研修」を実施し、改めてその考えが誤っていなかったことを実感した。

おまけ

この研修の最後に彼らに伝えたメッセージを紹介しておこう。

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クラウド・コンピューティング編
【新規】クラウドがもたらすビジネス価値 P.20
【新規】クラウドの定義/サービス・モデル (Service Model) 詳細 p.35
【新規】クラウド・インテグレーターになるための要件 p.122-123

サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT編
【新規】IoTそれ自体は目的ではない p.49

サービス&アプリケーション・先進技術編/AI(人工知能)編
【更新】コレ1枚でわかる人工知能 文言の追加・修正 p.10
【更新】人工知能の3つの役割と人間の進化 文言の修正 p.11
【更新】Amazon Echo:機械との自然な関係を実現する音声対話 動画リンク p.127
【新規】AIタクシー、30分後の需要エリア予測 動画リンク p.128

サービス&アプリケーション・基本編
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サービス&アプリケーション・開発と運用編
【新規】アジャイル開発の進め方 p.17
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インフラ・プラットフォーム編
【新規】SDIとは p.17
【新規】Intel Ruler フォームファクター p.207
【新規】フラッシュストレージが注目される理由 p.210
【新規】フラッシュストレージの最新動向 p.211

トピックス編
【新規】取引やデータの正当性を保証する手段 p.31
【新規】ブロックチェーン取引と一般的な取引の違い p.36
【新規】ビットコインと銀行取引(送金)の違い p.37
【新規】ブロックチェーンの構造 p.38
【新規】ブロック追加の仕組み p.39
【新規】同時にブロックが作られた場合 p.40
【新規】ブロックチェーンが改竄できない理由 p.41
【新規】パブリックとプライベートの違い p.44
【新規】スマート・コントラクト p.45
【新規】エスクロー取引とスマート・コントラクト p46
【新規】代表的なブロックチェーン・プロジェクト p.47

ITの歴史と最新トレンド編
【新規】歴史から見たITトレンド p.5

【新規】ブロックチェーン/基本を知るためのプレゼンテーションを追加しました。

【改訂】新入社員のための最新ITトレンド を最新の内容に改訂しました。

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