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新規事業の芽を摘む「3年後に10億円」の事業目標

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「3年後に10億円のビジネスをめざして欲しい。」

新規事業の目標について、経営者がこのような「お言葉」を語ることがあります。しかし、これは現場の発想を硬直化させ、多くの発想をこの基準でフィルタリングし排除してしまいます。生々しく現実感がありすぎるのです。だから、いろいろとアイデアが浮かんでも、「これで10億はむりだなぁ」となり、選択肢からはずしてしまうのです。

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新規事業は、何を成功と見做すかを予め決めることができません。「これはいける」とはじめても、うまくいかないことばかりです。特にそれがこれまでに無い新しいビジネス・モデルであるとすればなおさらです。

多くの企業は、既存業務の改善には馴れています。コストを何割削減する、あるいは、できなかったことをできるようにするというように、前提となる基準があるのでKPIを設定できました。しかし、これまでにない新しいビジネスはそれがないのでKPIを定めることはできません。試行錯誤を繰り返し、KPIそのものを探しながらすすめてゆくようなものです。

そんな新規事業に、これまでの業績評価の基準や事業計画のやり方を当てはめようとしないことです。改善や拡張ではないため基準となる目標値は設定できず、市場予測はできません。KPIを設定できず、裏付けのある事業計画がなければ、承認しない意志決定のメカニズム、すなわち「稟議制度」が新規事業の芽を摘んでしまいます。そんな既存の事業規模を基準とした事業目標の設定は、新しい発想の妨げとなるばかりか、現場の意欲を削いでしまいます。

できれば、「将来、数千億円のビジネスになり、今の仕事を全て辞めてもいいくらいなビジネスをめざして欲しい。」と言って欲しいものです。大きな視野に立ち、世の中を変えることをめざして何かを取り組めば、例え失敗しても、規模はそこそこであっても次につながる新しい何かが残るはずです。

ビジネスにとっての成功は、売上や利益の向上です。しかし、新規事業は、時にしてそれを実現するために、まず新しい市場やユーザーの価値観を創造しなければなりません。それは「何か」を見つけることと「3年後に10億円」をはじめから結びつけて考えることには無理があるのです。

その「何か」を見つけ、一定の収益が上がる見通しが立った後は、「3年後に10億円」というKPIは、有効に機能するでしょう。しかし、それ以前は、有望なアイデアを排除し、やる気をなくさせる言葉にしかならないことを心にとどめておく必要があります

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