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見積をださなきゃいけないので、すぐに金額を教えて下さい

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見積をださなきゃいけないので、すぐに金額を教えて下さい

「夕方5時半までに先方に見積もりを出さなくてはならないので、次の条件で見積をお送り頂けないでしょうか?」

ある営業さんからのメールを手にしたのは新幹線の車中で、まもなく4時になろうとしていた。

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仕事のご依頼だ。ありがたい。そこで、メールに書かれたご依頼事項を拝見すると、内容が曖昧で、どれくらいの手間や時間がかかるかがわからない。これでは見積しようがない。しかも、どの程度の予算を見込んでいるのかといった記述もないので、その内容を推し量ることもむつかしい。

彼もお客様に言われ焦っているのだろう。とにかく何とかしなければと、このメールを書いたのかもしれない。そのためにこんな内容になってしまったのかも知れない。ただ、こういうご依頼は、だいたい筋が悪く、まとまらないことが多い。

しかし、困った。彼も急いでいるのだから、詳細を確認して対応してあげたいとは思うが、車中でもあり、トンネル区間でもあったので電話もままならない。

私は、目的の駅に到着すると、すぐに電話をした。そして、この曖昧さでは見積もりできないこと、それにもかかわらず、すぐに見積を出して欲しいということについて苦言を呈した。そして、せめて予算の見込み程度は教えて欲しいと伝えた。

彼はとても誠実で、状況をすぐに呑み込み素直に謝し、内容の詳細や金額について話をしてくれた。

結論から言えば、まったくどうにもならない話しだった。先方の目的は何か、結果としてどうなっていたいのか、つまり、あるべき姿が判らない。「こんなこと」をやって欲しいは、営業さんの想像の域を出ない。これでは、先方がどの程度の成果物を期待されているのかも判らない。それでも最低でも数日の手間はかかりそうだということは想像がつく。それを毎月コンスタント提供して欲しいというのだが、示された見込み費用は世間の常識で考えても如何なものか思う金額だった。

「こんな内容に変えて提案してはどうか、それならこの金額でやらせてもらいます。」

そう伝えた翌日、今回のことはなくなりましたとのご連絡を頂いた。

お客様から依頼されたことを斟酌することなく、ただ、この人ならできるだろうということで、右から左へ伝言する。たぶん、こんな短納期での見積依頼と言うことは、先方もちょっとした思いつきの軽い気持ちで依頼したのかもしれない。それでも仕事は仕事だから、ありがたくお請けするのは営業の基本であることは理解できる。しかし、その時点で案件の価値やその構成要件を即座に想像できなくては営業とは言えない。その妥当性や制約を考え、その場で相手に確認するのは当然のことだ。そこをちゃんとやっておけば、お客様に対しても、あるいは委託先にも余計な手間をかけることはない。何よりも自分の仕事が楽になる。そして、そういう要領のいい仕事ができれば、まわりからも信頼される。

営業にとって、一にも二にも大切なのは「想像力」だ。自分の関わる相手の状況を想像し、どうすればいいのか見通しを持つこと、つまり、次の仕事の段取りをシミュレーションできることだ。

こういう能力はただ場数を踏めば磨かれるわけではない。事実、ベテランの営業でも要領の悪い人は居る。決して手を抜いているわけではない。頑張って遅くまで仕事をしているが、要領が悪くて成果がだせない残念な人である。

まずは、相手の状況や次の行動を想像する習慣を身につけることだ。それを意識して行動する。そういう行動で場数を踏めば、それは自ずと習慣になり、要領のいい仕事ができるようになるだろう。そうすれば仕事は捗り、まわりからの信頼も高まってゆく。

今回は、うまくいかなかった営業さんに、この文章と共にエールを送りたい。

新入社員のための最新ITトレンド・1日研修

「お客様の話しに、ついてゆけません。言葉が分からないんです。」

こんな話をする新入社員は少なくありません。もちろん経験のない彼らが仕事をうまくこなせないのは当然のことです。しかし、「言葉が分からない」というのは別の問題です。

IoT、AI、クラウドなどのキーワードは、ビジネスの現場では当たり前に飛び交っています。しかし、新入社員研修ではITの基礎やプログラミングは教えても、このような最新ITトレンドについて教えることなく現場に送り出されてしまいます。そのため、お客様が何を話しているのか分からないままに、曖昧な応対しかできず、自信を無くしてしまう、外に出るのが怖いなどの不安をいだいている新入社員も少なくないようです。

そんな彼らに、ITの最新トレンドを教え、ITがもたらす未来への期待、そこに関わることへの誇りを持てるようにと企画しました。

参加費が1万円なら、懐の寂しくても自腹で参加できるはずです。また、既に新入社員研修の予算を使い切った企業でも、何とかやりくりして頂けるのではないでしょうか。そんな想いで、この金額にしてみました。また、100ページを超えるテキストは、パワーポイントのままでロイヤリティフリーで提供させて頂きます。

実施内容

  • 日時:下記日程のいずれか1日間(どちらも同じ内容です)
    • 【第1回】8月28日(月)10:00〜17:00
    • 【第2回】9月04日(月)10:00〜17:00
      • *昼休み1時間、休憩随時
  • 会場:株式会社アシスト・本社1階セミナールーム/市ヶ谷
  • 定員:50名/回
  • 費用:1万円(税込10,800円)
    • 新入社員以外(例えば、他業界からIT業界に転職された方や人材開発・研修担当の方)で参加されたい場合は、3万8千円(税込 41,040円)でご参加いただけます。
  • 内容:
    • ITビジネスの歴史と最新トレンド
    • クラウド・コンピューティング
    • ITインフラと仮想化
    • サイバーセキュリティ
    • IoT
    • AIとロボット
    • アジャイル開発とDevOps
    • これからのITとITビジネス

詳しくはこちらをご覧下さい。

ITソリューション塾・福岡・第2期 募集中!

知っているつもりの知識から、説明できる、実践に活かせる知識へ変えてゆく。そんな研修がスタートします。

東京で9年目を迎えるITソリューション塾には、既に1500名を超える卒業生がいらっしゃいます。また、昨年より大阪と福岡でも始まりました。特に福岡では、他の会場にはない「自分のビジネスを成功させるためのワークショップ」もあわせておこないます。

ITについての体系的な知識を身につけたい、提案力を高めたい、コンサルや交渉の力を高めたい。そんな皆さんのための実践的プログラムです。ふるってご参加下さい。

日程 2017年7月11日〜10月3日 全7回 13:30〜17:30
回数 全7回
定員 40名
会場 福岡県Ruby・コンテンツ産業振興センター
料金 ¥65,000 (税込み¥70,200-)
全期間の参加費と資料・教材を含む
詳細 ITソリューション塾[福岡] 第2期 講義内容/スケジュール
申し込み 上記リンクのパンフレットをご参照ください。

【図解】コレ一枚でわかる最新ITトレンド 増強改訂版

スクリーンショット 2017-04-24 12.36.16.png

  • 何ができるようになるのか?
  • どのような価値を生みだすのか?
  • なぜ注目されているのか?

「知っている」から「説明できる」へ
実践で「使える」知識を手に入れる

  • IoT とインダストリー4.0
  • AR とVR
  • 人工知能と機械学習とディープラーニング
  • サーバ仮想化とコンテナ
  • ネットワーク仮想化とSD-WAN
  • アジャイル開発とDevOps
  • マイクロサービスとサーバレス

キーワードは耳にするけど、
それが何なのか、何ができるようになるのか、
なぜそんなに注目されているのか理解できてなかったりしませんか?

最新版(7月度)をリリースしました!

ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA

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最新版【2017年7月】をリリースいたしました。

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今月度は、AIとIoTを中心に大幅に資料を追加しています
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ビジネス戦略編
【新規】3つのIT:従来のIT/シャドーIT/バイモーダルIT p.23
サービス&アプリケーション・先進技術編/人工知能とロボット
【新規】IoTとAIの一般的理解と本当のところ p.4
【新規】人工知能の3つの役割と人間の進化 p.12
【新規】自動化から自律化への進化 p.16
【新規】スマートマシンの必要性 p.16
【新規】人工知能のロボットへの実装 p.24
【新規】専門家と人工知能 p.26
【新規】人工知能は知的望遠鏡 p.27
【新規】ITと人間の関係の変遷 p.33
【新規】これまでの学習とディープラーニング p.42
【新規】ルールベースと機械学習 p.43
サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT
【新規】IoTとAIの一般的理解と本当のところ p.15
【新規】従来のやり方とIoTの違い p.18
【新規】LPWAとは p.51
クラウド・コンピューティング編
変更はありません
サービス&アプリケーション・基本編
【新規】ERPシステム/パッケージとクラウドでの利用形態 p.11
【新規】SOAの狙いと成果 p.27
開発と運用編
【更新】ウォーターフォール開発とアジャイル開発 p.17
インフラ&プラットフォーム編
【新規】認証基盤 p.117-118
【新規】認証に関わる課題 p.119
【新規】シングルサインオンとフェデレーション p.120
【新規】Apache Spark p.179
トピックス編
 変更はありません
ITの歴史と最新のトレンド編
 変更はありません

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新刊書籍のご紹介

未来を味方にする技術

これからのビジネスを創るITの基礎の基礎

  • ITの専門家ではない経営者や事業部門の皆さんに、ITの役割や価値、ITとの付き合い方を伝えたい!
  • ITで変わる未来や新しい常識を、具体的な事例を通じて知って欲しい!
  • お客様とベンダーが同じ方向を向いて、新たな価値を共創して欲しい!
人工知能、IoT、FinTech(フィンテック)、シェアリングエコノミ― 、bot(ボット)、農業IT、マーケティングオートメーション・・・ そんな先端事例から"あたらしい常識" の作り方が見えてくる。2017年1月6日発売
斎藤昌義 著
四六判/264ページ
定価(本体1,580円+税)
ISBN 978-4-7741-8647-4Amazonで購入
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