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AI脅威論は人間の価値を考える機会を与えてくれる

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「AI小説家が書いた小説が、「第3回星新一賞」の一次審査を突破した。」

こんなニュースを目にして、ついにAIは創造性という「人間にしかできない」と考えられた領域をも侵し始めたと考える人もいるだろう。

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GoogleのDeep Dreamはサイケデリックな絵を描くし、deepart.ioは、ふたつの異なる画像を重ね合わせ、両者の特徴を持った画像を生成してくれる。たとえば、ペッパー君の写真にゴッホの絵を重ねるとゴッホ風のタッチで描き直してくれる。

チャイコフスキーやモーツアルトの楽曲の特徴を学習して、それらしい音楽を創作してくれたり、「寂しい」や「楽しい」といった感情表現を入力するとそれらしい音楽を作曲してくれたりといったソフトウエアも登場している。

このようにAIが創り出した作品(?)は、果たして「芸術」なのだろうか。人はそれに感動し、涙を流したり、心の高鳴りを感じたりするのだろうか。

GoogleのAlpha Go が囲碁の世界チャンピオンに勝ち、もはや人間は相手ではないと、そのチャレンジをやめてしまった。そんなAlpha Goの技術的な凄さには驚嘆しても、そこに感情移入して涙する気持ちにはなれない(そもそも、Alpha Goに感情はない)。一方、負けた人間に対しては、「どんなに悔しかっただろうか」とか「彼は何を考えて闘っていたのだろうか」と想像し、彼の感情に入り込んで感動したり悲しみを感じたりできる。

私たちが芸術や囲碁に求めるのは、その作品や勝敗に至るまでにたどった人間の営みや生い立ち、あるいは感情などのコンテクストを含めて感動するのであって、結果だけからではない。それがテクノロジーの生みだした作品と芸術作品の境目ではないだろうか。

AIが人間の能力を超えるというのは、スコップではパワーショベルには太刀打ちできないことと同じである。だからといって人間の存在が貶められるわけではない。むしろ、そういう道具を手にして、それをどのように使いこなしてゆくかは、人間の決めることだろうし、これによって、人間は新たな創造の機会を手に入れる。

AIの進化は、人間とは何かに改めて目を向けさせてくれる。「AI脅威論」は、人間の価値や尊厳は何処にあるのかの問いかけでもある。

そう考えれば、「人間 vs AI」という対立軸ではなく、「人間 and AI」という共存である。ならばAIは、人間のあり方を再定義し、人間をさらに進化させる機会として捉えることができるのではないだろうか。

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【更新】コレ1枚でわかる人工知能 文言の追加・修正 p.10
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【更新】Amazon Echo:機械との自然な関係を実現する音声対話 動画リンク p.127
【新規】AIタクシー、30分後の需要エリア予測 動画リンク p.128

サービス&アプリケーション・基本編
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サービス&アプリケーション・開発と運用編
【新規】アジャイル開発の進め方 p.17
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インフラ・プラットフォーム編
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【新規】Intel Ruler フォームファクター p.207
【新規】フラッシュストレージが注目される理由 p.210
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【新規】ブロックチェーンの構造 p.38
【新規】ブロック追加の仕組み p.39
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【新規】ブロックチェーンが改竄できない理由 p.41
【新規】パブリックとプライベートの違い p.44
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