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お客様の良き相談相手になれているかを知るための3つの問いかけ

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「我が社のパッケージはA社のものに比べて、3倍の処理能力があります。しかも、業界ではもっとも機能が豊富で、御社の必要は十分に満たしています。」

「いくらですか?A社に比べてどの程度差があるのでしょう。そんなに機能豊富だと高いでしょうね?」

「3割ほどライセンス費用は高くなりますが、それに見合うだけの機能はあると断言できます。」

「余計なお世話」だ。自動車を単なる移動の手段と考えている人に、BMWやポルシェは売れない。値段が安く、燃費が良くて、丈夫で安全であればいい。ツイン・パワー・ターボも水平対向型エンジンも必要ない。

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お客様が知りたいのは、自分の期待を満たしくれるかどうかだ。お客様の満足はそこにある。「過ぎたるは及ばざるが如し」であり、「大は小を兼ねる」は少なくとも営業の世界では成り立たたない。お客様の期待が何かを正しく理解しようとすることなく、こちらの自慢話を押しつける。そんなことで、お客様の期待に応えることなどできるわけがない。

ところで、お客様の期待とは何か。お客様は、ホンダのフィットが欲しいという話しをした。それは、「ホンダのフィット」そのものを気に入っていて、それ以外は欲しくないと言うことではないことも多い。「値段が安く、燃費が良くて、丈夫で安全」な車が欲しいということを、自分の知っている車の名前で表現したにすぎない。

これを理解できなければ、お客様の期待を満たすことはできない。もし「ホンダのフィット」しかいやだというのなら、それを提案すること以外にお客様の満足させることはできないが、もしお客様の期待が「値段が安く、燃費が良くて、丈夫で安全な車」ならば、他にも様々な選択肢を提示することができる。

営業がお客様の良き相談相手であるためには、この違いりかいできることが基本。そして後者であれば、専門家として、お客様の期待を満たすためにもっとも最も優れた選択肢は何かを示す必要がある。そのための知識は、自社製品に詳しいだけでは不十分。世の中の常識、ITのトレンドを体系的に理解できていなければならない。

しかし、そうなると選択肢の数は限りなく増えてゆく。組み合わせも複雑になる。ならばそれを整理整頓し、わかりやすく伝えることができなくてはならない。そうやって、お客様の期待を理解し、それ以上の魅力ある選択肢を具体的に示しながら、お客様と一緒になって最適解を創り出してゆく。

主客一体という言葉がる。おもてなしの席で、主人も客人も一緒になって、その場を作り上げてゆくという茶道の精神を表現した言葉だ。営業という仕事に置き換えて考えるならば、こちらの一方的な話しではなく、お客様の期待に応えるためにはどうすればいいのかを考え、そのお膳立てをし、お客様と一緒に最適解を創りあげて行くアプローチともいえる。

お客様の期待に応えるためには、このような場作りが必要なのか。そのためにひつようなのが、「ネガティブ・トーク」だ。お客様は完全な商品やサービスなど世の中に存在しないことくらい十分に知っている。だから、あなたの商品やサービスがどれほど優れているかという以前に、それらが世の中の常識に照らし合わせて、どこが良くて、どこに弱点があるかを知りたいはずだ。

この期待に応えることはなかなか大変だ。自分のこと、自分たちの商品のことをよく見せたいという気持ちが先行し、自分たちについてのいいことばかりを話してしまいがちだ。ただ、そのような態度をとれば、お客様はあなたを相談相手とは考えず、交渉相手と受止めるだろう。

お客様と会話するときに、次の3つを自問自答してみてはどうだろう。

  • 良い点ばかりではなく、自分たちの限界、他社との違いや弱点を客観的に説明できるだろうか。
  • お客様はどのようなメリットを享受するかは語れるが、どんな課題やリスクがあるかも同時に語れるだろうか。
  • お客様が得をすることは語れるが、自分たちがどれだけ儲かり、得をするかも同時に語れるだろうか。

そういう自分への冷静な目を持つこと、そしてその謙虚さが、相談される営業になるための一つの条件でもある。

新入社員のための最新ITトレンド・1日研修

「お客様の話しに、ついてゆけません。言葉が分からないんです。」

こんな話をする新入社員は少なくありません。もちろん経験のない彼らが仕事をうまくこなせないのは当然のことです。しかし、「言葉が分からない」というのは別の問題です。

IoT、AI、クラウドなどのキーワードは、ビジネスの現場では当たり前に飛び交っています。しかし、新入社員研修ではITの基礎やプログラミングは教えても、このような最新ITトレンドについて教えることなく現場に送り出されてしまいます。そのため、お客様が何を話しているのか分からないままに、曖昧な応対しかできず、自信を無くしてしまう、外に出るのが怖いなどの不安をいだいている新入社員も少なくないようです。

そんな彼らに、ITの最新トレンドを教え、ITがもたらす未来への期待、そこに関わることへの誇りを持てるようにと企画しました。

参加費が1万円なら、懐の寂しくても自腹で参加できるはずです。また、既に新入社員研修の予算を使い切った企業でも、何とかやりくりして頂けるのではないでしょうか。そんな想いで、この金額にしてみました。また、100ページを超えるテキストは、パワーポイントのままでロイヤリティフリーで提供させて頂きます。

実施内容

  • 日時:下記日程のいずれか1日間(どちらも同じ内容です)
    • 【第1回】8月28日(月)10:00〜17:00
    • 【第2回】9月04日(月)10:00〜17:00
      • *昼休み1時間、休憩随時
  • 会場:株式会社アシスト・本社1階セミナールーム/市ヶ谷
  • 定員:50名/回
  • 費用:1万円(税込10,800円)
    • 新入社員以外(例えば、他業界からIT業界に転職された方や人材開発・研修担当の方)で参加されたい場合は、3万8千円(税込 41,040円)でご参加いただけます。
  • 内容:
    • ITビジネスの歴史と最新トレンド
    • クラウド・コンピューティング
    • ITインフラと仮想化
    • サイバーセキュリティ
    • IoT
    • AIとロボット
    • アジャイル開発とDevOps
    • これからのITとITビジネス

詳しくはこちらをご覧下さい。

【図解】コレ一枚でわかる最新ITトレンド 増強改訂版

スクリーンショット 2017-04-24 12.36.16.png

  • 何ができるようになるのか?
  • どのような価値を生みだすのか?
  • なぜ注目されているのか?

「知っている」から「説明できる」へ
実践で「使える」知識を手に入れる

  • IoT とインダストリー4.0
  • AR とVR
  • 人工知能と機械学習とディープラーニング
  • サーバ仮想化とコンテナ
  • ネットワーク仮想化とSD-WAN
  • アジャイル開発とDevOps
  • マイクロサービスとサーバレス

キーワードは耳にするけど、
それが何なのか、何ができるようになるのか、
なぜそんなに注目されているのか理解できてなかったりしませんか?

最新版(7月度)をリリースしました!

ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA

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最新版【2017年7月】をリリースいたしました。

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今月度は、AIとIoTを中心に大幅に資料を追加しています
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ビジネス戦略編
【新規】3つのIT:従来のIT/シャドーIT/バイモーダルIT p.23
サービス&アプリケーション・先進技術編/人工知能とロボット
【新規】IoTとAIの一般的理解と本当のところ p.4
【新規】人工知能の3つの役割と人間の進化 p.12
【新規】自動化から自律化への進化 p.16
【新規】スマートマシンの必要性 p.16
【新規】人工知能のロボットへの実装 p.24
【新規】専門家と人工知能 p.26
【新規】人工知能は知的望遠鏡 p.27
【新規】ITと人間の関係の変遷 p.33
【新規】これまでの学習とディープラーニング p.42
【新規】ルールベースと機械学習 p.43
サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT
【新規】IoTとAIの一般的理解と本当のところ p.15
【新規】従来のやり方とIoTの違い p.18
【新規】LPWAとは p.51
クラウド・コンピューティング編
変更はありません
サービス&アプリケーション・基本編
【新規】ERPシステム/パッケージとクラウドでの利用形態 p.11
【新規】SOAの狙いと成果 p.27
開発と運用編
【更新】ウォーターフォール開発とアジャイル開発 p.17
インフラ&プラットフォーム編
【新規】認証基盤 p.117-118
【新規】認証に関わる課題 p.119
【新規】シングルサインオンとフェデレーション p.120
【新規】Apache Spark p.179
トピックス編
 変更はありません
ITの歴史と最新のトレンド編
 変更はありません

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新刊書籍のご紹介

未来を味方にする技術

これからのビジネスを創るITの基礎の基礎

  • ITの専門家ではない経営者や事業部門の皆さんに、ITの役割や価値、ITとの付き合い方を伝えたい!
  • ITで変わる未来や新しい常識を、具体的な事例を通じて知って欲しい!
  • お客様とベンダーが同じ方向を向いて、新たな価値を共創して欲しい!
人工知能、IoT、FinTech(フィンテック)、シェアリングエコノミ― 、bot(ボット)、農業IT、マーケティングオートメーション・・・ そんな先端事例から"あたらしい常識" の作り方が見えてくる。2017年1月6日発売
斎藤昌義 著
四六判/264ページ
定価(本体1,580円+税)
ISBN 978-4-7741-8647-4Amazonで購入
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