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【図解】コレ1枚でわかる情報システムの3階層

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「情報システム」は、アプリケーション、プラットフォーム、インフラストラクチャーの3階層で成り立っています。

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アプリケーション

「アプリケーション(Application)」とは、「適用、応用」という意味で、業務個別の仕事の流れ(ビジネス・プロセス)をコンピューターで実行するための仕組みのことです。適用業務システム、あるいは、アプリケーション・システムとも呼ばれています。「アプリ」と略されることもあります。

販売管理システム、文書管理システム、経費精算システムなど企業や組織で使うものや、ワープロソフトや表計算ソフト、ブラウザーや音楽再生ソフト、ゲームソフトなど個人で使うものもあります。

例えば、「販売管理」業務の場合、かつては「受注−顧客登録−出荷指示−請求」といった一連の仕事を紙の伝票の受け渡しや電話連絡で行っていました。そのための手間や時間は大変なもので、伝達や転記でミスを犯すこともありました。この作業をコンピューターで行えば、キーボードやバーコードで取り込んだデータは即座に関係者に伝達され、自動倉庫を動かして荷物をトラックに積み込み、請求書を印刷してくれます。この一連の作業に人間が介在することはありません。おかげで、業務の効率は高まり、連絡ミスや台帳の転機ミスもなくなったのです。

「文書管理」であれば、紙の書類を束ねたフォルダーを開かなくても、キーワードを入力して検索すれば、どこにいても即座に必要な書類を取り出すことができます。「経費精算」であれば、オフィスの机に座って紙の伝票に出張の経路や日付、交通費を書き込み捺印して上司に渡さなくても、移動中の電車の中でスマートフォンを使い、過去に使った同じ経路の情報を呼び出し日付を変えるだけで手続きを終わらせることができます。おかげで、めんどうな事務処理を短時間で、しかも隙間の時間に終わらせることができるようになったのです。

このように業務個別のビジネス・プロセスをコンピューターで実行させるために作られたプログラムと、それを動かすために必要なソフトウエアやハードウェアを使って動いている仕組みが「アプリケーション」なのです。

プラットフォーム

プラットフォーム(Platform)とは、「土台、基盤」と言う意味で、アプリケーションを動かすために必要となる共通機能を提供するソフトウエアのことです。

例えば、「オペレーティングシステム(Operating SystemまたはOS」は、キーボードやマウス、通信装置やストレージ(データを保管する装置)などのハードウェアとアプリケーションのやり取りを仲介し、無駄なく、確実にシステム全体の動きを制御する役割を果たします。

また、様々なデータを体系的に管理してくれる「データベース管理システム」、システムの稼働状況を監視し問題があれば教えてくれる「運用管理システム」、プログラムの開発を簡単にしてくれる「開発支援ツール」などもプラットフォームの仲間です。後者は、アプリケーションとオペレーティングシステムの中間に位置するソフトウエアということで、「ミドルウェア(Middleware」と呼ばれています。

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ところでコンピューターが世の中に登場した1950年代、「プラットフォーム」という考え方はまだ定着していませんでした。そのため、業務個別に作られたアプリケーション・プログラムごとにデータを管理する、システムの稼働状況を監視する、ハードウェアを効率よく動かすなどの機能を組み込んでいました。しかし、このような機能は、どのようなアプリケーションでも共通に使われる機能です。ならばそれをひとまとめにしてコンピューターで動かしておき、アプリケーション・プログラムが必要に応じて使えば、プログラム開発の負担を減らすことができのではないか、ということから誕生したのがプラットフォームです。

また、いまなら当たり前のことですが、PC(Personal Computer)にワープロソフトを導入(インストール)したら、ワープロが使えます。ゲームソフトをインストールしたらゲームで遊べます。つまり、アプリケーション・ソフトウエアを追加するだけで、一台のPCでいろいろなことができるようになります。

しかし、コンピューターが誕生した頃はこんなことはできませんでした。例えば、冷蔵庫はモノを冷やす、電子レンジは食品を暖める、掃除機はゴミを吸い取るといったように、家電製品はひとつの機能に特化した専用機として作られていますが、昔のコンピューターもそれぞれの仕事に合わせた専用機だったのです。そのため、当時のソフトウエアもまたはひとつの仕事専用であればよく、アプリケーションやミドルウェア、オペレーティングシステムを区別する必要はありませんでした。また、専用のハードウェアに合わせて個別に作ればよかったのです。

しかし、それでは、業務毎に扱い方の違う専用コンピューターを用意しなければなりません。開発する側も、使う側も大きな負担となっていました。そこで、コンピューターを「アプリケーション」、「オペレーティングシステム」、「ハードウェア」に分け、それらを組み合わせる際のやり方を予め決めておけば、それぞれ別々に作ることができます。そのために重複したものは作らなくて良くなり、アプリケーションを開発するための作業負担は少なくなりました。また、同じオペレーティングシステム用に作られたアプリケーションであれば、同じコンピューターで使いたいアプリケーションをインストールするだけで、いろいろなことができるようになったのです。やがて、アプリケーションの中でもよく使われる共通の機能がミドルウェアとして取り出され、オペレーティングシステムと共にプラットフォームと呼ばれるようになりました。

オペーレティングシステムには、皆さんもよくご存知のPC用のWindowsやMac OS X、スマートフォンやタブレット用のAndroidやiOSなどがあります。最近では、これらオペレーティングシステムの機能に、文書作成や写真の加工・編集、音楽再生などのアプリケーション、ファイルの管理、稼働監視、セキュリティ対策などのミドルウェアをパッケージにして、まとめて「オペレーティング・システム」と称している場合もあります。この辺りは、混乱するところですが、本来の意味での「オペレーティング・システム」だけでは特徴を示し差別化することが難しく、このように便利な機能を付け加えて魅力を高め、自社の製品をアピールしているのです。

インフラストラクチャー

インフラストラクチャー(Infrastructure)とは、「下支えするもの、構造」という意味で、略して「インフラ」と呼んでいます。プログラムを動かす電子機械であるコンピューター、データを保管するストレージ、通信を担うネットワーク機器などのハードウェアやこれらを設置するデータセンターなどの設備のことです。

もともとは、道路や鉄道、電気や電話、病院や学校など、私たちの生活や社会を維持するために必要とされる設備や制度を意味する言葉として使われていました。これが転じて、情報システムで使われるようになったのです。

ただ、コンピューターといっても個人で使うPCやスマートフォンなどは、インフラとは言いません。企業や組織、あるいは皆さんがインターネットを介して使うような、複数の人が共用する「サーバー("サービスを提供する者"という意味)」といわれるコンピューターがインフラに相当します。

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