オルタナティブ・ブログ > ITソリューション塾 >

最新ITトレンドとビジネス戦略をわかりやすくお伝えします!

【図解】コレ1枚でわかるガソリン自動車と電気自動車

»

自動車業界が、GoogleやApple、Microsoftそして新興の電気自動車メーカーTeslaといった企業に戦々恐々としています。その背景には、電気自動車の普及と自動車のソフトウエア化があります。

スクリーンショット 2016-11-28 6.17.06.png

まず電気自動車(EV)ですが、エンジン自動車に比べ圧倒的に部品点数か少なくなります。また、部品の種類も複雑な機構を組み合わせた機械部品から比較的構造が単純な電気・電子部品が中心となり、機械加工や組み立てノウハウの蓄積がない企業でも参入が容易になります。米Teslaや日本のGMLなどのEVベンチャー企業が参入できるのもこのような背景があるからです。

また、車の機能や性能の多くがソフトウエアに依存するようになります。これは、エンジン自動車でも言えることですが、電気自動車になれば、その割合はさらに高まり、ソフトウエアの開発力が製品の競争力になると考えられます。

GoogleやApple、Microsoftは、このソフトウエアを様々な車で利用できるプラットフォーム=車載OSとして提供しようと動き始めています。例えば、GoogleのAndroid AutoやAppleのCar Play、MicrosoftのMicrosoft Autoは、いまでこそカーナビやテレマティクスの機能に限定されていますが、やがて自動運転機能を提供し、自動車の走行をも制御する車載OSへと進化してゆくでしょう。

もし車載OSで覇権を握られれば、Windowsがコンピューターで、Androidがスマートフォンでそうであったようにハードウェアはコモディティ化・汎用化し、既存の自動車メーカーが長年蓄積してきた独自の製品開発力、機械加工や組み立てなどの競争力の源泉を失ってしまうことになります。

半導体メーカーの米NVIDIAはこのような動きを背景に、自動運転をも視野に入れた車載SoC(System On A Chip、1チップでコンピューターの機能をすべて統合しているチップのこと)を提供しはじめており、他の半導体メーカーや電子機器メーカーも同様に汎用部品提供の動きを展開しつつあります。

このようなソフトウエア企業の動きに対し、自動車メーカーや車載機器・半導体メーカーが主導する形でオープンな車載OSとしてAGL(Automotive Grade Linux:オートモーティブ・グレード・リナックス)を開発しようという取り組みも始まっています。これは、Linuxをベースとした車載OSで、高度安全支援や自動運転を視野に入れて開発が進められています。

また、自動車はコネクテッド・カーとしてインターネットにつながり、車載OSとクラウド・サービスとの連携を実現し、車両単独ではできない機能やサービスを提供できるようになり、自動車のあり方や価値を大きく変えてゆくと考えられます。

米カリフォルニア州は、ZEV(Zero Emission Vehicle)規制を定め、州内で一定台数以上自動車を販売するメーカーは、その販売台数の一定比率を、排出ガスを一切出さない電気自動車や燃料電池車にしなければならないと定めています。ただし、電気自動車や燃料電池車のみで規制をクリアすることは難しいため、プラグインハイブリッドカー(ハイブリッドカーは除外)、天然ガス車、電気自動車などのクリーンな車両などを組み入れることも許容されています。このような動きは世界にも拡がりつつあり、電気自動車は今後大きな普及が期待されています。

11月改訂版をリリースしました!
ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA

  • 「情報セキュリティのジアタマを作る」を新掲載!
  • 「アテにされるためにはどうすればいいのか」そんな新しい講演資料も掲載しました。
  • 他にも大幅にドキュメントを追加・更新致しました。解説文も増えています。

LIBRA_logo.png

【講演資料とトピックス】

【新規】ITソリューション塾・特別講義・Security Fundamentals / 情報セキュリティのジアタマを作る
【新規】講演資料・アテにされる/どういうこと?どうすればいいの?

【サービス&アプリケーション・基本編】

【新規】オープンソース・ソフトウェア(OSS)  p.74-90
オープンソース・ソフトウェアについて、全17ページの新しい章を作りました。

【サービス&アプリケーション・先端技術編】

【新規】IoTに期待される経済価値 p.10
【更新】IoTの2つの意味 p.16
【新規】IoTの仕組み p.17
【新規】デジタル・トランスフォーメーションの進化 p.18
【新規】IoTの三層構造 p.43
【更新】クラウドから超分散へ p.45
【新規】LPWAネットワークの位置付け p.46
【新規】LPWAネットワーク 通信規格一覧 p.47
【更新】IoTのビジネス・レイヤ p.48
【新規】人工知能の適用領域 p.131

【インフラ&プラットフォーム編】

【新規】クラウド・コンピューティングの起源  p.25
【新規】メインフレーム、クライアントサーバー、クラウド p.107
【更新】ウェアラブル・デバイスの種類と使われ方 p.115
【新規】ユビキタスからアンビエントへ p.116
【新規】2014年以降のMicrosoftの新戦略 p.142
【新規】統合システム(Converged System)の分類 p.191
【新規】ハイパーコンバージドの仕組みと特徴 p.193-194
【更新】コンバージドとハイパーコンバージド p.195-196

【テクノロジー・トピックス編】

【新設+更新】FinTechとブロックチェーンについて新しい章を作り、ブロックチェーンの記述を大幅に増やしました。 p.24-37

【ITの歴史と最新トレンド編】

変更はありません。

【ビジネス戦略編】
追加・変更はありません。ただし、解説文を増やしました。

LIBRA_logo.png

Comment(0)