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【図解】コレ一枚で分かるM2MとIoTの違い

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モノにセンサーを組み込み、データを収集し監視するという仕組みはIoTという言葉が登場する遙か以前からありました。1964年に開通した新幹線、1974年に運用が始まった「地域気象観測システム:アメダス」、1970年代に始まった生産設備の自動化などでも、同様の仕組みが使われていました。しかし、それらはどれも特定の業務目的に特化した仕組みで、他のサービスで再利用されるといったことは想定されていませんでした。このような仕組みは、やがてM2M (エム・ツー・エム:Machine to Machine)と呼ばれるようになります。

その後、センサーやコンピューターの小型・高性能化、低価格化が進み、通信も高速・高性能化とともに料金が大幅に下がりました。また、インターネットやクラウドの普及とともに、M2Mの適用領域は大きく拡がります。そして、様々な「モノ」がインターネットに接続され、さらにはモノ同士がお互いにつながるようになり、IoT(アイ・オー・ティー:Internet of Things)という用語がM2Mに置き換わるように広く使われるようになりました。

「IoT」という用語は、1999年に無線ICタグの専門家であるケビン・アシュトンが初めて使ったとされています。彼は、当初は無線ICタグを使った商品管理システムをインターネットに例えて使っていたようですが、商品だけではなく様々なモノをインターネットにつなぐ概念として、その後転用されたと言われています。

IoTがかつてのM2Mと本質的に違うのは、センサーを搭載した機械やモノの数が桁違いに多いことに加え、インターネットやクラウドというオープンな仕組みの上で使われ、自社以外の企業ともつながり、新たな組合せを生みだすことができることです。例えば、

  • あなたが持っているスマートフォンのGPSを使えば自分の位置が分かります。そんなGPSのデータを大量に集め、その移動時間やルートを解析することで、地図上に「道路の渋滞状況」を表示させることができます。
  • 自動車に組み込まれたセンサーによって運転手の運転の仕方を分析し、運転手ごとに省エネ運転や安全運転のアドバイスを行うことができます。さらにそのデータを保険会社と共有することで、安全運転をしている運転手の保険料を割り引く自動車保険が登場しています。
  • 損保会社は、気象情報企業が集めた気象データを用いることで、将来における住宅や設備の損害請求を予測し、悪天候や災害が起こるリスクや影響を地域ごとに定量化することができます。そのリスク情報に基づいて、契約者個別の保険内容を組むことや財務上のリスクを減らすための取り組みができるようになります。 また、天候の悪化が予想される地域を走行しているドライバーにスマートフォンから注意を促し、近辺のスターバックスでやり過ごすように促し、そのための割引クーポンを発行できるようになります。それによって、事故を未然に防ぎ保険料の支払いを減らすことができます。

データで様々なサービスがつながることで、IoTはビジネスに新しい組合せを生みだすエコシステムを築きます。それが、これまでには無かった便利で効率のよいサービスや社会システムを登場させる基盤となるのです

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