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「インターネットは世界最大のコピーマシン」の時代に講演資料はどうあるべきか

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「こちらから本日の講演で使った資料がパワーポイントのデータでタウンロードできます。ロイヤリティ・フリーですので、社内の勉強会やお客様への資料に、どうぞご自由にお使いください。」

講演や研修の教材は、原則として全てこのようにしている。もう、そういう時代なのではないか。

「インターネットは世界最大のコピーマシンだ」

ケビィン・ケリーの最新作「<インターネット>の次に来るもの〜未来を決める12の法則〜」の第3章「FLOWING」の冒頭にこの言葉が書かれている。もはやこの「流れ」を停めることはできない。ならば、この「流れ」に乗ることだろう。

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インターネットの時代になり、情報はコピーされ「流れ」ることが当たり前となった。そして、それが繰り返されることで、新たな価値を生みだしてゆく。

先日、私が基調講演をさせて頂いたイベントで、ある話者が私の以前作ったプレゼンテーションを自分の資料の一部として使いながら、次のように話をしていた。

「斎藤さんのご指摘を繰り返すようですが・・・」

口元が思わず緩んでしまった。本人は、それが私の資料であることは知らなかったようだ。

私の資料に自分の資料を重ね、新たな主張や独自の考察を展開する。そうやって、もとの資料が新たな価値を生みだしてゆく。そんなきっかけを提供できたことはなんと喜ばしいことか。

「研修資料をロイヤリティ・フリーで配ってしまうと、他の人が勝手に使って、仕事がなくなるのではないですか?」

同年配の講師の方が心配をしてくれたが、まったくその気遣いはご無用だ。むしろ、「ロイヤリティ・フリーで配布する」ことが、講義の付加価値を高めてくれる。しかも、「FLOWING」が時代の本性であるとすれば、それに逆らっても意味がない。ならば、コピーされないことに自らの価値を築いてゆくしかないだろう。

本書の中で、「コピーされない価値」について、次の8つをあげている。私なりの解釈を加えながら紹介させて頂く。

  • 即時性:製作者によって発表された時点や製作された時点で手元に届いている。あるいは伝えられること。
  • パーソナライズ:その場にいる人たち、個人、会社など、一般論としてではなく、個別にカスタマイズされること。
  • 解釈:資料は無償で公開されているが、その解釈や説明方法も手に入れたい。
  • 信頼性:コピーは誤った解釈で説明されることもある。しかし、製作者自信が説明すればそれは信頼に値する。
  • アクセス可能性:所有することは時にして面倒だ。いつでも整理され、最新の状態で資料を利用できる。
  • 実体化:コピーの核心は実体がないこと。ただし、ライブの講演には身体で感じるという価値がある。
  • 支援者:熱心なファンや賛同者。資料提供者と彼らとの一体感。
  • 発見可能性:資料があってもそれを見つけられなければ価値は生まれない。ブログ、講義、講演、メルマガ、ダウンロードサービスなどで発見の可能性を広げる。

いつの時代も過去の時代とのせめぎ合いであり、そこに様々な軋轢が生まれる。しかし、時代の本性は変えることはできない。ならば、それに乗るしかない。いや利用するしかない。

【募集開始】ITソリューション塾・第23期

10月5日(水)より、次期「ITソリューション塾・第23期」が開講します。

「知ってるつもりの知識から実戦で使える知識へ」

をモットーに、テクノロジーやビジネスのトレンド、さらにはこれからのビジネス戦略に踏み込んで考えてゆこうと思います。

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基本の講義以外にも特別な講義を用意しています。

【特別講師】

情報セキュリティとDevOpsについては、その分野の実践者を講師に迎え「実践ノウハウ」を伺います。

【特別補講】

参加された皆様のご要望にお応えするかたちで行う特別補講では、特にホットなテーマに関わる当事者をお招きし貴重なお話を伺います。これまでは、「クラウド4社・エバンジェリストによる各社の戦略紹介」、「IoT時代のセキュリティ対策」、「最新・SAPまるわかり」などをテーマに取り上げ、オープンな講演では先ず訊くことのできない生々しいお話を聞く機会を設けるなど、「実践」につながる講義を行いました。

【その他】

「実践でそのまま使えるロイヤリティ・フリーのプレゼン500枚」の提供も皆さんの実践をサポートするための一環です。

直近の参加実績は、以下の通りです。

  • 第20期 88名
  • 第21期 81名
  • 第22期 84名

【事前連絡のお願い】

募集開始後、比較的早い段階で定員に達することが予想されます。まだ正式に決定できない場合は、まずはメールで構いませんの参加のご意向をお知らせください。参加枠を確保させて頂きます。

詳しくはこちらをご覧下さい。

ITソリューション塾・福岡を開催します

既に東京・大阪で多くの皆さんにご参加頂いております「ITソリューション塾」をいよいよ福岡で開催させて頂くこととなりました。

「知っているつもりの知識から、実戦で使える知識へ」

ITビジネスに関わる皆さんや情報システム部門の皆さんが、知っておくべき「ITのいまと未来の常識」をできるだけわかりやすく体系的にお伝え仕様という取り組みで。詳しい資料はこちらからダウンロード頂けます。是非、ご検討下さい。

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【最新版】最新のITトレンドとビジネス戦略【2016年8月版】

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*** 全て無償にて閲覧頂けます ***

最新版【2016年8月】をリリースいたしました。

【インフラ&プラットフォーム編】(295ページ)

フラッシュストレージの記述を新たに追加いたしました。

【新規】ストレージアレイの違い p.275
【新規】フラッシュストレージが注目される理由 p.277

【アプリケーション&サービス編】(250ページ)

解説(文章)付きスライドを増やしています。また、全体のストーリーを一部見直し、内容の古いチャートは削除しました。

【新規】なぜ今人工知能なのか p.147
【新規】人工知能と機械学習 p.148
【新規】人工知能と機械学習/全体の位置付け p.149
【新規】技術的失業と労働人口の移動 p.180
【更新】ウォーターフォール開発とアジャイル開発 p.220
【更新】DevOpsの目的 p.223
【新規】不確実性のコーン p.227
【新規】システム開発の理想と現実 p.228
【新規】ARとVRの違い p.248

【ビジネス戦略編】(92ページ)

記載内容が古いチャートを削除し、解説文付きのチャートを増やしました。

【新規】UberとTaxi p.4
【更新】ハブ型社会からメッシュ型社会へ p.5
【更新】これからのITビジネスの方程式 p.57
【補足】解説文を追加したチャートを増やしました。

新入社員研修教材「最新のITトレンド」 (119ページ)
【更新】原本の改訂に合わせ、内容を刷新いたしました。

閲覧は無料です。ダウンロード頂く場合は会員登録(500円/月)が必要となります。
http://libra.netcommerce.co.jp/

まずは、どのような内容かご覧頂ければ幸いです。

「ポストSIビジネスのシナリオをどう描けば良いのか」

これまでと同じやり方では、収益を維持・拡大することは難しくなるでしょう。しかし、工夫次第では、SIを魅力的なビジネスに再生させることができます。

その戦略とシナリオを一冊の本にまとめました。

「システムインテグレーション再生の戦略」

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  • 歴史的事実や数字的裏付けに基づき現状を整理し、その具体的な対策を示すこと。
  • 身の丈に合った事例を紹介し、具体的なビジネスのイメージを描きやすくすること。
  • 新規事業を立ち上げるための課題や成功させるための実践的なノウハウを解説すること。

また、本書に掲載している全60枚の図表は、ロイヤリティ・フリーのパワーポイントでダウンロードできます。経営会議や企画書の資料として、ご使用下さい。

こんな方に読んでいただきたい内容です。

SIビジネスに関わる方々で、

  • 経営者や管理者、事業責任者
  • 新規事業開発の責任者や担当者
  • お客様に新たな提案を仕掛けようとしている営業
  • 人材育成の責任者や担当者
  • 新しいビジネスのマーケティングやプロモーション関係者
  • プロジェクトのリーダーやマネージャー
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