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提案活動はゴールを共有することからはじめる

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「この案件を獲るために、お客さま内に大きなシェアを持つA社の下でやるのがいいように思っていまして、その辺の関係作りからはじめようと思っています。」

「手近な運用から入り、何を提案すべきかを探った上で、提案をまとめようと考えています。」

「まだまだ、お客さまの考えを十分に聞き取れているとは言えません。もう少し時間をかけて、情報収集をしてから提案しようと考えています。」

こういう話しを聞くと、「本当にやる気があるのですか?」と思ってしまう。

適切なアプローチ・ルートを考えることや、お客さまの情報を徹底的に収集し的確で精緻な提案内容を組み立てることは大切だ。しかし、それは提案をクローズするために必要なことではあっても提案のチャンスを得るためには必ずしも重要ではない。残念ながら、このようなアプローチを続けている限り、いつまで経っても下請けに甘んじるか、自ら進んで競合状況を演出することになる。

まずは意志決定に関わる人が誰かを見つけ出し、その方に会って提案の目的やゴール、すなわち彼らが望む「あるべき姿」を合意することだ。

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例えば、お客様が「メインフレームをやめたいのだが、提案してもらえないだろうか」という相談があったとしよう。これは手段の相談だ。ならば、その手段を使って、結果としてどうなっていたいのだろか。「IT予算の大きな部分を占めるメインフレームを維持するコストを下げたい」がお客様の望む「あるべき姿」であれば、メインフレームを辞めることが必ずしも最良の手段とは言えない。なぜなら、莫大な移行費用がかかる、またメインフレームに最適化それたアプリケーションが移行先の新しいプラットフォームで確実に動くという保証はなく安定化させるまでにトラブルが起きるリスクが高い。

何ら新たな付加価値を生みださないにもかかわらず莫大な費用とトラブルのリスクが高まることが果たして最良の手段と言えるだろうか。コストパフォーマンスの高い小型の最新機種に置き換える、中古機に入れ替えるといった選択もあるかも知れない。「あるべき姿」がコストであるとすれば、このような選択肢の方が遥かに安全で確実なアプローチとなるだろう。もし、「あるべき姿」がコストでなければ、別の実現策を考えなくてはならない。

まずは、ゴールとなる「あるべき姿」を共有すること。そして、一緒になってそのゴールを目指しましょうと握手することが、提案活動の出発点だ。それを実現するルートや手段を具体化することは後でいい。まずは最初に高いところに立ち、そこへ至る最良のルートを探せばいい。

始めるために時間をかけるべきではない。まずは、「あるべき姿」を合意することから、始めてみてはいかがだろう

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  • 自動運転車の動向について追加しました。p.129-130
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  • 従来の機械学習とディープラーニングの違いを図表に組み込みました。p.149-150

【ビジネス戦略編】(86ページ)

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