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新入社員研修で考えておくべき5つの取り組み

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新入社員を迎えるべく、研修の準備を進められている企業も多いのではないでしょうか。私も、ご相談を頂くのですが、未だ多くのSI事業者が「プログラミング」に偏重したカリキュラムを組んでいるのは、果たして如何なものかと思ってしまいます。

もちろん、「プログラマーが商品」である企業にとって商品作りは欠かせません。また、ITをまったく知らないままに会社に入った人材が大半ですから、プログラミングを切っ掛けに「ITを感じる」ことはそれはそれで意味のあることです。しかし、もはや付加価値の少ない人月仕事で利益が出ない現実を考えれば、新しい人材をこれまで稼いできたビジネスのスキームに当てはめて育成しても、投資対効果は低いと言わざるを得ません。付加価値の低い人月仕事は既存の人材でやりくりし、付加価値の高い仕事ができる人材を育てるべく、早い段階から取り組むべきではないでしょうか。では、どのような取り組みをすべきでしょうか。

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自分たちの現状を理解させる

何よりも自分たちの関わるビジネスやテクノロジーの現状や未来を客観的に理解させることです。これは決してネガティブな意味ではなく、ITの大きな可能性を理解させ、同時に自分たちの現状も正直に伝え、そのギャップを埋めることが自分たちの役割であること理解させることです。それは容易な道のりではないことも自覚させ、そこにやり甲斐を持ってもらうような研修を行うべきでしょう。

例えば、私が行っている新入社員のためのITビジネスやトレンドの研修では、まず事前課題として、最新のトレンドにまつわるキーワードを提示し、そのレポートを提出させるようにしています。これは、ネットで調べてコピペで回答できるようなものではなく、自分の考えや意見を述べなくてはなりません。しかも、完全な文章であって、メモや箇条書きではありません。新人でなくてもかなりハードルの高い課題です。しかし、自分で調べ、考え、答えを作る過程が大切であり、このような機会を通じて、現実を肌で感じる切っ掛けが生まれます。

講義で大切なことは、テクノロジーをビジネスや社会、思想や哲学と結びつけて伝えることです。手段をどう実現するかではなく、ビジネスや生活、社会がITによってどのように変わってゆくのかをあわせて伝えることで、自分たちの関わってゆく仕事の意義や役割を考える切っ掛けとなるでしょう。

知識を教えるのではなく、考え方を教えることです。あるいは、学び続けるコトの大切さやその方法を教えることです。

クラウドを使い倒させる

今後システムはパブリック・クラウドやホステッド・プライベートクラウドへとシフトしてゆきます。この両者を組み合わせたハイブリッド・クラウドが、システムの前提となるでしょう。また、PaaSやAPI、コンテナといったサーバーレス・システムが当たり前の時代になろうとしています。そんな時代にIaaSは必ずしも全てではないことも理解しておく必要があります。そういう環境を使って、開発と運用のあり方(DevOps)を体感させることです。

開発においてはアジャイル開発を徹底させることです。アジャイル開発を新人にやらせることの大きな意義は、リファクタリングやテスト駆動型の開発を行う過程で他人のコードを読む機会が与えられることでしょう。これを実践されプログラミングが初めての人材を短期間に戦力化する取り組みをされている方が、その効果の大きさを話されていました。

オンプレのシステム構築やプログラムのソースコードを書くことは基本だから外せないという方もいるのですが、ならば「基本」にとどめて、クラウド・ネイティブに重心を置いた研修を行っては如何でしょうか。

社外のコミュニティや勉強会に参加させる

毎日のように様々な勉強会やイベントが行われています。そういう場に参加させ、その報告をさせてはどうでしょう。もちろん懇親会がある場合は、参加させるべきでしょう。

これからのテクノロジーやビジネスのトレンドは、このようなコミュニティ活動や人のつながりから生まれてきます。また、そういう場に参加している人たちのモチベーションは総じて高く、本当の意味での「意識高い系」の人たちに関わることで刺激を受ける人も多いのではないでしょうか。

このような機会を通じて「社畜」意識を払拭させ、社会の一員としての自覚を持たせる機会を与えるのです。

自分たちの仕事の未来を議論させる

世間の常識を知らない連中だからこそ、彼らに自分たちの仕事や会社の未来を議論させるべきです。エクササイズとしての議論ではなく、経営の状態や課題を正直に彼らに伝え、その上で真剣に議論させることです。

カビの生えた常識を抱え、あるいは、社内の力学を配慮し、まともな議論ができないベテランとかシニアとか言う人たちではなく、かれらに語らせてみるのです。知識がなければ知識ある大人がそれを補い、分からなければ調べさせれば良いのです。その手立ては、いくらでもあります。そうやって、真剣に自分たちのことを考えさせることで、社会人としての自覚や仕事への責任感も生まれてくるのではないでしょうか。

社内外での発表のプレゼンテーションを作る

ここに上げた取り組みをプレゼンテーションさせることです。プレゼンテーションは、ものごとの幹と枝葉をより分ける取り組みです。物事の本質をつかむための取り組みとも言えるでしょう。また、他人と自分の相対的な関係を意識させることです。

その話を聞く大人たちは、「おまえの言っていることは理解できない」と感情的に評価してはいけません。ものごとのとらえ方や伝え方、考察の深さや関係の広がり、スコープの設定や論理展開の合理性などを具体的に示すと共に、減点するのではなく、どこがよかったか、前回よりどのように良くなったかを伝えることが大切です。

そういう対話を通じ、発表者は自分を客観視し、何をすれば良いのかを考える機会が得られます。

「うちでは、こんなことなどできませんよ」

と一蹴するのは簡単ですが、できることからやってみては如何でしょう。

単純労働が、人工知能やロボットに置き換わり、工数はクラウドや自動化ツールの生産性の向上でますます減少することはさけられません。だからこそ、新入社員に未来を託すための取り組みが必要なのです。

100人の普通の人を育てるのではなく、未来を牽引する数人の人材を羽ばたかせ、他の人材が彼らを一体となって支えるような組織を目指し、育成のあり方を考えてゆくべきではないかと思うのですが、みなさんはどう思われるでしょうか。

【定員に達しました】ITソリューション塾・第21期

多くの皆さんの参加登録を頂き、ありがとうございました。おかげさまで定員となりましたので参加受付を修了させていだきます。

なお、既に参加枠確保の事前連絡を頂いております方は、メールにて参加者情報(氏名・メールアドレス・会社名・会社住所・緊急連絡のための電話番号・請求書の有無)をお知らせください。

なお、次回は、5月中旬からの開始を予定しています。改めて次の機会をご検討頂ければと幸いです。

「SIビジネスはなくなってしまうのでしょうか?」

これまでと同じやり方では、収益を維持・拡大することは難しくなるでしょう。しかし、工夫次第では、SIを魅力的なビジネスに再生させることができます。

その戦略とシナリオを一冊の本にまとめました。

「システムインテグレーション再生の戦略」

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  • 歴史的事実や数字的裏付けに基づき現状を整理し、その具体的な対策を示すこと。
  • 身の丈に合った事例を紹介し、具体的なビジネスのイメージを描きやすくすること。
  • 新規事業を立ち上げるための課題や成功させるための実践的なノウハウを解説すること。

また、本書に掲載している全60枚の図表は、ロイヤリティ・フリーのパワーポイントでダウンロードできます。経営会議や企画書の資料として、ご使用下さい。

こんな方に読んでいただきたい内容です。

SIビジネスに関わる方々で、

  • 経営者や管理者、事業責任者
  • 新規事業開発の責任者や担当者
  • お客様に新たな提案を仕掛けようとしている営業
  • 人材育成の責任者や担当者
  • 新しいビジネスのマーケティングやプロモーション関係者
  • プロジェクトのリーダーやマネージャー

【最新版】最新のITトレンドとビジネス戦略【2016年1月版】

*** 全て無償にて閲覧頂けます ***

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最新版【2016年1月】をリリースいたしました。

今月の目玉は、IoTと人工知能についての記述を大幅に刷新したことと、これからのビジネス戦略について、新たなチャート&解説を追加したことです。是非、ご確認下さい。

*全ての資料(529ページ)は全て無料で閲覧頂けます。

【インフラ&プラットフォーム編】(246ページ)
・見栄えや誤字の修正を行いました。内容の変更はありません。

【アプリケーション&サービス編】(199ページ)
*IoTと人工知能について、大幅に資料を刷新致しました。


IoT
・「IoTとは何か」を新規に追加しました。P.14
・CPS(Cyber Physical System)についての記述を追加、修正致しました。p.17-20
・自動運転車について新たなチャートを追加しました。p.23
・モノのサービス化について新たなチャートを追加しました。p.28
・IoTに関する事例動画を刷新しました。p.49-52

人工知能
・8ページの新規プレゼンテーションを追加し、全体のストーリーを変更しました。p.139-153

【ビジネス戦略編】(84ページ)
・「テクノロジードリブンの時代」を追加致しました。 p.3
・「ビジネスの変革を牽引するテクノロジートレンド」を2016年版に差し替えました。p.4
・「ポストSI時代に求められるスキル」を追加しました。p.5
・社会構造の変革に関する記述を追加しました。p.6-8
・「顧客価値と共創優位」を追加しました。p.9-10

http://libra.netcommerce.co.jp/

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