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もっとお客様の立場に近づき説得力を持てるようになるために

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「よく歴史とは、国家や社会、人間についての実験室のようなものだと言われています。私たちは人間の関わる分野について、ビーカーやフラスコで実験することができません。その代わりに歴史の世界に入り込み、さまざまな試行錯誤を体験する。そのことで今日の課題を知り、明日に備えることができるのです。」

戦後史の正体(著:孫崎享/創元社)」の後書きの一節です。

大変に衝撃的な1冊でした。また、これまで腑に落ちなかった事件や出来事が、するっと紐解け、つながって行く心地よさを感じさせてくれました。

日本の戦後史を「米国からの圧力」という視点から解き明かしてゆく歴史書ですが、そのわかりやすい展開は読者を飽きさせることがありません。私もあっという間に読み終えてしまいました。

著者の孫崎享氏について、あるいは本書の内容については、様々な評価があることは承知しています。しかし、明確な軸を持ち歴史的事実を冷静に捉えようという態度は、ものごとを理解してゆくうえでとても大切なことだと実感させられました。「軸」は彼のもの以外にもあるわけですが、多様な軸でものごとを捉え、自分なりの実像を描き解釈してゆくことが大切であり、そのひとつとして大いに役立つことは間違えありません。

本書の詳細について、ここで語るつもりはありませんが、7月の参議院議員選挙を控えるいま、政治を考えるいいきっかけです。そんな想いがあれば、是非ともお勧めしたい1冊とだけ申し上げておきましょう。

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さて、歴史は国家や社会、人間を理解するためだけに有効なわけではありません。ITについて理解するためにも歴史は大変役立ちます。なぜこのようなテクノロジーやシステムが多くの企業で使われているのかを理解するために、それらが登場した歴史的背景を学べば、なるほどそういうことだったのかと合点がゆきます。例えば、いま人工知能が注目されていますが、それは人工知能という技術が登場したから注目されたのではありません。それを必要とする社会的背景があるからこそ注目されるようになったのです。それが如何なるものかを理解するためには、人工知能の歴史だけではなく、それらが研究されてきた時代背景や人工知能以外のテクノロジーの歴史を併せて眺めてみれば、なるほどと納得できるのです。

ERPやSFAがなぜ欧米で生まれてきたのかも、宗教や社会制度の歴史を学べばなるほどと納得できます。そして、このようなシステムを導入することに、なぜ日本の「現場」は抵抗し、膨大なカスタマイズを生みだしてしまうのかも、歴史が教えてくれます。私はその理由を以下の2冊から学びました。

ご興味があれば、ご覧下さい。ITについてはまったく書かれていませんが、ERPやSFAに実装されている機能の背景にある社会や思想を理解できるはずです。

私が主宰する「ITソリューション塾」でもそんな歴史を大切にしています。それは、お客様に機能や性能を売り込むのではなく、お客様の課題やニーズに向き合い、それに応えるためにはテクノロジーやサービス、アプリケーションが生まれた思想や歴史的背景を知ることが大切だと考えるからです。そういう視点で「いま」のテクノロジーや自社の商材を捉え直せば、もっとお客様の立場に近づき説得力を持てるようになると思うからです。

今回読み終えた1冊は、あらためてそんな歴史の意義を考えさせてくれました

開催!ITソリューション塾・関西(グランフロント大阪タワーA)

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詳細は、こちらにてご覧下さい

*定員に達しました締め切りとなります。もし、まだ決定ではないけれど、ご参加のご意向がありましたら、まずはメールにてお知らせください。参加枠を確保させて頂きます。

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【更新】コンテナ型仮想化とDocker p.166

【アプリケーション&サービス編】(233ページ)
人工知能についての解説を追加、ウォーターフォール開発とアジャイル開発の違いをわかりやすく解説

【新規】IoTの取り組みを成功させる3つの要件 p.87
【新規】人工知能との付き合い方 p172
【新規】産業発展の歴史からみた人工知能の位置付け p.173
【新規】ウォーターフォール開発とアジャイル開発 p.205-207
【新規】ドローン p.227
【新規】bot(ボット) p.228

【ビジネス戦略編】
今月の改定はありません。

閲覧は無料です。ダウンロード頂く場合は会員登録(500円/月)が必要となります。
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まずは、どのような内容かご覧頂ければ幸いです。

「ポストSIビジネスのシナリオをどう描けば良いのか」

これまでと同じやり方では、収益を維持・拡大することは難しくなるでしょう。しかし、工夫次第では、SIを魅力的なビジネスに再生させることができます。

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「システムインテグレーション再生の戦略」

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  • 歴史的事実や数字的裏付けに基づき現状を整理し、その具体的な対策を示すこと。
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  • 新規事業を立ち上げるための課題や成功させるための実践的なノウハウを解説すること。

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こんな方に読んでいただきたい内容です。

SIビジネスに関わる方々で、

  • 経営者や管理者、事業責任者
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  • 新しいビジネスのマーケティングやプロモーション関係者
  • プロジェクトのリーダーやマネージャー
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