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【図解】コレ1枚でわかるモバイルとクラウドの関係

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クラウドとモバイル・デバイスは、それらが生まれた時から切っても切れない関係にありました。2006年にGoogleのシュミット氏が「クラウド・コンピューティング」という言葉をはじめて使ったとき、「手元にあるあらゆる端末」からアクセスでき、それに必要なのは「ブラウザとインターネットへのアクセス」だと述べていましたが、これが、現在のモバイル・デバイスの基本的な設計思想に引き継がれています。

この言葉が意味するところは、デバイスの大きさや基本ソフトの種類 (Windows、Mac、iOS、Androidなど)に関係なくWebブラウザさえ搭載されていれば、等しくクラウド・サービスを受けられるということです。

クラウドを利用するクライアントとして重要なのはブラウザが使えることであって、ハードウェアや基本ソフトでは無いということなのです。つまり、モバイル・デバイスは、「クラウドの持つ機能や性能を、ブラウザを介して利用するためのデバイス」として誕生したのです。

このように、クラウドの誕生時点でクライアントはブラウザを使うことが想定されていましたが、クラウドがブラウザをクライアントとして選んだというよりも、ブラウザの技術革新がクラウド誕生のきっかけになったという見方もできます。

そして、シュミット氏はアプリケーションを動かす環境 (プラットフォーム) が大きく変わることを示唆していました。この言葉の意味をきちんと理解するためには、当時のクライアントがどのようなものであったか、それがどのようにクラウドにシフトしていったのかを整理しておかなければなりません。

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モバイル・デバイスの登場以前、Windowsパソコンが一般的でした。パソコン市場の90%以上がWindowsパソコンだった時期もあります。なぜ、それほどにシェアが高まったのでしょうか。 そして、なぜいま、モバイル・デバイスへの移行が始まったのでしょうか。

初期のパソコンが登場した1980年代には、様々な企業がパソコンを開発・販売していました。なかでも企業ユーザーに信頼されていたのがIBM製品でした。その後IBM互換機の参入により価格が下落、そのシェアを伸ばしたのです。互換機のシェアが高くなると、そのためのアプリケーション・ソフトが数多く開発されるようになり、さらに互換機のシェアがさらに伸びるという循環が生まれました。

IBM製品および互換機には、Intelのプロセッサーが使われていました。そして、Microsoftは、これらのパソコンで動くWindowsを開発し、この組合せ(Wintelと呼ばれることがあります)が標準的なクライアントになったのです。

一方、ソフトウェアを開発する側にとっては、いくつもの異なるプラットフォームが混在している環境は、それぞれに別々のソフトを開発しなければならず、手間もコストも掛かります。そのため、最もシェアの大きいWintelでの開発が増えて、さらにシェアを拡大していったのです。

しかし、この結果、ユーザーも開発ベンダーもWintelから逃れられなくなりました。これを「ベンダーロックイン」と言います。

ベンダーロックインは、ベンダーの裁量を許し、ユーザーの選択肢を狭め、高コスト化や技術の停滞をもたらす恐れがあります。しかし、クラウドの登場により、この状況はいま大きく変わろうとしています。

【募集開始】ITソリューション塾・第24期

ITソリューション塾・第24期を2月8日(水)から開催します。第24期は、IoTやAIのビジネス戦略にも一層切り込んでみようと思っています。また、情報セキュリティの基本やDevOpsの実践についても、それぞれの第一人者から学びます。多くの皆様のご参加をお待ちしています。

  • 会場 : アシスト株式会社・本社@市ヶ谷
  • 日程:2月8日(水)〜4月26日(水)の毎週1回×11回 *但し、3月最終週は休みとなります。
  • 時間:18:30〜20:30
  • 定員:80名(前回参加者 84名)

お願い

  • 毎期早い段階で定員に達しています。手続き等で時間はかかるが、参加のご意向をお持ちの場合は、事前にメールにて、その旨をお知らせください。
  • 個人でのご参加の場合は、消費税分を割り引かせて頂きます。
  • 今回の期間は、予算期を跨ぐところもあるかと思いますが、今期または来期のいずれか、または、両期に分けて支払いという場合は、個別にお知らせください。

詳細のご案内、および、スケジュールのPDFダウンロードは、こちらをご覧下さい。

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2017年1月 最新の改訂版をリリースしました!

ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA

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*「コレ1枚でわかる最新ITトレンド(2017年度版)」を新規に作成しました。
*先進技術編では、解説を大幅に追加、刷新し、新たなチャートも追加しています。
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【インフラ&プラットフォーム】(293ページ)

【更新】コンテナ型仮想化・改訂版の解説を改訂しました p.175
【新規】SD-WAN p.184

【ITの歴史と最新トレンド】(14ページ)

*これからのビジネスを考える参考となるよう、「コレ1枚でわかる最新ITトレンド(2017年度版)」を新規に作成しました。

【更新】デジタル化の歴史の解説を追加しました
【新規】コレ1枚でわかる最新ITトレンド(2017年度版)を新規に追加し、解説も加えました。

【サービス&アプリケーション・基本編】

*運用と開発のプレゼンテーションが増えたことから、基本編と運用と開発編に分割しました。

基本編(50ページ)
 変更はありません

開発と運用編(64ページ)

【更新】これからのシステム開発のチャートを改訂し、解説を追加しました p.5
【更新】DevOpsとは何か?の解説を追加しました p.19
【新規】仮想マシンとコンテナの稼働率 p.74-77
【更新】DevOpsとコンテナ管理ソフトウェアの解説を改訂しました p.78
【新規】FaaS(Function as a Service) p.79

【テクノロジー・トピックス】(49ページ)
 変更はありません

【サービス&アプリケーション・先進技術編】

IoT(92ページ)

【更新】IoTとM2Mの解説を追加しました p.7
【更新】IoTの定義の解説を改訂しました p.15
【更新】コレ1枚でわかるIoTのチャートと解説を改訂しました p.18
【更新】デジタル・ツインの解説を改訂しました p.23
【更新】モノのサービス化の解説を改訂しました p36
【更新】ビジネス価値の進化の解説を改訂しました p.38
【更新】IoTと機能と役割の4段階の解説を改訂しました p.41
【更新】クラウドから超分散への解説を改訂しました p.46

人工知能(93ページ)

【新規】コレ1枚でわかる人工知能とロボットの新たなチャートを追加し解説を載せました p.9
【更新】産業発展の歴史から見る人工知能の位置付けの解説を改訂しました p.317
【新規】ディープラーニングが注目される理由の新しいチャートと解説を追加しました p.24
【新規】弱いAIと強いAIについて、新しいチャートと解説を追加しました p.32
【更新】人工知能に置き換えられる職業について、解説を追加しました p.64

詳しくはこちらから

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