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【図解】コレ1枚でわかるポストSIビジネスの構造

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ポストSIビジネスを考える上で、理解しておくべきビジネスとテクノロジー、またそこに関わる人材の関係について整理してみました。

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ビジネス・モデルとビジネス・プロセス

ビジネスが成り立つかどうか、あるいは成功するかどうかは、ビジネス・モデルの巧拙がカギを握ります。どんなに優れたテクノロジーを持っていても、また高いスキルを持った人材がいても、それを収益につなげるためのビジネス・モデルなくして、ビジネスは成立せず継続もできません。

もちろん想定したビジネス・モデルが成功する保証はありません。また、市場のニーズも常に変化しています。だからこそ、万人に対する百点満点を最初から目指すのではなく、特定の顧客に対する90点でいち早く実践に適用し、想定した仮説を検証し修正を繰り返しながら完成度を高め、段階的に顧客の裾野を拡げてゆくことが大切になります。

ビジネス・プロセスとは、このビジネスのカタチである「ビジネス・モデル」を成り立たせる仕事の手順であり、顧客をこのビジネス・モデルに巻き込むためのシナリオです。この両者の関係について仮説を立て実践を通じて修正を繰り返してゆくことが「ビジネス開発」となります。

しかし、現実にはテクノロジーやスキルをどうするかに関心が偏り「ビジネス・モデルとビジネス・プロセス」が後回しにされるケースを目にすることがあります。その背景には、これまではテクノロジーやスキルがあれば、販売や人月仕事がついてきたからです。しかし、ビジネスのカタチがサービスへと重心を移せば、これらビジネスが縮小することは避けられず、これまでとは異なるシナリオを組み立てなければなりません。

パブリックなクラウド・サービス

ポストSIビジネスの新たなビジネス・モデルとビジネス・プロセスを支えるシステムは「パブリックなクラウド・サービス」上に構築されることになります。これはパブリック・クラウドとホステッド・プライベート・クラウドに分けることができます。

ポストSIビジネスを考える上で注目すべきは、PaaS、コンテナ、APIというキーワードでしょう。つまり、従来のような仮想基盤(IaaS)でシステムを構築・運用するという考え方から、より上位のレイヤを使うことで高速・短期間で構築・運用でき、変更にも即応できるようにするための仕組みへのシフトがすすむと考えられます。

サービス・ビジネスは、構築と保守、運用管理が同時進行することになりますので、この仕組みを視野に入れた取り組みを考えてゆくべきでしょう。また、ホステッド・プライベート・クラウドにおいても、ビジネス・スピードが加速することへの対応が求められます。そのニーズに対応する手段としても有効です。

また、様々なクラウド・サービスをそれぞれの特徴を活かして組み合わせて使うマルチ・クラウドも普及します。そうなると、それらサービスをまたがるネットワークもまたクラウド上に構築されなくてはなりません。それが、オーバーレイ・ネットワークです。物理的な機器構成に依存することなく、ソフトウェア機能として実装されるネットワークとなります。

様々なパブリックなクラウド・サービスを自社の専用のシステムとして他のシステムから分離させ、しかもネットワーク構成の変更に柔軟・迅速に対応するために欠くことのできないテクノロジーです。

このように、様々なシステム機能やサービスがパブリックなクラウド・サービス上で利用されるようになると、認証基盤の重要性が高まります。

これまでのオンプレミス・システムの場合は、「安全な内部」と「危険な外部」を物理的に分けて、その境界を外部の攻撃から護るという考え方が広く採用されてきました。そして認証は、安全な内部でユーザーが利用する際の権限を設定する手段として使われてきました。

しかし、パブリックなクラウド・サービスに重要なシステムやデータが置かれ、それを利用することになれば、この「物理的な境界」という概念はなくなります。そうなると、システムとユーザー、あるいはデータとユーザーとの信頼関係を担保すると共に、誰が、いつ、何をしたのかを管理できる仕組みが必要になります。モバイルやウエアラブル、IoTといった、何処で使われるか分からないデバイスも管理の対象にしなければならならない訳ですから、認証基盤はまさにセキュリティの要となるのです。

IoT

IoTというビジネスのフレームワークが普及することは、ITがこれまでにも増して私たちの日常に深く関与してゆくことを意味しています。その普及は加速度的であり、様々なビジネスを支え適用領域が拡大してゆきます。この「加速度的成長」を味方につけることはポストSIビジネスを成功に導く上でも有効です。規模は大きいが成長しない、あるいは縮小する市場はもはや成熟期から後退期へと市場が向かっているということです。そこにこだわっていては自分たちのビジネスを成功させることはできません。

もちろん、IoTだけが「加速度的成長」市場ではありませんが、このIoTを軸に周辺を見渡してゆくことは、ひとつの有効なアプローチになるでしょう。

アーキテクト

サービスとしてのインフラやプラットフォームが普及すれば、システム構築や運用管理の工数需要は減少することは避けられません。その一方で、様々なサービスを効果的に使いこなし、ビジネス価値を高めてゆくためのスキルが、これまでにも増して求められるようになるでしょう。そこで活躍するのがアーキテクトです。

アーキテクトには、3つのタイプがあります。ひとつは、ビジネス・ニーズを起点にして、ビジネス価値を最大化するためにどのようなテクノロジーを活用し組み合わせるかを考えるビジネス・アーキテクトです。もうひとつは、テクノロジー・シーズからどのようなビジネス・モデルやビジネス・プロセスを組み立てられるかを考えるテクノロジー・アーキテクト。最後は、ビジネス・プロセスとテクノロジーを横断的に俯瞰し、ビジネス全体のセキュリティやガバナンスの仕組みを考えるセキュリティ・アーキテクトです。

この3つのタイプのアーキテクトは、役割を意味するものであり、一人が複数の役割をこなせれば理想ですが、容易なことではありません。現実的には、それぞれの役割を担うアーキテクトたちが協力し合うことになるのでしょう。ただ、こういう役割がますます重要になってくるでしょう。だからといって工数需要がなくなるわけではありませんが、このようなアーキテクトの存在があってこそ、ビジネスを牽引でき、付加価値の高い工数需要を生みだすことができるようになるのです。

ポストSIビジネスは、このような構造の上で築かれてゆくことになると考えています。

【受付開始】ITソリューション塾・東京/大阪/福岡

「IoTやAIで何かできないのか?」
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「うちの新規事業は、なぜなかなか成果を上げられないのか?」

あなたは、この問いかけに応えられるでしょうか。

「生産性向上やコスト削減」から、「差別化の武器としてビジネスの成果に貢献」することへとITは役割の重心を移しつつあります。そうなれば、相手にするお客様は変わり、お客様との関係が変わり、提案の方法も変わります。そんな時代の変化に向き合うためのお手伝いをしたいと思っています。

東京での開催は5月16日(火)からに決まりました。また、大阪では5月22日(月)からとなります。さらに福岡は7月11日(火)からを予定しています。

詳細日程や正式なお申し込みにつきましては、こちらをご覧下さい。

ITソリューション塾では、IoTやAI、クラウドといったテクノロジーの最前線を整理してお伝えすることはもちろんのこと、ビジネスの実践につなげるための方法についても、これまでにも増して充実させてゆきます。
また、アジャイル開発やDevOps、それを支えるテクノロジーは、もはや避けて通れない現実です。その基本をしっかりとお伝えするよていです。また、IoTやモバイルの時代となり、サイバー・セキュリティはこれまでのやり方では対応できません。改めてセキュリティの原理原則に立ち返り、どのような考え方や取り組みが必要なのか、やはりこの分野の第一人者にご講義頂く予定です。

2009年から今年で8年目となる「ITソリューション塾」ですが、

「自社製品のことは説明できても世の中の常識は分からない」

当時、SI事業者やITベンダーの人材育成や事業開発のコンサルティングに関わる中、このような人たちが少なくないことに憂いを感じていました。また、自分たちの製品やサービスの機能や性能を説明できても、お客様の経営や事業のどのような課題を解決してくれるのかを説明できないのままに、成果をあげられない営業の方たちも数多くみてきました。

このようなことでは、SI事業者やITベンダーはいつまで経っても「業者」に留まり、お客様のよき相談相手にはなれません。この状況を少しでも変えてゆきたいと始めたのがきっかけで、既に1500名を超える皆さんが卒業されています。

ITのキーワードを辞書のように知っているだけでは使いもものにはなりません。お客様のビジネスや自社の戦略に結びつけてゆくためには、テクノロジーのトレンドを大きな物語や地図として捉えることです。そういう物語や地図の中に、自分たちのビジネスを位置付けてみることで、自分たちの価値や弱点が見えてきます。そして、お客様に説得力ある言葉を語れるようになるのだと思います。

ITソリューション塾は、その地図や物語をお伝えすることが目的です。

ご参加をご検討頂ければと願っております。

ITソリューション塾

最新版(4月度)をリリースしました!

ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA

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新入社員のための「最新トレンドの教科書」も掲載しています。
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*クラウドについてのプレゼンテーションをインフラ編から独立させました。
*使いやすさを考慮してページ構成を変更しました。
*2017年度新入社員研修のための最新ITトレンドを更新しました。
*新しい講演資料を追加しました。
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クラウド・コンピューティング (111ページ)
*「インフラとプラットフォーム編」より分離独立
【新規】クラウドによるコスト改善例 p101-108

開発と運用(68ページ)
【新規】管理運用の範囲 p.37
【新規】サーバーレスの仕組み p.40

インフラとプラットフォーム(211ページ)
*クラウドに関する記述を分離独立
【新規】多様化するデータベース p.127
【新規】クラウドデータベース p.156-158

IoT(101ページ)
【新規】IoTはテクノロジーではなくビジネス・フレームワーク p.16
【新規】LPWA主要3方式の比較 p.52

人工知能(103ページ)
【新規】自動化と自律化が目指す方向 p.14
【新規】操作の無意識化と利用者の拡大 p.21
【新規】自動化・自律化によってもたらされる進歩・進化 p.22

テクノロジー・トピックス (51ページ)
【新規】RPA(Robotics Process Automation) p.17

サービス&アプリケーション・基本編 (50ページ)
*変更はありません

ビジネス戦略(110ページ)
*変更はありません

ITの歴史と最新のトレンド(14ページ)
*変更はありません

【新入社員研修】最新のITトレンド
*2017年度版に改訂しました

【講演資料】アウトプットし続ける技術〜毎日書くためのマインドセットとスキルセット
女性のための勉強会での講演資料
実施日: 2017年3月14日
実施時間: 60分
対象者:ITに関わる仕事をしている人たち

【講演資料】ITを知らない人にITを伝える技術
拙著「未来を味方にする技術」出版記念イベント
実施日: 2017年3月27日
実施時間: 30分
対象者:ITに関わる仕事をしている人たち

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新刊書籍のご紹介

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