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成長のルーティン:「不安」と「達成感」が人を育て組織に活力を与える

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朝5時に起きる。本を読みながら風呂に入る。歯を磨き、冷たい水を飲む。そして、キーボードに向かう。「さて、今日はどんなテーマでブログを書こうか」と思案する。こんな調子で1日が始まる。

もはや毎日のリズムとなっている。こういうルーティンが回せないとどうも落ち着かない。一方で、このルーティンを破りたい衝動にも駆られている。朝はランニングをしようとか、ブログを不定期にしようとか、頭をよぎるが踏み切れない。

その理由は何かと言えば、「不安」だ。ブログを書かなければ自分の存在が社会から消えてしまう。そんな不安がこのようなルーティンを維持させている。

書きたいから書くと言うより、書かなければいけないという義務感、あるいは強迫観念とも言うべきものが、自分のモチベーションになっている。

大会社に勤めているわけではないので看板はない。毎月給料がもらえるわけではないので収入の保証はない。自分で自分の存在証明をしなければ、仕事がなくなってしまう。そんな不安が自分を駆り立てている。ブログを書くとはそんな自分の存在証明でもある。

「小市民」なのだとつくづく思う。孫正義氏のような大志はないし、お金もない。日々稼がなければ、生きてゆくことはできない。そんな不安の裏返しが、自分の行動の原動力になっている。

2008〜9年、リーマンショックで不景気だった頃は、人材育成やコンサルなどという仕事は、先ず真っ先に切られていった。本当にどうしたらいいのかと途方に暮れた。それを何とか凌いでこうやって生き延びてきたわけだが、そのときのトラウマがどこかに引っかかっている。そんな、「不安」を取り払いたい衝動が、自分の行動を支えている。

では、楽しくないのかと言えば、そんなことはない。結局、こうこうルーティンがこなせること、それなりのアウトプットが完成することに「やったー」という満足がある。それがきっかけで仕事につながることも少なくない。

「不安」はきっかけであり、行動を起こさせる原動力だ。そして結果として得られた「達成感」は、継続することや改善することへの動機付けとなる。この両者が自分の中でうまく機能している。

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最近、長時間労働での自殺がニュースになり、様々な意見が交わされている。その事件に言及するにはあまりにも何も知らなさすぎるので個別に意見をすることは避けるが、一般論として、「不安」ばかりがつのり「達成感」が得られない仕事は、心を疲弊させるのは間違えない。

なにを達成感と捉えるかは、ひとりひとりの心の持ち方だろう。例えば、前回できなかったことができるようになった、わかりやすい資料ができた、うまく人前で話すことができた、など些細なことでも成長の喜びが得られ達成感になるだろう。また、私の場合、新しい仕事の依頼が来た、研修や講演に多くの人が来てくれたとなれば達成感もひとしおだ。

例の事件を思うと、「達成感」を得ることができなかった、あるいは、与えることができなかった状況が、心を疲弊させたのかもしれない。

様々な意見の中に「長時間労働」が原因だという議論がある。確かに「長時間労働」は身体を疲れさせるから、思い通りに思考もはたらかない。そして成果をあげようという気力を奪い、達成感のないままに無為に時間が過ぎてゆく。故に、「長時間労働」はよくないという議論であれば納得もゆく。しかし、「長時間労働」というカタチだけを問題にしている論調も見受けられる。

確かに「カタチから入る」というのもひとつの方法であり、「長時間労働」を無くすことで、効率よく効果的に達成感を感じさせることへの取り組みが、あわせてなされるのであれば、それは理にかなっているが、ただ時間だけを問題にしても意味のないことだろう。

自分の能力の不足、要領の悪さ、勉強不足を「不安」に感じ、なんとかいい成果をあげようと長時間かけることで補おうというのは、咎めるべきことではない。それが結果として達成感を与えるのなら、成長の喜びを感じることができるだろう。むしろ、そういう「不安」という自覚こそが、成長のきっかけであって、それを払拭して「達成感」を得るためには、「長時間」が助けになることもある。そういう考え方を持てるかどうか、あるいは、まわりがそういうことに気遣えるかどうかが大切なのだろう。

「不安」の自覚をきっかけとし、それを払拭しようと努力し、結果として「達成感」を得る。私にとっては、それが成長のルーティンとなっている。人材の育成や組織のマネージメントも、そんなルーティンを意識してみるのもひとつの考え方ではないだろうか。

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