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【新入社員のために】社会人にとって「学ぶ」とはなにか 5/5 どうすれば実践できるか

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社会人にとって「学ぶ」とはどういうことか、なぜ必要なのか、どうすれば「学ぶ」ことができるのか。そんなことを五回に分けて紹介してゆきます。

  • 第1回目 なぜ
  • 第2回目 どのようにして「時間」
  • 第3回目 どのようにして「興味」
  • 第4回目 どのようにして「行動」
  • 第5回目 どうすれば実践できるか

「啐啄同時」という禅の言葉がある。5月のこの時期は、野鳥は子育ての真っ最中で、卵の中のヒナ鳥が殻を破って生まれ出ようとする時期でもある。このとき卵の殻を内側から雛がつつくことを「啐」といい、ちょうどその時、親鳥が外から殻をつつくのを「啄」という。雛鳥が内側からつつく「啐」と親鳥が外側からつつく「啄」が同時に行われることで殻が破れて中から雛鳥が出てくる。「学び」とはこういうことだという例えだ。

「啐」とは学びたいという意欲だ。その意欲にタイミング良く「学ぶ」機会が与えられたときに、人は与えられた知識をしっかりと受け取ることができる。

では、誰が親鳥、つまりは教師となって「啄」を与えてくれるのだろうか。それを与えてくれるのは、親でもなければ会社でもない。自分自身が親鶏を見つけるしかない。これが、学生と社会人の大きな違いだ。じっとしていても、親鶏は向こうからやっては来ない。

ではどうすればいいのか。自分で探すしかない。書籍やウエブ、勉強会や講演会など、ネットで探せばいくらでも見つけることができるだろう。先輩や上司に訊ねてみてもいいだろう。とにかく「やってみる」ことが大切で、それがきっかけとなってまた新たな興味も芽生えてくる。そんなことの繰り返しが、成長の機会を増やしてくれる。

何よりも大きな学びの機会は「仕事」そのものだ。仕事ができて、はじめてあなたはその会社での存在意義を持つことができる。仕事ができなければ、あなたはその会社にとって「給与泥棒」に過ぎない。

「焦る必要は無い」などと調子のいいことを言う大人たちもいるが、私はとんでもないことだと思う。焦って、焦りまくって、必死になって仕事を覚えようとがむしゃらに努力することだ。そんな気持ちで取り組んで、はじめて自分の限界を知ることができる。そして、その限界を乗り越えたとき仕事を覚えるわけで、そういう限界を何度も味わうことこそが、あなたを成長させる。

だからといって、「何も考えず」ではいけない。限界に突き当たったとき、「なぜ」、「どうして」、「どうすれば」を感じ取り、それを冷静に考える時間が必要だ。以前この連載でも話したことだが、それが「朝の1時間」だ。そういう時間を必ず持てる日常を、カタチとして作っておくことが限界を突破するきっかけを与えてくれる。身体で覚えることは大いに結構なことだが、それがどういうことかを冷静に、分析的に捉えられることが、新しいことに取り組むときに必ず役に立つ。カラダとアタマのバランスをしっかりと保つことが、「学び」の基本と心得ておくといい。

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最後に、これまでのことをまとめてみよう。

朝の1時間、何をやるかより、まずはカタチから作ること

「朝が苦手なのですが、どうすればいいのでしょうか」。

それは自分で克服するしかない。苦労もせずに実現しようなんて調子のいい話だ。苦労して、それを克服するからこそ成長できることを忘れてはいけない。

動き回れ、興味を見つけるチャンスを増やすこと

「何に興味があるのか、よく分からないのですが、どうすればいいでしょうか。」

視野を広げること。いろいろなことに関わること。いろいろな人に会うこと。とにかく動き回って、面白そうなことを探してこそ、何かが見つかる。

限界に挑戦しろ、いまの限界を超えることが成長

「プライベートの時間を大切にしたいので、仕事はそこそこでいいかなぁと思っています。」

それもひとつの生き方だろう。しかし、それではいつまでたっても自分が何者かを知ることはできない。人は限界までやってみたときはじめて、自分の適性や能力がわかる。「やりきった」実感を得て、人ははじめて自分を知ることになる。限界を突き詰めたことがなければ、いつまで経っても自分を知らないままに人生を送ることになるだろう。

何もしない後悔より、何かをやって失敗する後悔のほうが、自分も納得できるはず。社会人人生が始まったいま、どれだけチャレンジや苦労を背負い込むかがこれからの成長の加速度を決めてゆく。いま加速するか、何年も経ってから加速するか、それは自分が決めるしかない。そして、その責任は自分で負うしかない。誰も責任をとってくれはない。それが社会人ということだ

開催!ITソリューション塾・関西(グランフロント大阪タワーA)

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*定員に達しました締め切りとなります。もし、まだ決定ではないけれど、ご参加のご意向がありましたら、まずはメールにてお知らせください。参加枠を確保させて頂きます。

【最新版】最新のITトレンドとビジネス戦略【2016年5月版】

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*** 全て無償にて閲覧頂けます ***

【大幅改訂】新入社員研修のための「ITの教科書」

最新版【2016年5月】をリリースいたしました。

今月の目玉は「新入社員のための研修教材の追加」と「IoTや人工知能についての資料を大幅に追加」したことです。ご活用下さい。

【新入社員研修教材「最新のITトレンド」・2016年版】

最新のITトレンドについての新入社員向け研修教材として作成致しました。内容は、月次に更新している「最新のITトレンドとビジネス戦略」からの抜粋です。

加えて、以下のドキュメントもダウンロード頂けるようにしました。

  • 事前課題(Word形式)
  • 理解度テスト(Excel形式)
  • 最新ITトレンドの教え方(PPTX形式/解説をノートに記載)

本教材の各ページには、できる限り解説を併記しています。ただ、未記入のものもありますが、今後の更新にて順次追加致します。

【最新のITトレンドを理解するための基礎知識】

主に新入社員を対象に、最新のITトレンドを理解するために知っておくべき基礎知識を改定しました。プレゼンテーションに加え、解説文(教科書)も合わせて掲載いたしましたので、自習にも役立ちます。

【インフラ&プラットフォーム編】(266ページ)

  • サービス編と重複する内容を削除すると共に、全体の順序を変更しました。
  • 「クラウドによる新しい組合せ」を追加すると共に、解説文を掲載しました。p.27
  • 「ASPとPaaSの違い」を追加しました。p.58
  • 「マルチテナント効果」を追加しました。p.59
  • 「Oracle 12cのマルチテナント・アーキテクチャ」を追加致しました。p.60
  • 「Amazon API Gateway」を追加致しました。p.63
  • 「ITで変わる働き方」を追加しました。p.178

【サービス&アプリケーション編】(224ページ)

IoT

  • 「モノのサービス化」を新規追加し、解説を加えました。p.27
  • 「製造業のサービス化」を新規追加しました。p.31
  • 「IoTで変わるビジネス価値」を新規追加し、解説を加えました。p.32
  • 「ビジネス価値の進化」を新規追加しました。p.33
  • 「機器のイノベーションとビジネス戦略」を新規追加しました。p.41
  • 「CRMとトータル・エンジニアリング・サービス」を新規追加しました。p.55

スマートマシン

  • 「人工知能と機械学習」を改訂し、解説を追加しました。p.144
  • 「人工知能の4レベル」を改訂し、解説を追加しました。p.145

【ビジネス戦略編】(92ページ)

  • 「戦略・作戦・戦術とIT」を改訂しました。 p.12
  • 「商品としてのITの作り方」を追加しました。p.13

閲覧は無料です。ダウンロード頂く場合は会員登録(500円/月)が必要となります。
http://libra.netcommerce.co.jp/

まずは、どのような内容かご覧頂ければ幸いです。

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